瓦版 2026.6.9 第760号 室﨑千重さんら、コラム多数。
瓦版2026.5.26 第759号 神野直彦さんら、コラム多数。


今号から新コーナー「スローライフ川柳」を始めます。「ゆっくり、ゆったり、ゆたかに」というスローライフになじむ句を、ご紹介してゆきます。当面は横浜現代川柳句会(@神奈川近代文学館)の月例会の作品から、同人である瓦版編集長(つぼい)が勝手気ままに選ぶ1句を載せます。会員のみなさまからの応募も期待しています。
*写真は東京都渋谷区代官山のブティック入り口のランタナ。
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slowlifej@nifty.com
●会員の方からの投稿をお待ちしています。次回は7月9日(木)が締め切りで、7月14日(火)に配信します。
『緑と絆の木陰』
首都直下地震への備え
増田寛也 (野村総合研究所顧問 スローライフの会共同代表)
首都直下地震の緊急対策計画が10年ぶりに改訂され、6月12日に閣議決定された。私は、10年前と今回の2回、対策検討ワーキングの主査を務めた。
前回は、最悪(冬の夕方、風速毎秒8メートル)で、死者2.3 万人、全壊・焼失建物61万棟と想定されたが、この10年間に耐震化が進んだことなどで、今回はそれぞれ1.8 万人、40万棟と減少した。それにしても強い揺れや火災の発生で、膨大な数の死者や建物被害、全国的な生産・サービス活動への影響など甚大な被害が発生することに変わりは無い。
また、この10年間で、タワーマンションの増加(全国の3分の1の500棟が都内に所在し、高層階での孤立者が相当数発生)、外国人の居住者、旅行者の増加(情報伝達などの責任部署が不明確)、SNS利用者の増加(TVより情報源として活用する人が多くなり、デマ、流言が拡大しやすい)などで、対策の困難度は上昇している。
各家庭での対策としては、家具の固定、食料品、携帯トイレ等の備蓄(最低3日分、できれば1週間分)、感震ブレーカーの設置(損傷した配線部分からの出火を防ぐ装置。阪神や東日本大震災の火災の半数以上は電気系統が原因)などがある。
最大避難者480万人の場合、各地で避難所が不足し、在宅避難を強いられるので、常日頃から防災用品の点検や避難訓練への参加も重要となる。
今回は死者1.8万人と推計したが、それ以外に災害関連死1.6〜4.1万人発生と予測している。かなりの幅があるのは、阪神や東日本大震災などでのエビデンスが充分でないためであるが、関連死は行政や企業の努力で極力減少させなければならない。
世界各国の首都の中で地震によるこれだけの巨大リスクを抱えているのは、東京が唯一無二であると言う事実を忘れてはならないと思う。
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〈スローライフ川柳〉 1 題「天気」
天気図に載らない風を待っている 一彦
(評) 風任せのようで、しっかり風をつかもうとする姿勢に好感が持てます。
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<あっちこっちで多事争論>
味噌を仕込む、未来を仕込む (上)
村井康人 (新潟市 REBIRTH食育研究所)
昨年から、ある幼保こども園で味噌づくりのサポートをしている。その経緯を2回に分けて、ご紹介する。
この園では、30年ほど前から『粗食のすすめ』(幕内秀夫)という書籍をきっかけに、パンや麺ではなく、ご飯を中心とした給食を続けてきた。かつては週に一度、お弁当持参の日を設けていたが、忙しい保護者に代わって、園でしっかりとした食事を提供したいという思いから、完全給食へと移行した。そんな園長先生の優しさが、長年この園の食を支えてきた。
しかし現在、園長先生は園の食卓のあり方に頭を悩ませている。
給食は外部のフードサービスに委託し、園内の給食室で調理されている。日によって作る人が変わるためか、味に濃淡の差が出たり、献立によって食器のボリューム感にばらつきが出たりする。そのことに戸惑いを感じている。
さらに切実なのが、アレルギーを持つ子どもの増加である。
給食は、みんなで同じものを食べるからこそ、嫌いなものが食べられたり、食の細い子が完食できたりする。アレルギー対応食という囲いを作らず、全員が同じ釜の給食を食べられる環境を作りたい。卵や牛乳、小麦粉といった主要なアレルゲンを使わない献立の工夫も、その一歩だ。それが園長先生の強い願いでもある。(つづく)
とかく歴史はおもしろい
濱手英之 (岡山県鏡野町 スローライフの会会員)
岡山県内をマイクロバスで巡る歴史好きの会に参加し始めて 5~6年になる。初期は江戸時代の大庄屋の家など見て回り、その由緒や役割、残された大きな家に興味深々だった。
今年のテーマは「有名ではない遺跡、史跡を周る旅」。1回目は久米南町。この地域出身の有名人には、中央に背いて島流しになったような方が多い。例えば法然上人は、上皇と対立し四国へ島流し。社会主義者の片山潜はクレムリンの壁墓所に埋葬された唯一の日本人?となった。江戸時代には古賀藩の飛び地で、代官は 4~5人しかいなかったらしいので、 住人はのびのびと暮らせたのかもしれない。
最初に見たのは、「神谷(かまだに)サイフォン」。高いところに新設した池から備前焼き?のパイプをつなげ、サイフォンの原理で50m近くも水が落ちては登るシステムは素晴らしかった。大正時代(1924年)の大渇水が、この大事業を成し遂げる執念を生んだらしい。
良く知らなかった地域も、こうやってテーマを決めて巡れば感慨深く心にしみる。歴史の深さに共鳴できる。
ただ、どの山の中や車のすれ違いが困難な道の先にも家が建っている。道路や水道、電気等の行政コストがかかるし、住民もいろいろ大変だろう。
北隣の美咲町は、正面切って人口減少を前提とした町づくりを青野高陽(あおの・たかはる)町長が先頭に立って実行している。そろそろ他の地域でも行政が主導してシュリンク社会を前提とした社会政策を進める時代に入っているのではないだろうか。
とかく歴史はおもしろい、と思いつつ、そんなことも考えている。
綿の種をまきました ~環り綿プロジェクト参加~
坂田啓子 (佐賀市 スローライフの会会員)
昨年11月の長崎県雲仙市でのスローライフ・フォーラムが、きっかけです。雲仙は小浜のアイアカネ工房さんが取り組まれている「環(めぐ)り綿プロジェクト」に参加しています。
たくさんの人が綿でできた服を着ているのに、日本ではほとんど綿が作られていないという現実を知ってから始められたプロジェクトです。
もう一度みんなで綿を育ててみよう、と種が配られており、私も受け取り、持ち帰りました。農薬も化学肥料も使わずに育てて、アイアカネ工房さんに、育った綿を送り届けます。すると、その綿が紡がれ、糸となり、布製品となります。
なんて素敵な取り組みでしょう。
種を蒔く時期は5月ということで、少し前に蒔いてみました。ただ、これからうまく育てきれるかどうか不安です。すでに葉が何かの虫にやられてしまっています。とても自信がないのですが、7月に花が咲き、9月頃から収穫できるように頑張ってみます。


美味「有明がね」
関根千佳 (横浜市 スローライフの会会員)
昨年の雲仙スローライフ・フォーラムで行った島原を、再び訪れた。元長崎県民としては、せっかく多比良(雲仙市)に泊まったのに、「有明がね」すなわち「ワタリガニ」を食べずに帰るというのは残念だったからだ。子どもの頃、家族で来た思い出がある。
観月荘さんで出して頂いた「有明がね」は、とにかく味が濃い。身が甘い。さらに内子が半端なく多い。セイコや香箱などのいわゆるメス蟹は内子が大事なのだが、「有明がね」はその内子がズワイの10倍くらい、端っこまでびっしり入っている。
これまで北海道の毛ガニやタラバ、弘前のトゲクリ、越前、間人、香住などのズワイと各地で蟹を食べてきた。だが「有明がね」より旨い蟹はないと心の底では思っている! なお佐賀の竹崎も同じ有明海のものである。
女将さんに勧められて島原鉄道の大三東(おおみさき)駅で降りた。日本一海に近い駅で、黄色い列車に合わせて幸せの黄色いハンカチがはためいている。「おじいちゃんの病気が良くなりますように」「古希過ぎて残りは遊ぶだけ遊ぶ」というのもあった。
ハゼの木から作る本多木蝋工業所もそばにある。製造工程を見せてもらう。スローライフの極致である。胡麻油も椿油も良い。美しい手書きの絵ろうそくを2本買って帰る。仏壇に供えると両親が喜んでいる気がした。

核とAI
太田民夫 (神奈川県 スローライフの会会員)
核軍縮が後退する一方、核弾頭は4年連続で増えている(2026年1月時点)。人類の平和に最も重要なカギを握る核だが、5月に開いた核拡散防止条約(NPT)再検討会議は成果文書を採択できず決裂した。
核を巡る悪夢に続くのはAIだろう。この3カ月の間に、AI(人工知能)が人類を超える知能を持ち、制御が効かないことが現実になろうとしている。わずか5年前に設立した米アンソロピックの今春からの動きを見ると明らかだ。4月7日に新型AIモデル「クロード・ミュトス」を試験公表した。同モデルはシステムの脆弱性を見つける能力が格段に向上しているといわれる。悪用すれば、システムの弱点を狙えるわけで、グローバル、リアルタイムでつながる金融システムなどに大きな脅威となる。それだけに同モデルのアクセス権は当初から制限され一般には非公開とされた。
同社は6月9日に、4月の新型モデルに悪用を防ぐ安全対策を加えた新モデル(クロード・フェイブル)を公開した。ところが、同12日には米国政府が安全保障上の問題で、公表されたばかりの先端AIの外国人の利用を禁止した。それを受けて同社は一連の先端AIの提供を停止した。
核は国家の管理下に置かれているが、新型AI開発は企業が担う。この点が決定的な違いだ。そして、いまや企業や個人、社会全体がAIを使う。また、米国に加え中国企業も新型AIに取り組んでおり、米中の新型AIが入り乱れた開発競争は必至だ。
利益の極大化を目的とする企業の手に新型AIの未来を託せるのか。AIの国際管理体制の仕組みづくりが急がれる。
役割を終えて
金井紀光(東京都新宿区 写真家)
電話ボックスが、グルグル巻きにされて立っていました。撤去を待つ、その姿が、なんとなく淋しそうに見えました。千葉県銚子市で。
『スローライフ曼荼羅』
ブドウの芽を食べる
野口智子(ゆとり研究所 スローライフの会共同代表)
無農薬で育てたワイン用のブドウは芽や葉が食べられると伺い、早速試してみました。天ぷらにしたり、お茶にしたり。珍しいので、食べる前にデッサンした人もいました。プロに預けたところ、塩漬け、砂糖漬け、まぜご飯、カルパッチョにと変身。ワイン生産材料としてだけのブドウから、食を楽しむブドウに変わって行きそうです。いま農作業では「芽かき」の時期、来年は家で無農薬で育てて芽を料理に使おう、という人がたくさん出るといいなあ。
https://noguchi-tomoko.com/?p=11247&preview=true
■■つべ小部屋■■
日の丸は秀逸だけど
つぼいゆづる (スローライフ瓦版編集長)
世界の国旗の中で、日の丸のデザインは秀逸だと思う。白地に赤の色彩も単純かつ鮮明で、子どもでも描けるところもいい。ワールドカップで打ち振られる日の丸を見ながら、素直にそう思う。だが、国旗損壊処罰法案には断固反対する。ありえない。今国会で成立する見通しに、泣きたくなる。そして、怖くなる。この国は、どこまで浅はかになれば気が済むのか、と。
法律は「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」で「公然と国旗を損壊、除去または汚損」した場合、2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を科す、という。待ってほしい。「著しく不快または嫌悪の情」とは何か。それを誰がどこで、どう判断するのか。
右翼の街宣車やヘイトスピーチをする連中の日章旗を見るたびに、筆者は祖国を貶(おとし)める不快な行動だと嫌悪感を抱く。しかし、あれは処罰されない。
なのに、政府を批判する表現として日の丸を燃やせば罰せられる。要するに「日の丸を傷つけるな」「尊重せよ」という考え方の押しつけである。いくら「外形で判断するから内心の自由に反しない」と言い募っても、表現は内心の表れであり、それを処罰する以上、内心の自由は完全に侵される。その結果、表現は萎縮し、窒息してゆく。
この法制化は日の丸の背負う戦争の歴史を矮小化する動きと軌を一にしている。自発的に育まれるはずの愛国心を政府が強要するための法律といえる。その行きつく先は、政府(捜査機関)が気に入らない、不愉快だと判断すれば罰することのできる恐ろしい社会だ。
みなさんは1999年の国旗・国歌法制定の議論をご記憶だろうか。あの時も、愛国心の強要だと言われ、当時の野中広務官房長官が国会で「掲揚や斉唱を強制するものではない」と答弁していた。それなのに、どうだ。2000年代に入ると、日の丸・君が代をめぐって東京や大阪で教職員が大量処分されていったではないか。
いま、公の場での挨拶の際に、会場の日の丸に一礼する人々の姿を目にする。自分は決してしないけれど、この法律が成立すれば、あの一礼をしなければ批判される世の中になるに違いない。そんな社会に、みなさんは住みたいのですか。
<編集室便り>
▽スローライフの会のインスタへ写真を
ようやく始めたインスタグラムです。皆さんからの「スローライフな写真」をお寄せください。事務局がゆっくりあげていきますので。楽しみにご覧ください、どんどん、どしどし拡散してください。
スローライフの会(@slowlife_no_kai) • Instagram写真と動画
instagram.com
▽6月の「さんか・さろん」、「洋品店いりやま」が好評
群馬県富岡市・入山寛之さんの「公民館のような洋品店」のお話は実におもしろかったです。『入山ワールド』に触れたい方は、「洋品店いりやま」のホームページ→ https://iriyama-tomioka.net/ をご覧ください。入山さんの素敵な笑顔に会えます。買い物して是非活動支援を。
横浜市の関根千佳さんからは以下のような感想が届きました。
【大変面白かったです。商店主が周りを巻き込みながら、どんどん人の輪を広げていく様子がよくわかりました。コミュニティデザインって、こんな風に楽しんでやればいいんだよ、って教えて頂いた気がします。
印象的だったのは、大人と話す機会のなかった中学生?が、お店の2階でキャンプして、大人と話せるようになったというエピソードです。その子が結婚などの人生の節目ごとに入山さんに会いに行っているという話も素敵。で、たくさんのパパやママが、入山さんに赤ちゃんの抱っこをせがむ?というのも、すっごく好きな話でした。まるでダライ・ラマかローマ教皇みたい。
来月、群馬の関根の実家に里帰りする予定なので、お店に行ってみたいと思います。もちろん、60代向けの衣料品を探しに!】
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【たまな商店】たまなの米粉麺に幅40mmの極太平麺が新登場です。群馬名物のひもかわうどんを思わせる、つるりとした喉ごしともちもち食感、しっかり噛んで味わえる米粉麺です。 https://tamana-shop.jp/product/detail/10296/
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