瓦版 2022.11.15 第645号 神野直彦さんのコラム掲載

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きょう19時からの「さんか・さろん」は、もとNPO理事、スローライフ学会

会長・筑紫哲也さんについて皆で語り合います。そして数日前に亡くなった、

もと理事、ジャーナリスト早野透さんについても。ともに献杯しましょう。

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コラム<火曜日の鐘>   川島英樹(せたがや文化財団)

 

眼が少し赤くなっていたらしい

 

人に言われるまで気がつかなかったが、言われると気になる。だんだん違和

感があるような気までしてきて、眼医者に行った。病院なる場所に行くのは久

しぶり。驚いたことに、マイナンバー・カード読み取り器が設置されていた。

さておき、眼は結膜炎だそう。一週間ばかり、目薬をつけることになった。

朝昼晩と寝る前に2種類ずつ。2種の間に5分程度の時間を空けろとの指示が

ある。これが、なかなか厄介だ。ひとつ目をつけて、なにかことを始めると、

ふたつ目をうっかりしてしまう。何度かの失敗を経て、5分間で終わる作業を

決めればいいのだと思いついた。毎日の生活の中で、「5分」を区切って意識

することはない。なかなか興味深いプロジェクトとなった。

朝、目薬①をさして、洗濯物を干し、目薬②をさす。昼食後、①をさして、

職場の給湯室へ赴き、コーヒーを淹れ、②をさして、味わう。寝る前は、歯を

磨き、トイレにいくと、5分くらい。問題は、晩。不規則な生活ゆえ、時間も

場所もまちまちになってしまう。いまだ定まらず。まことに残念ながら、目薬

は終わってしまいそうだ。

 

 

 

学会コラム<緑と絆の木陰>   神野直彦(東京大学名誉教授)

 

同窓生

 

文化の日の翌日、私は高校の同窓生、庄司庸男君と昼食を共にするため、ホ

テル「椿山荘」に向かった。庄司君は多感な高校時代に偶然読んだ、樋口一葉

の『たけくらべ』に人生を運命づける衝撃を受けた人である。そのため東京海

上を定年退職してから、庄司君は「一葉記念館」でボランティア・ガイドを続

けている。苦難のうちに夢を追い求め、わずか24歳という短くも清冽に生き抜

いた一葉の生涯は、庄司君の夢多き青春の情熱に火を灯したのである。

椿山荘での食事は、そうした庄司君の青春時代の激情の残り火に火を点けて

しまった。近くに平塚らいてうの母校日本女子大学があったからである。一葉

は5年間の小学校を修了した学歴しかない。らいてうは一葉には教育が無く、

小説の社会的意味や価値に無自覚だったと冷たく批判している。庄司君はこう

したらいてうに、青春の激情を込めて反論し、一葉こそらいてうが女性解放運

動の敬うべき先輩だと、私に熱く説明してくれたのである。

人生は短い。庄司君との話は、薄命の一葉から、高校の同期の友人たちが次

々に、突然の如くに世を去り逝く悲しき話題に移っていった。椿山荘への道す

がら、神楽坂を通り抜けた。私の脳裏に不思議と早野透君がメモをとる姿が浮

かんだ。早野君はどんなに辛い日でも、その日のメモ帳を必ずスクラップに整

理していた。そこに真理に忠実に生きようとするジャーナリストの覚悟を見た

気がする。

早野君は私と庄司君にとって高校の同窓生である。庄司君と会った3日後に、

早野君の死を知った。私が神楽坂を通過した時には、この世の人ではなかった

のかもしれない。一葉の日記にある「我れは人の世に病苦と失望とをなぐさめ

んためにうまれ来つる」という言葉は、早野君のジャーナリストとしての使命

感を語っているようでもある。

 

 

 

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【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej

福岡県添田町「バナナようかん」。バナナの風味高く、あらゆる年代層に人気

の銘菓。創業100年になる老舗の英彦山土産は、地域のソウルフードです。

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■街角から畦道から

 

「筑紫哲也を語ろう」④ 文化の人

高橋征吾(東京都板橋区 スローライフ学会会員)

 

筑紫さんに対する評は様々だと思いますが「文化の人」であることには異論

の余地がありません。朝日新聞の政治部記者出身であるにも関わらず、小澤征

爾や井上陽水、忌野清志郎を始め実に多彩な交流を持ち、「(テノール歌手の)

パバロッティはニュースだ」といって番組で取り上げるほど音楽、映画、芸術

にのめり込んでいた筑紫さん。

その根底にあったのは単なる好事家根性などではなく、阿川佐和子さんが、

「つまり筑紫さんは、人間観察をしながら、いつも面白がっていたい人なのだ」

と言ったように、基本的にはヒューマニズム、人間肯定の思想だったのだと思

います。

それがジャーナリストとしての仕事にも反映し、野村秋介とも安東仁兵衛と

も付き合うような保守・リベラルを超えた骨太の人脈、人間観に繋がったので

はないでしょうか。 ※写真はスローライフ事務局提供。

 

 

■まち・むらニュース

 

・長野県飯山市 わら細工でカメを作ろう!

 

雪国の大事な冬の手仕事「わら細工」。その伝統技術を使っての手の平サイズ

のカメづくり。教えてくれるのは地元のおばあちゃん達。対象は中学生から。

申し込みは1ヶ月前までに。

開催日:11月~4月  時間:2時間

場所・申込・問合せ:森の家 TEL0269-69-2888

https://nabekura.net/experience/experience-1151/

 

 

・東京都千代田区 第8回ジャパンフィッシャーマンズフェスティバル2022

~全国魚市場&魚河岸まつり~

 

全国各地の魚介料理が堪能できる日本最大級の魚食イベント。栄養豊富な魚食

は日本の大切な食文化。その活性化を目的に開催され、様々な旬の料理、郷土

料理、和洋中のメニューが楽しめる。震災復興応援のための福島県沖の「磐城

もの」に焦点をあてた「発見!ふくしまお魚まつり」も同時開催。

開催日時:11月17日(木)~20日(日) 10時~21時(予定)

場所:日比谷公園 噴水広場~芝生広場~にれの木広場

入場料:無料・飲食代別途  総店舗数:約70ブース

主催・問合せ:SAKANA & JAPAN PROJECTジャパンフィッシャーマンズ

フェスティバル実行委員会 TEL 03-6811-1135 https://37sakana.jp/jffes/

 

 

 

コラム<象さんの散歩>

 

早野くん、さようなら

 

早野透くん、5日に逝く。この「瓦版」のトップ・コラムの「火曜日の鐘」

の常連ライターで、おなじみだった人。同じく、わがNPO・学会の理事として

も、がんばってくれた。が、ここ数年、少しご無沙汰だった。

それにしても、あまりにも突然の訃報。12日の通夜、13日の葬儀、いずれも

立ち会った。秋山耿太郞さん(朝日新聞の政治部長から社長になる。早野くん

と政治部が同期)が弔辞を。福島瑞穂さん、佐高信さんも弔辞を。

早野くんは、筑紫哲也に私淑していた。スローライフ学会の勉強会で、読書

グループのアドバイザー役を担当したとき、筑紫哲也の著書を採り上げていた。

何よりも桜美林大学の教授として「筑紫哲也論」を講義した。

その筑紫くんは、11月7日没。11月は献杯の月となった・・・<川島正英>

 

 

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「奈良県十津川村」から・・

十津川村の紅葉が見ごろです。十津川温泉「庵の湯」の紅葉、エメラルドグリ

ーンの「二津野ダム湖」と山々の紅葉など、いろいろな表情が。源泉かけ流し

の温泉とともにお楽しみください。http://totsukawa.jugem.jp/?eid=1212

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅>  「人」のフルコース

 

長崎市稲佐山に行く途中、「燈家」というカフェでフルコースをいただきまし

た。栃木県那須塩原市から移住されたご夫婦のお店です。驚いたのは「これは

近くの魚屋〇さんおすすめの鯛に、△の◇さんのドレッシングを使って」「▽

の□さんのプチトマトをドライに」と、料理に必ず人の名前が出てくる。この

お店のネットワークに驚きます。一食で何人もの人に会ったようでした。

https://noguchi-tomoko.com/post-9208/

 

 

 

■編集室便り

 

▽もと理事、早野透さんのご冥福をお祈り申し上げます。

 

きょうの、瓦版で、神野直彦さん、川島正英さんが触れているように、NPO

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会の理事であった、ジャーナリスト

早野透さんが亡くなりました。

 

早野さんはこれまでのスローライフ運動で、様々に発言されてきました。

2002年「スローライフ月間in掛川」で市民企画の講座で日本政治について語る。

2008年「スローライフ・フォーラムin鳥取」で急遽、筑紫哲也さんの代役を。

2009年「スローライフ月間in淡路島」に参加し「島に学ぶ」を語る。

2010年「スローライフ・フォーラムinとなみ野」で砺波市「散居村」を語る。

2012年「スローライフ・フォーラムin日光」で足尾分科会で「交流」を語る。

2015年「雲仙市の地方創生を語り合う」フォーラムでアドバイザーに。

2017年「スローライフ・フォーラムin出雲の國」ではアドバイザーに。

このほか各地に足を運び、その土地の方々と親しくスローライフ談義をされて

います。日本一過疎が進むと言われた群馬県南牧村には、桜美林大学の学生さ

んと合宿をしながら応援を続けられました。

 

毎月開催の「さんか・さろん」も常連でご参加され、皆とお酒を酌み交わし

ながら地域や政治について語られていました。終始笑顔で、難しいことでも分

かるように説明してくださる、「ああ、そうなんだ~」とこちらの話をしっか

り聞いてくださる方でした。早野さん、ありがとうございました。

 

早野透さんの思い出の写真をあげました。ご覧ください。

https://www.slowlife-japan.jp/2022/11/09/%ef%bd%93-179/

 

 

▽10月以降に入会の場合、年会費が3000円です。

 

今年度の会費をまだお支払いでない方、または、これを機会にご入会の方、

来年3月までの年会費が3000円となります。(これまでは5000円)

 

会員になると「さんか・さろん」への参加が1回1000円(非会員は2000円)、

年会費以外に3000円で3月まで何回でも参加できます。

 

◆「さんか・さろん」のプログラムはこちらから

https://www.slowlife-japan.jp/2022/09/17/s-85/

 

◆お申込み支払いはこちらまで。

【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会

※他金融機関からのお振込みの場合は

店名:〇一九(ゼロイチキュウ)店、預金種目:当座、

口座番号:0595293、スローライフ学会 まで。

 

 

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に始まった国内ツアーも10月のファイナル大阪大会で終了。10月に行われた2

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奈良県

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雲仙市

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飯山市

http://www.city.iiyama.nagano.jp/

出雲市

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