瓦版 2021.9.21 第585号

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今日の「さんか・さろん」はおなじみ雲仙市の松下隆さんのお話です。また、

10月からの「さんか・さろん」のプログラムも決まりました。豪華で魅力的な

ラインナップです。詳しくは「編集室便り」をご覧ください。

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コラム<火曜日の鐘>  川島英樹(せたがや文化財団)

 

日本の秋

 

「院展」をみた。由緒正しき、日本画の代表的な展覧会だが、出かけるのは

初めて。畳2,3枚分ある大作が並び、日本画の色々な可能性を探っているこ

とがうかがわれた。外国や横文字に溢れた都会の風景、とても美しいとは言い

難い場面を描いたものなど、興味深かった。ただ、こうなってくると、日本画

である必要があるのかどうかも分からなくなった。

実際「日本画」の定義というのは曖昧だそう。明治に入ってきた西洋画に対

して用いられた言葉で、古くからある考え方ではないようだ。もちろん、画家

のこだわりや愛好家の好みは尊重されてよいのだけれど、こと「日本」という

文字がつくと、なにかと話がややこしくなる気がする。

ふと思いだしたのが、月見バーガーのこと。ハンバーガーの肉の上に目玉焼

きが乗っているものだが、この時期にだけ発売され、ファンが多い。各社出し

ているが、元祖のマクドナルドでは30周年とのこと。スローライフと縁遠そう

なマックだが、こんな季節限定品があるのは、日本だけだろう。ハンバーガー

に季節感を求める。これも、ひとつの日本の文化の現れではないかと思う。

今宵は十五夜。月を愛でながら、「日本」を考えてみるのも一興である。

 

 

 

学会コラム<緑と絆の木陰>   神野直彦 (東京大学名誉教授)

 

不条理を越えて

 

真実に忠実に生き、常に時の権力に異議を申し立てた偉大なジャーナリスト

内橋克人が9月1日、天に召された。頑なまでに時流に逆らう彼の生きる姿勢

は、幼き頃に母を亡くし、母親代わりに彼に優しき愛を注いだ親戚の女性が、

神戸空襲で左肩に爆弾が直撃し、生命を絶たれるという不条理を、多感な13歳

の時に経験したことに原点がある。

私は余りにも歳を取りすぎた。NHKテレビの企画した内橋克人の追悼番組の

収録にほぼ一日を費やし、帰宅すると、疲れが出て何をする気にもなれなくな

ってしまった。

人間は誰でも、「生」は偶然だけれども、「死」は必然であることを理解し

ている。私の友人で天文学の権威である岡村定矩東京大学名誉教授によれば、

人間は「星の子供」である。すべての元素は宇宙で創り出され、人間の体を構

成している元素は、必ず一度は星の中にあったからである。

太陽は約50億年後に赤色巨星に進化して、火星の軌道を越えるほどに膨張す

るので、地球上の生命は間違いなく絶滅する。しかし、岡村教授によれば、人

類の絶滅はかなり早い。今世紀末には人類は経験したことのない極めて過酷な

環境のもとで生存することを強いられる。100年後に人類は絶滅しないにして

も、200年後に生存し続けることは不可能ではないかと岡村教授は唱える。

人間は自己の「死」が必然だと自覚している。しかし、「死」が必然で人間

の実存が不条理だからこそ、この存在している瞬間に人間は「生」を意欲する。

もちろん、人間は人類の絶滅も必然だということを自覚している。それも意外

に早く、天体衝突で明日かもしれない。それだからこそ、人間は人間の社会が

存在している、この瞬間に人間の社会の意味充実を意欲する必要があると自分

に言い聞かせている。

 

 

 

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【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej

福岡市「コンフ」。高級なイメージが強いフグをもっと手軽に、との想いから

生まれたフグのオイル漬(コンフィ)。旨味が凝縮、保存性も高い逸品です。

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■街角から畦道から

 

「雑魚美味し」 土屋信由(静岡県下田市 スローライフ学会会員)

 

地元の食材を生かしたアクアパッツァ&近海銭州(ぜにす)の魚を食しまし

た。材料提供は近くの知り合いの釣船からです。誰しもが一度行ってみたい遠

征銭州の大物釣り、今だ快調に大物カンパチが釣れています。

さすが銭洲の魚は美味しい、カンパチと比べ小物は雑魚と思っている釣り人

が多いかも知れませんが、和食、洋食、何にしても旨いです。ウメイロのアラ

のお吸い物、なんと上品なことか。高級ホテルのシェフに使って貰いたいくら

いです。ウマズラハギはキモがギッシリつまり腹パンパン、もみじおろしとキ

モ和えを加えたタレで、最高でした。写真をご覧下さい。

みんな貰い物で料理、これが本当の海の幸です!

 

 

静岡の茶飲み話② ~「中條景昭 像」

坂野真帆(静岡市 株式会社そふと研究室)

 

静岡県は東西155㎞、南北119㎞、全域で20以上の茶産地を有します。標高が

100メートル前後の“里の茶園”から800m以上の“山の茶園”まで、畑の地形

や規模、使う機械も違います。もちろんできるお茶も様子は大きく異なり、そ

のバラエティの豊かさが静岡茶の魅力でもあります。

“里”の代表格は「牧之原大茶園」。現在の大河ドラマでもタイムリーな、

明治維新で失業した徳川幕臣たちが築いた茶園です。広大な茶畑の風景ととも

に紹介したいのが、250名ほどの旧幕臣開拓団のリーダー・中條景昭の像。大

井川の扇状地を見渡す、晴れれば富士山を望める展望地に立ちます。彼は「茶

の樹の肥やしになる」と出世話を断り、牧之原開墾に尽くしました。景昭の像

は、その素晴らしい展望に背を向けて、台地の茶園を見据えています。

今も牧之原で茶づくりを続けている幕臣子孫はわずか数名となりましたが、

そのうちのお一人とは、弊社のお茶ツアーでときどきタッグを組ませていただ

いています。150年の歴史の重みを、お茶の深みとして伝えています。

写真をご覧ください。

 

 

 

 

■まち・むらニュース

 

・長野県飯山市 ナイトハイキングツアー

 

真っ暗な夜の森を、インストラクターの案内で歩く。満天の星空、月明かりに

照らしだされる木々たち・・自ずと五感が研ぎ澄まされ、昼間とは全く違う非

日常の世界が体験できる。

開催期間・時間:11月中旬まで 18:30~20:00(日の入りにより変更あり)

対象:小学生以上  料金:2名 4,000円、3名以上 3,500円

申込み・問合せ:森の家 TEL0269-69-2888

https://nabekura.net/experience/experience-280/

 

 

・神奈川県横浜市 三渓園「観月会」

 

今宵21日は十五夜「中秋の名月」。三渓園では、美しいお月さまを眺めながら

音楽を楽しみ、夜の庭園散策を堪能できる。料金は入園料(大人700円、子ども

200円)のみだが、演奏会場は、事前に有料で指定席を取ることもできる。

期間:~23日(木・祝) ライトアップ時間:18時~21時

会場・問合せ:三渓園 TEL045-621-0634

https://www.sankeien.or.jp/event/2068/

 

 

 

コラム<象さんの散歩>

 

「敬老の日」にうれしい便り

 

20日は「敬老の日」。先週、中野区役所から私宛の便りに「米寿のお祝い」

というハガキ大の表紙の絵が入っていた。緑の服の男性と紅い服の女性と花が

描かれ、「いつまでもお元気で」と書き添えた子どもの絵であった。

別の便せんに「88歳のご長寿、おめでとうございます」「社会への貢献とご

苦労への感謝、お祝いの“敬老カード”を送ります」と。さらに「幼稚園、保

育園の子どもたちが思いをこめて描き、折り紙、切り絵を貼ってつくった」と

あり、「中野区長・酒井直人」の署名。思いがけないプレゼントだった。

「敬老の日」のお祝いは、かねて地方自治体の首長さんの知恵の絞りあいの

おもむきもあったが、自分ごととして感じたのは、もちろん初めてのことだ。

中野のお祝いはよし、と思う。だが、それは、コロナ疲れのせいかも。いや、

新聞テレビが一斉に、いいことづくめの自民党総裁選挙戦を報じるせいかも。

世はさまざま。こんな余裕を持てない人もいるはず・・・<川島正英>

 

 

 

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「奈良県十津川村」から・・

中秋の名月の行事「いもたばり」、今でもいくつかの集落で行われています。

飾られた小芋を子どもたちがもらう、「たばり」は「賜る」から変化した言葉。

移住者が増え、子どもも増えた谷瀬集落では21日に行われるとのことです。

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅>  残念な生き物?

 

中村桂子さんのお話をうかがってから「みんな同じ生き物」という視点を大切

にしています。そういう時に「ざんねんないきもの展」を見ました。青い舌を

出して威嚇するも効き目の無いトカゲ、ノドに肛門のあるデンキウナギ、歯が

全部奥歯のウツボなど。何を基準に残念なの?と怒りたくなったのですが、最

後には皆それぞれ愛せる存在と思える展示になっていて、ほっとしました。

https://noguchi-tomoko.com/post-8136/

 

 

 

■編集室便り

 

▽「さんか・さろん」10月からのプログラム(zoom利用)です。

ご予定ください。またこの機会にご入会も。

 

皆様のご希望などを入れながら決定いたしました。

詳しくはこちらから↓

https://www.slowlife-japan.jp/2021/09/14/%ef%bd%93-42/

 

  • 10月19日(火)19時 奈良県から

「奥大和を語る」

米田 学さん 奈良県知事公室次長(南部東部振興・移住交流担当)

「十津川村を語る」

小山手修造さん 十津川村村長

※11月のフォーラムの予習となる「さろん」です。

 

  • 11月21日(日)10時 奈良県十津川村

「スローライフ・フォーラムin十津川村」での「基調講演」「シンポジウム」

十津川村へ実際に出かけるか、zoomで参加いただくか。ご選択を。

※この回は曜日・時間ともに特別ケースです。20日からぜひ泊りがけで。

 

  • 12月21日(火)19時 高知市から

「“よさこい”は、全国にどう広がり、どんな役目を果たしたか」

川竹大輔さん 高知大学次世代地域創造センター専門員(地域人材育成)

 

  • 1月18日(火)19時 東京から

「コロナ後を見据えたまちづくり」

増田寛也さん スローライフ学会会長、東京大学大学院客員教授

 

  • 2月15日(火)19時 東京から

「イタリア・アグリツーリズモに学ぶものは」

工藤裕子さん 中央大学法学部教授

 

  • 3月15日(火)19時 静岡から

「静岡のお茶と富士山をオリジナルツアーで発信」

坂野真帆さん 株式会社そふと研究室代表取締役

 

 

■年会費・参加費について

 

この「さんか・さろん」予定をご覧になり、新たに会員になろうと思われた

方、10月以降の入会は年会費が3000円となります。これまで年会費はいつの

入会でも5000円でしたが、このたびの役員会で変更となりました。

 

年会費3000円と「さんか・さろん」参加し放題で3000円、合計6000円を下記

にお振込みください。

 

「さろん」1回ごとの参加費は会員1000円、一般2000円、学生無料となります。

 

【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会

※他金融機関からのお振込みの場合は

店名:〇一九(ゼロイチキュウ)店  預金種目:当座

口座番号:0595293 スローライフ学会 まで。

 

 

 

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クオリティソフトから・・・

【たまな商店】国際中医薬膳師・田村英子さんの連載コラム「季節を感じる12

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

 

奈良県吉野郡十津川村

https://www.vill.totsukawa.lg.jp/

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

飯山市

http://www.city.iiyama.nagano.jp/

出雲市

http://www.city.izumo.shimane.jp/

丹波篠山市

https://www.city.sasayama.hyogo.jp/

日本テレネット株式会社

http://www.nippon-tele.net/

シン・エナジー株式会社

https://www.symenergy.co.jp/

クオリティソフト株式会社

http://www.qualitysoft.com

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/

中島プレス工業有限会社

https://www.nakajimapress.jp/

 

 

 

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