室礼「端午の節供」

新緑が美しいころです。5月5日は端午の節供。兜の香合に菖蒲と粽を設えました。

菖蒲が「尚武」、武を尚(とうとぶ)に通ずることから、武士の時代に移るとともに男子の節供となりました。

粽は中国の悲劇の英雄、屈原にちなむ逸話からのものです。

布地でつくった背景は水辺の花菖蒲。菖蒲はサトイモ科で、その葉、根には薬効があり、菖蒲湯や菖蒲酒に使われます。

まさに薫風の香り。邪気や疫病をはらうといわれます

「いずれアヤメ(菖蒲)かカキツバタ(杜若)」ともいわれますが、区別は少々ややこしいですね。

作・文 丸山薫(心葉 主宰)