室礼「夏越の祓 禊」

水無月晦日は「夏越の祓(なごしのはらえ)」。

今年前半の穢れをおとし、残り半年の無病息災を祈願して、神社に設えられた茅の輪をくぐって参拝します。

茅の輪はスサノオノミコトと蘇民将来の故事に由来するもの。「水無月の夏越の祓する人は 千歳の命延ぶというなり」と唱えながら八の字に三周まわってくぐります。

また、川辺では御幣を立て、穢れをうつした人形(ひとかた)を流して禊ぎをします。紐で川の流れを模して人形を添え、その風景を室礼にしました。

小さな茅の輪は氏神様のお守りです。そしてこの日にいただくお菓子は、氷をかたどった三角形の白い外郎の上に、邪気払いの小豆をのせた「水無月」です。

作・文 丸山 薫(心葉 主宰)