瓦版2014.3.25第201号

週刊スローライフ瓦版 (2014.3.25 第201号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会**********************************************************************★★★★★「むらづくり」とか「逸村逸品」とか。昨年は「むら」をテーマに活動を進めてきましたが、4月の「さんか・さろん」は、大都市の“怪物に眼を移し、「大都会の自治会・町内会」を語り合う。講師は菊池賢児・横浜市戸塚区連合町内会長。わが会の理事です。市民それぞれ、きちんとかかわるべきなのに、なかなか馴染めないようです。手がかりを「編集室便り」でご覧ください。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学公共政策大学院教授) ~~~ 十五分咲きのウメの花を愛でて・・・西行法師を偲ぶ 今回も、本日=旧暦如月25日に忌日が近い先達を捜したが、結局、小生が尊敬する西行法師(忌日は16日)に、また行き着いた。以前にもお話したが、御自分の希望どおり「如月の望月」に逝去したのだから、羨ましい……。 法師はサクラの花を愛でたらしいが、この春、如月の望月に満開になったのはウメだった。お彼岸になっても、近所の天神様の庭園では、満開の五割ほどの花が枝に残って頑張っていた。満開までの間は「N分咲き」と表現するが、散り始めると、もうお仕舞い?満月より後のお月様は「居待ち」や「立ち待ち」と形容する。ウメも、散り始めたら、「十五分咲き」で見頃!などと訴えたらよい。 サクラは散るのが早い。ウメならば咲いている期間が長いから、見頃が旧暦如月の望月と重なる確率も高いだろう。スローライフには、サクラ中心の窮屈な条件ではなく、ウメが「三分咲きから十七分咲きまで」というぐらいのノーンビリした枠組みの方が向く。 「東風」ならぬ寒風が花びらを散らす天神様のウメ園で、西行法師を思いやりながら、生活の質を高めるヒントを得た次第であーる。 [おことわり]前回、大先達・良寛和尚さんを話題にした。も少し勉強して みたら、なんと、そのものズバリ『良寛のスローライフ』という新書が平成 20年に出版されていた。著者は「全国良寛会」の常任理事・松本市壽氏で、 NHK出版の「生活人新書No.257」だ。大きさが手軽だし、内容も文章も読み やすく、しかも良寛さんを深く研究してきた方だから、さすがだなーと感心 する。にわか勉強の小生が出る幕はないことを認識し汗顔の至りです。学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(東京大学名誉教授) 「生」への感謝 悪戯好きの冬将軍が、異常気象を好い事に、春一番が吹く頃にもかかわらず、大雪を撒き散らしていった。南牧村は大丈夫かと、スローライフの野口智子さんに問い合わせれば、村から出ることは困難なれども無事とのことに安堵する。 「夏の仕事場」のある軽井沢でも、大雪で車が立ち往生し、「オリエント急行殺人事件」さながらの状況になってしまったようである。私の粗末な「夏の仕事場」が大雪に耐えられているかという不安に駆られて、様子を見に行くことにした。管理事務所に問い合わせると、春一番が吹いたとはいえ、何せ1メートル以上も積もったので、アクセス道路は除雪してあるけれども、長靴はもとより重装備をしなければ辿り着けないとのことである。しかも、明日も明後日も雪が降るとの予報だという。 早春の軽井沢を、私は愛している。枯草の下から、生命の息吹きが芽生え、生命のドラマに感動することができるからである。しかし、「春は巡りて」とはいうけれども、それは遠い過去のお伽話で、日本では「消え去りし春」となってしまった気がしてならない。 地球の歴史からいえば、生命の誕生は極く最近の出来事で、ある一定の気象条件のもとで、生命は誕生したはずである。人間は生命を育んでくれた気象条件に感謝する気持を忘れ、それを破壊しようとしている。老い先の短い私のような人間は、今日も一日生かしてもらったことへの感謝を捧げながら生きている。「生かしてもらう」ことへの感謝と祈りを忘れた人間の歴史も、私の生命と同様に、老い先の短いことになるのではないかと危惧しながら、私の背の高さにも達する「夏の仕事場」の前の積雪を、呆然として見上げた。▽▽▽▽▽▽▽▽ 【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej長野県小海町「凍み餅」。避難を強いられている福島県飯館村の伝統保存食を支援活動として小海町の有志が復活させた。飯館と小海の交流でできた味です。△△△△△△△△△△△■街角から畦道から 吉田俊実(東京工科大学教授) 私の「北のまほろば」・・4 「所有」と「存在」のあいだに「使用」がある 神野直彦さんが基調講演で話された「所有」(having)と「存在」(being)のあいだに「使用」(using)を入れてみたくなった。「所有」と「存在]とをつなぐ「使用」である。私たちはすでに「あるもの」、「所有しているもの」をちゃんと使っているだろうか。いや、使わせていただいているだろうか。 「雪」を活用したまちづくり分科会で話題に上った「克雪」は、所有欲求でなかったか。自然がもたらす過酷な雪を制御する、所有することで「豊かさ」を感じることができる。しかし、それは雪がもたらす全てではない。 分科会で出された「親雪」は、「克雪」とは異なる新しい概念で、「克雪」を包み込みながら、雪そのものを肯定し、地域の資源としてとらえなおしたいという、「存在欲求」であったのかもしれない。 そして、そのことに敏感なのはどうも女性のほうだ。各分科会で女性からの現実的、かつ実践的な発言が今回も目立ったのはそのことを裏付けている。 シンポジウム準備中に会場スクリーンに映された逸村逸品群。「女性たちのちょっとしたアイディアから生まれた商品です」、解説のナレーションを聞きながら、製造するのは男性たちであっても、多くの場合、使うのは女性たちだと、あらためて思う。 すでに「あるもの」、「所有しているもの」を使い切る、使い回す(リサイクル)、あるいはもっと効率よく使う。こうしたことは、女性たちの方が上手かもしれない。なぜなら、産業化された社会において、女性たちは家庭内に、あるいは社会の周縁に位置し、「所有欲求」に駆られることが少なかったから、とも言えそうである。================= PR =====米粉のまち・胎内市から・・・米粉のまちづくりについて話し、食べる、わいわい会議。米粉に興味のある方なら誰でも参加できます! 胎内市商工観光課:電話 0254-43-6112まで。http://tainai-komeko.blogto.jp/archives/37742136.html=======■まち・むらニュース・北海道斜里町・羅臼町 「知床雪壁ウォーク2014」の申込みを受付中人を寄せ付けない断崖や手つかずの自然を残し、世界自然遺産に登録されている知床半島。11月から冬期半年間通行できなかった半島横断道路が、雪壁ウォークの舞台となる。子ども、初心者向けの「ウトロコース」は6km、足に自信のある人向けの「羅臼コース」は10km。参加申し込みが必要。開催日:4月13日(日)申込み・問合せ:TELまたはFAXで下記あてに。締め切りは3月31日 「ウトロコース」知床斜里町観光協会TEL0152-22-2125 FAX0152-23-6226 「羅臼コース」知床羅臼町観光協会TEL0153-87-3360 FAX0153-87-4910参加料:大人2000円 こども(中学生以下)1000円主催:知床雪壁ウォーク実行委員会 他http://www.rausu-shiretoko.com/pdf/20140222.pdf・山梨県甲府市 「第43回信玄公祭り」を開く毎年、武田信玄の命日(4月12日)前の金~日曜に行われる祭り。県内各地から1500名の軍勢が舞鶴城公園に集結、川中島に向け出陣する様子が再現される。桜咲きほこる中、燃えさかるかがり火のもと、華麗で勇ましい一大戦国絵巻がくりひろげられる。期間中は市内各所で「湖衣姫コンテスト」をはじめ、茶会、演奏会などのイベントを開く。祭りを楽しむ公式ガイドブックがある。日程:4月4日~6日会場:舞鶴城公園・甲府駅周辺・武田神社・・など各所主催・問合せ:山梨県信玄公祭り実行委員会 電話055-231-2722甲府市信玄公祭り実行委員会 電話055-237-5702 http://www.yamanashi-kankou.jp/shingen/about.htmlコラム<象さんの散歩> 本田敏秋・岩手県遠野市長 岩手県遠野市の本田敏秋市長が、きのう24日、日本記者クラブでの会見に。「3・11」被害地域の主だった首長から順に話を聞く催しの一つ。遠野市での本格的な後方支援はすばらしかった。この日も、330頁を超える後方支援活動検証記録誌をもとに、本田市長のとうとうの「復興の絆」論だった。 私の関心は、この遠野市の本筋の後方支援とは少し方向の違う支援にあった。「ねっと・ゆりかご」と名づけた遠野型助産院ネットワークである。2006年に遠野市のスローライフ・フォーラムをわが会がお手伝いしたとき、「安産の里づくり」として提唱され、遠野市が採りあげた政策である。 出産、育児の環境は悪化していく。まず、遠野市民の暖かい輪を活かそう。助産婦、看護師、保健師やOGのパワーを動員、妊婦の定期健診とか育児相談から始めた。ITを活用、産科医や県立病院と連携、救急時のネットワーク網をつくった。「3・11」支援では、この遠野モデルの「モバイル遠隔妊婦健診」などが被災した妊婦さんの遠隔医療、保険活動の支援に大活躍だった。 わが会の活動の課題として人口問題がある。「安産の里づくり」についても遠野型の後方支援をもっともっと聞かせてもらわねば・・。 ∨ 川島正英 ∧==== PR ====「日光『食』の研究所」から・・・2010年4月から始まった「日光“食”の研究所」ブログ、スローライフ瓦版でご紹介するのは今回で最後。ブログは続くので、これからもこちらを時々のぞいてみてくださいね。→ http://nikkokekko.blog121.fc2.com/=======コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 「風の島」ってなに~~~ 鳥羽市菅島のことは、何度も書いてきました。伊勢海老の干物を初めて作った時のこと、島のもともとの「干す文化」のこと、そして一昨日、島に伺った時は、みんなで「風の島」の意味について考えました。風があるから干す、だから究極の伊勢海老の干物も作ったわけですが・・・。「で、どんなふうに風の島なの?」と問うと、島の人は???だったのです。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=253■編集室便り □来月15日の「さんか・さろん」は『大都会の自治会・町内会』について 菊池賢児さんを囲んで語り合いましょう この「さんか・さろん」は、会場、時間などは、いつもと同じです。 詳細は、来週号に書きます。 以下の記事は、菊池さんのスピーチを先取りして走り書きしてもら ったものです。(1)から(5)までありますが、残りは来週号で 紹介いたします。 わがまち(1)-「横浜市の自治会町内会」の歴史 370万人、161万世帯の横浜市には124万世帯が加入する自治会町内会がある。町内会はそもそも上意下達の行政組織として1940年に内務省の要綱により発足したのが始まりである。 戦後1947年に要綱廃止となったが、防火防犯協会や赤十字奉仕団などと称して存続する中、横浜市では、1956年に地域社会における新しい市民組織として町内会を組織化する方針を打ち出し、今日に至っている。 また、1961年には行政区ごとに複数の近隣町内会を束ねる連合町内会連絡会ができ、市民が相互協力しながら防犯・防災、高齢者福祉、環境整備、子育て支援などの活動を行っている。一方近年では、既に行政の下請け的性格を脱却し、地域特性を活かした独自の方策を進める町内会が増えてきており、自助・共助の活動が浸透してきているのが実感である。わがまち(2)-「1万世帯のまちづくり」 わがまちは横浜市戸塚区にある。 戸塚区は人口27.5万人、11.8万世帯である。中心となる戸塚駅はJRと市営地下鉄が乗り入れ、乗降客数は27万人/日を数え、横浜駅に次ぐ市内第2位のターミナル駅である。 わがまちは、多くが戸塚駅を利用する人々が居住する住宅地であり、14町内会が所属している4700世帯の連合町内会である。 地域活動は多岐を極めるが、現在は自らの地域に限らず隣接する連合町内会と連携して活動する場面も多くなってきている。 地域福祉保健計画づくり、総合型地域スポーツクラブ運営、子ども水泳教室主催、対抗ソフトボール大会主催など緩やかに連携しながら楽しく活動している。この地域には1万世帯が暮らす。いわば約1万世帯のまちづくりの実践である。わがまち(3)-「ハートプラン」- 横浜市では「誰もが安心して自分らしく健やかに暮らせる地域づくり」を目指して、地域福祉保健計画をつくっている。平成14年に厚生労働省が策定した「地域福祉計画策定指針」に基づくものである。 市レベル計画は第3期目の5年間が平成25年度から始まっているが、戸塚区では第2期計画が平成23年度からスタートしている状況である。 この計画は地域によって異なるネーミングがされており、戸塚区は「ハートプラン」と称している。 わがまちのハートプランではⅰ地域活動の担い手を増やすⅱ地域交流と見守りの関係をつくるⅲ高齢者の日常生活を支援するⅳ地域ぐるみの健康づくりとスポーツ振興に取り組む、という具体的方針を決めた。 横浜市戸塚区連合町内会会長 菊池賢児(地域風景研究所代表)□スローライフ版・IT塾 ——————————————–Q:持ち運びやすいパソコンを探しているとCDやDVDを動かすドライブがないタイプに惹かれますが、「CDが作れない」と思うとなかなか踏み切れません。ドライブはあきらめた方がいいんでしょうか。<編集部:篠原伊佐武> ▼A:最近のノートパソコンはDVD・CDドライブがないタイプが増えてきました。いまではUSBで接続する小型のDVDドライブも5000円未満で買えますのでパソコンを買い替えるときに一緒に購入してもいいと思います。ドライブがないとかさばりませんし、パソコンを複数台使っている場合、つなぎ替えればどのパソコンでも使えて便利です。必要な時だけ持ち歩く習慣を身につければいいので、ドライブはなくてもいいと思います。<EDI:藤井頼暁>==== PR ====クオリティライフから・・・ひらたまさこさんのフランス仕込みのナチュラルスイーツ、今月のテーマは「大人のチーズケーキ」お豆腐と酒粕でチーズケーキ風に仕上げていきます。「たべごと教室」で3月30日15時から。詳しくは http://tabegoto.jp/gateau/ =======■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。鹿児島県 http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html岩手県遠野市 http://www.city.tono.iwate.jp/日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/株式会社サンクス・ツー http://www.thanks2.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへこのメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いください。今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/”