７日は、筑紫哲也の命日だった。もう12年。朝日新聞時代にアメリカ特派員、

TBSキャスターでブッシュ大統領と対談。今回のアメリカ大統領選挙をどう見

ているか。わがNPO事務所の大きな額の写真も、心なしか、悲しげに・・・

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コラム＜火曜日の鐘＞　　　吉田俊実(東京工科大学名誉教授)

『鬼滅の刃』現象

吾峠呼世晴（ごとうげこよはる) による漫画『鬼滅の刃』（「週刊少年ジャ

ンプ」連載）が今年５月に最終回を迎えた。４年３カ月にわたる連載ラストを

締めくくるコミック23巻は12月４日発売予定。10月16日から劇場版『鬼滅の刃』

無限列車編」が公開となったが、その勢いが止まらない。これまでの日本の映

画興行成績のトップは「千と千尋の神隠し」で308億円。「千と千尋」が公開

から25日目に100億円を突破したことを思い起こすと、100億円を公開から10日

で突破した「鬼滅の刃」が「社会的現象」と言われるのも頷ける。

30歳を過ぎたばかりの女性作家が描く世界が、なぜこれほどまでに、人々、

とくに若者を引き付けるのか。これから様々な分析が出てくるだろうが、漫画

を読み、映画を観て先ず感じるのは、物語の悲惨さである。主人公・炭治郎以

外、母と４人の幼い弟や妹が鬼によって一度に惨殺されるのである。言葉を失

うほどの残酷な物語の始まりが躊躇なく展開していく。

瞬時に奪われた、ささやかな家族の幸せ。不在だったばかりに難を逃れた炭

治郎の、「自分だけが助かってしまった」という罪悪感。私にはこの物語に、

2011年３月11日の影が色濃く投影されているように思われてならない。あの時

どれだけ多くの炭治郎が生まれたことか。そして、原発事故によってどれだけ

多くの炭治郎が故郷を離れることになったのか。あれから間もなく10年、私た

ちは「鬼」を見つけたのだろうか。

学会コラム＜緑と絆の木陰＞　　 神野直彦（日本社会事業大学学長）

イガ無き道

今年は異様な年である。軽井沢の山荘を一巡りしても、いつもならば散乱し

ているイガ栗が、今年は目を凝らしても見つけることができないからである。

理由は私には分からない。しかし、御陰で枯葉舞う秋冬の自然を満喫しながら、

気儘に散策することができる。そのためイガを踏まないように、気を取られな

がらのいつもの散策とは違い、紅葉が散り行く物悲しき自然の演技を、妻と二

人で仰ぎ見ながら逍遥することができたのである。

この山荘に今年は、数えるほどしか訪れることができなかった。四月に妻と

二人で山荘を開けに来てから、八月の盆の頃に一週間ほど、滞在したにはした。

例年の八月であれば、教え子達が来たりして賑やかになる。しかし、今年は同

僚の宮島清教授が、ご自分の別荘のある松原湖から信濃鉄道でトコトコと来ら

れただけで、妻と二人で静かに過した。九月にも山荘に足を運んだけれども、

着いた瞬間に、私の母が病に倒れたとの知らせが入り、すぐに取って返すこと

になってしまった。今年はそれだけで山荘を閉じる羽目となったのである。

私は妻と二人で、失われた時を取り戻すかのように、「イガ無き道」を歩い

た。一枚の落葉に誘われるように、妻は私に「来年も来れるかしら」と囁いた。

それは失われた時を取り戻すには、二人はあまりにも年を取り過ぎていること

を告げているかのようであった。老いたるとはいえ、妻と二人で歩くと妻の温

かき体温が、秋冬の寒さを打ち消すように伝わってくる。私はその温もりに勇

気づけられて、「来れるさ」と応える。私の言葉に妻が浮かべた微笑みに、私

は心を癒されながら、「イガ無き道」を踏み締めるように歩き続けたのである。

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【逸村逸品】ひとこと紹介　～　http://www.facebook.com/slowlifej

島根県松江市「しじみ甘露煮」。出雲の食文化に欠かせない調味料「出雲地伝

酒」を使って炊き上げた甘露煮。さわやかな甘さの中に実山椒がきいてます。

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■街角から畦道から

鬼滅ブームに思う　　社頭文吾（佐賀市）

作品は、確かに面白いですよ。明快な勧善懲悪、かといって単純でもない。鬼

にも癒せない心の背景があってと、万の神、農耕協働社会共同体に欠かせない

日本的精神世界観を表現し、アニメの映像表現もすごい。でもね、なんでここ

まで誰も彼もが「全集中」する？果ては国会論戦で国民の関心事にはアンテナ

張っています感を出すなんて、私は理解できない。

SNSはじめ、メディアでの情報発信から関連商品企画までの総合マーケティン

グ戦略に、都合よく躍らされているだけじゃないのかと思ってしまう。まあ、

コミック、アニメを単純に楽しんでいる人が大半だとは思うけれど、ブームに

乗り遅れたら疎外されるのではないかという漠とした不安に駆られた人もいる

かもしれないし、「キメハラ」が話題になるというのもなんだかですね。

何より気掛かりなことは、各種メディアの評価が同じベクトルにあるというこ

と。思惑先行型の「1億総〇〇」ほど、怖いものはない。劇場版「鬼滅の刃・

無限列車編」は、ブームが落ち着いてからDVDで観ようと思う私は、天邪鬼。

丹波篠山のスローライフ（２）　くらしの文化を守る

竹見聖司（丹波篠山市創造都市課）

非常事態宣言が解除され、日々の暮らしが戻り始めた頃、お寺から電話が入っ

た。今年のお盆の棚経を控えたい旨。病の住職に代わり名古屋で修行中の跡取

りの帰省を憚ってのことだった。

自治会の集会や地域の運動会、敬老会も規模を小さくしたり、中止になった。

皆が楽しみにする秋祭りも山鉾の巡行や神輿の渡御が中止され、氏子総代らの

祭事のみになった。

コロナへの心配は尽きず、高齢者の多い田舎では仕方がないことだと感じてい

る。ただ、気になるのはアフターコロナ。ただでさえ担い手の少ない地域で、

自治会の行事や祭りなどの文化を引き継いでいくのは容易ではない。自粛や中

止の流れに乗って、本当に必要な行事や大切な慣習が無造作に無くなってしま

うのではないだろうか。

だからこそ、要不要をしっかりと見極めて、決して無理をすることなく地域の

文化に支えられた暮らしを守っていくのもスローライフに通じるだろう。今こ

そ皆で話し合い、住み心地よい地域づくりへのきっかっけにしたい。

■まち・むらニュース

・長野県飯山市　ふるさと案内人と行く！紅葉の寺町プチトリップ

紅葉が見ごろの寺町をふるさと案内人と一緒に歩く。手軽な60分と、正受庵座

禅体験付の120分の２コースから選べる。どちらも出発は飯山駅。紅葉の寺町

飯山を気軽に堪能できる。

開催日：11月14日（土）、15日（日）、21日（土）、22日（日）

料金：60分コース500円、120分コース1000円（プチお土産付）

主催：（一社）信州いいやま観光局

問合せ・申し込み：信越自然郷飯山駅観光案内所　TEL0269-62-7000

https://www.shinetsu-shizenkyo.com/plans/search

・沖縄県那覇市　首里城赤瓦の漆喰はがしボランティア募集

沖縄のシンボル首里城の火災から１年。復興に向けての作業が進行する中、破

損処理の一環として、今後利活用可能な赤瓦の漆喰はがしのボランティアを募

集中だ。作業方法の詳細は、当日担当者から説明がある。

実施日時：12月25日（金）までの午前・午後２部制、各２時間ほど

場所：後之御庭（くしのうなー）　　募集定員：20名／１回

対象：参加日時時点で15歳以上（18歳未満は保護者の同意書必要）

主催：内閣府沖縄総合事務所、国営沖縄記念公園事務所、沖縄県、等

問合せ：ボランティア受付事務局　TEL0120-005-789

https://www.pref.okinawa.lg.jp/site/doboku/koen/shuricatsle-volunteer.html

コラム＜象さんの散歩＞

日本の政治、どん底に

アメリカ大統領選挙が、やっと正常化へ動いた。危機を脱したといえよう。

わが日本政治。どん底の危機、といえるが、なお、お先真っ暗状況である。

国会。菅首相の初の所信表明と各党代表質問の後、先週は予算委員会の論議

だった。所信表明の「温室効果ガスのゼロ目標」、またデジタル庁設立などの

政策提案はまずまずとして、質疑に入ってからがひどい。日本学術会議会員の

任命問題が火を噴く。学術会議推薦の６人をはずした理由には答えず。核心の

杉田官房副長官の委員会への出席を繰り返し要求されながら拒否が続く。

まさに旧態依然。菅首相は、自らの政治姿勢について「安倍政権を継ぐ」と

語った。「モリ・カケ」また桜を見る会など、政権の命運に関わる問題でも安

倍手法を貫く姿勢と思えるが、「学術会議」の審議で早くもそれを実証した。

居丈高で官僚組織を動かす。筋の曲がったことも押し通す。不都合な問題では

徹底して答弁を避ける。記録も公文書も出さない安倍方式である。

まさに政治の危機である。安倍事態が続く。「前門の虎　後門の狼」という

諺があるが、現政権も前政権も同様に恐ろしい。日本政治の核心に関わる。

いま、世界の多くの国の政治が危機に。都市のロックダウンなどのコロナ禍

によるものも。アメリカ大統領選挙。信じられない形の危機である。が、市民

の街頭運動があり、何より共和党内からも正常化への動きが出た。

ひるがえって、わが国。政治危機にあっても、国民の声なく、自民党の派閥

から「正常化」の動きも出さない。まさに、どん底のまま・・　＜川島正英＞

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「奈良県十津川村」から・・

釈迦ヶ岳の登山口ほか、村内の標高の高いところは既に紅葉が見頃です。朝晩

の冷え込みが強くなってきました。十津川村の豊富な温泉に入りながら、紅葉

見物にどうぞお運びください。十津川村観光協会　電話：0746(63)0200

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コラム　野口智子＜スローライフ曼荼羅＞　　東京好奇心

100人の写真家の作品で構成された「東京好奇心2018-2020」という写真展を観

ました。いろいろな作風が一挙に集まりなかなかの見応えでしたが、私にとっ

てはこのタイトルが気になりました。いま、東京に寄せられる好奇心とは？

GoToキャンぺーンの影響か、大混雑の東京・渋谷で、この街はいったいどうな

るんだろうという危うさを感じます。私の好奇心は、東京の向かう先です。

https://noguchi-tomoko.com/post-7380/

■編集室便り

▽11月の「さんか・さろん」は掛川から――。

2002年に第一回のスローライフ・フォーラムを開催した掛川市、

いま、ここでどんなスローライフ活動が行われているのか？

〇日時：11月17日（火）19時～20時30分

〇タイトル：

～静岡県掛川市発～

あるもの・ないものを認め、生かし合う地域間交流

〇スピーカー：

長谷川八重さん

（静岡県掛川市・スローライフ・ジャパン理事、ローカルライフスタイル研究会）

井村征司さん（静岡県掛川市・ローカルライフスタイル研究会会長）

佐藤雄一さん（静岡県掛川市・合同会社互産互生機構 代表社員）

松本浩司さん（北海道旭川市・旭川公園ゲストハウス主宰）

ほか、ご縁のある皆さん。

〇概要：

互いの地域にあるモノ・コトの「地産地消」を大切に、ないものを認め合い、

求め合い、生かし合う地域間交流として『互産互消』を提唱しています。

【食】フードの“交換”を出発に、【旅】ツーリズムの“交歓”へ、さらに

【生活】ライフスタイルの“交感”へすすめていこうとしています。

その着想と活動、実践を紹介します。

〇参加費：東京会場のみ有料

スローライフ学会会員1,000円、一般2,000円（学生500円）

zoom参加は無料

（スローライフ学会会員対象ですが、会員外で参加希望の方はご相談を。）

〇申込み：メール slowlifej@nifty.com　 TEL 03-5312-4141

参加者名簿を作るため11月16日（月）までに。

▽会員になって「さんか・さろん」にzoom参加を！

スローライフ学会は、ＮＰＯスローライフ・ジャパンが運営している学会で、

会員はＮＰＯの賛助会員となります。

スローライフを学び、語り合い、さまざまな交流をしています。

会員は、この「瓦版」に記事を出したり、催しの参加費が割引になります。

また、会員になると、毎月第３火曜日開催の「さんか・さろん」に、zoom参加

できます。

11月は静岡県掛川市から、さまざまな活動の話題。

12月は兵庫県丹波篠山市のホットな取り組み。

１月は増田寛也会長の「年頭所感」と、オリジナルのプログラムが続きます。

年会費は一口5,000円（４月～３月）です。

ぜひともこの機会に会員になって、スローライフのさんか・さろんにご参加く

ださい。

【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座　００１９０－４－５９５２９３ スローライフ学会

三井住友銀行麹町支店　普通預金　８８１１１７６　スローライフ学会

詳しくはこちらをご覧ください。

https://www.slowlife-japan.jp/%e5%85%a5%e4%bc%9a%e3%81%ab%e3%81%a4%e3%81%84%e3%81%a6/

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

奈良県吉野郡十津川村

https://www.vill.totsukawa.lg.jp/

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

飯山市

http://www.city.iiyama.nagano.jp/

出雲市

http://www.city.izumo.shimane.jp/

丹波篠山市

https://www.city.sasayama.hyogo.jp/

日本テレネット株式会社

http://www.nippon-tele.net/

シン・エナジー株式会社

https://www.symenergy.co.jp/

クオリティソフト株式会社

http://www.qualitysoft.com

アース・デザイン・インターナショナル（edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/

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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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