2月の衆院選を前に、瓦版751号(1月27日配信)の「つべ小部屋」で、高市自民党が勝てば、「女系天皇、女性天皇への道が閉ざされる。(男系男子の皇位継承を前提に旧宮家から養子をとる皇室典範改正をめざしている)」と書いていたので、いまの国会の展開は想定の範囲内という読者は多いでしょう。ただ、まさか衆院での審議が3時間で、複数の野党が賛成したことに驚いている方もまた多いのではないでしょうか。これから夏本番、さらに暑くなります。頭もかっかと熱くなりすぎぬよう、ご自愛ください。
*写真はノウゼンカズラ=新宿区四谷で、会員・金井紀光さん写す。
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●会員の方からの投稿をお待ちしています。次回は7月23日(木)が締め切りで、7月28日(火)に配信します。
『緑と絆の木陰』
本物の笑顔を物指しに
中村桂子 (JT生命誌研究館名誉館長 スローライフの会共同代表)
この会のお仲間に入れていただいているのは、専門である「生命誌」が求めている価値観を共有できる方たちのお集りと思うからです。「一人一人の生きる力を活かす社会」。勝手にそんなことを考えています。
権力に動かされる社会は結構です。子どもたちが憧れの眼で見ているであろうサッカー(私も毎回楽しんでいます)の、審判による判定をおかしな形で覆す力には、お止めくださいと言うしかありません。
「一人一人の生きる力」の象徴は、本物の笑顔です。6月の「さんか・さろん」で、群馬県富岡市の「洋品店いりやま」に登場なさった皆様の笑顔がよい例です。中心になる入山さんの笑顔は特別で、今も目に浮かびます。あれでよいコミュニティができないはずがないと、笑顔を見ただけで納得です。
これまで全国で、様々な活動をしていらっしゃる方たちとお目にかかってきましたが、そこで分かったのが、暮らしの充実感や幸せ感は数字では測れないということです。そこに登場するのが笑顔、これが物指しです。スローライフのお集りは、皆様いつもすてきな笑顔なので、ご一緒すると幸せです。ありがとうございます。
(他人の言葉に耳を貸さず、威圧的な顔をしている人が、突如作り笑いをしたり、異常なはしゃぎ方をしたりする。笑顔に失礼ですよね)
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〈スローライフ川柳〉 2 題「力」
刀より強い力の鶴を折る 若草
(評) 戦火の絶えぬいま、平和の象徴を力強く。
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<あっちこっちで多事争論>
NHKはもういらない?~「21日のさんか・さろん」を前に~
前原信也 (アトリエ「風と土」 元NHKエグゼクティブプロデューサー)
「最近のNHKは民放みたいだ。NHKらしい番組がなくなった」「このニュース、YouTubeで伝えられているのに、NHKは触れもしない」などという声をよく耳にします。多くの人々が、YouTubeで、政治やビジネス、旅やグルメなどの情報を得て、ネットフリックスで映画を、DAZNでスポーツを楽しむような時代。誰もがSNSを通じて手軽に情報発信できるようになった一方で、真偽も定かではない情報、争いや差別を助長するような誹謗中傷が広がり、社会に暗い影を落としています。
その一方で、NHKはオールドメディアと揶揄され、苦戦を強いられています。受信料収入はこの10年で2割近く落ち込みました。そんな中、NHKの信頼を支えてきたドキュメンタリーが危機に瀕しています。社会問題や人物を深く掘り下げて伝えるこのジャンルは「なかなか『接触率』につながらないと」という理由で放送枠が減り、その担い手たちは逆風に晒されているのです。
私も例外ではありません。外国からの移住者の奮闘と共生を追った担当番組が今年の3月で打ち止めになりました。背景にあるのは「予算削減」と「放送波の整理統合」です。ドキュメンタリーの制作には時間と労力、作り手を育てていく土壌が必要です。風前の灯となったドキュメンタリーをどうやって未来に繋いでいくのか。21日の「さんか・さろん」は、葛藤する制作現場からの報告です。
大往生とは
岩崎久美子 (東京都 スローライフの会会員)
わたしの周りの友人たちは一様に親の介護の時期に入っている。
わたしもこの4月に母親を見送った。足が悪くなってここ10年は自宅の外に出ることができなかったが、公的・私的にさまざまなサービスを利用し、知恵を使い、96歳まで一人暮らしを続けた。昨年9月に具合が悪くなり、在宅訪問に来ていた看護師さんの判断で病院に搬送、その後、本人の望みどおり、20年前に父親が入ったホスピスに移った。
年を越せないと思っていたが、「季節の良い時期に逝きたい」といい、最後は、「がんばった。もうたくさん。悔いはない。幸せだった」と口にし、桜の開花を見てこの世を去った。まるで、自分の死を管理下においたような死だった。
見送った方は、母親と一緒に生活すると大見えを切って仕事を辞めたものの、地方に行く勇気もなく月に数回行き来する親不孝娘だったため、悔いは残った。「幸せだった」という母親の言葉は、本音だったと信じたいが、わたしが後悔しないよう、母なりの配慮であり、ねぎらいの言葉であったのかもしれない。
人生の最後をどうするかは自分の意志では決められない。病気の状況、認知の度合い、家族を取り巻く環境など、さまざまなことが影響するであろう。
人生のカウントダウンに入った年齢にあって、自分の死をどのように成就するか、それはこれからの人生で向き合う最大のテーマかもしれない。
世界で一番大きな砂漠はど~こだ? (上)
柴山恵美子 (東京都 スローライフの会会員)
サハラ砂漠じゃないよ。
えっ? と思う人もいるだろう。答えは南極の氷雪砂漠。砂漠とは字面から砂のイメージがあるが、地形よりも気候の分類で、降水量よりも蒸発する水分量が多い地域をさす。ちなみに2番目は北極砂漠で、サハラ砂漠は3位になる。4位はアラビア砂漠。5位はアジアで一番大きいゴビ砂漠、中国とモンゴルにまたがる礫砂漠である。
モンゴル国。行きたい国の上位ではなかったが、興味はあった内陸の国は、意外と簡単に行ける・・・・・・ことを朝日新聞の広告で知った。叫ばれる航空運賃の高騰に、円高期待への忍耐は負けた。腹を括って、個人旅行を計画。駆け込み海外旅行は、諦めと開き直りの末に始まった。
モンゴルの首都ウランバートルまでは東京から5時間半、帰りは早ければ4時間半。毎日直行便があり、時差は1時間。東南アジアの人気リゾートと大して変わらない、ならばマイナーな国に行こうではないか。目的がはっきりしないまま、まずは航空券を確保した、安いうちに・・・・・・。
日本の4倍程もの面積でありながら、国別名目GDPは下から数えた方が早く、ロシアと中国に挟まれながらも、名目GDPは鳥取県と同じ。自由主義を掲げ資本主義の国。洗練された観光施設は少ないが、国の魅力は自分で歩いて探してくれというような、逞(たくま)しいおもてなし風土。そこで、季語を駆使し、箱庭を愛でる国から来た旅行者は、地平線の風に吹かれることになる。(つづく)
*写真は夕方にゲルキャンプに現れたヤギと羊の群れ。遠くに見えるゲルの隣に柵があり、家畜はその中で夜を過ごします。

味噌を仕込む、未来を仕込む (下)
村井康人 (新潟市 REBIRTH食育研究所)
幼保こども園での給食を巡っては、子どもたちのアレルギーなどのほかにも難題を抱えている。現場の先生方も多忙なシフト勤務の中、全員が揃って食に関する研修を行う時間が取りづらい。食育の意識も共有し維持することが、難しくなっていた。
そこで職員と園児たち皆で食育を体験する機会を作りたいと、白羽の矢が立ったのが「味噌づくり」である。
園長先生自身も「味噌づくり」は未経験。今年度の一年間をかけてじっくりやってみたいと、自らエプロンをつける決意をされた。昨年12月、地域の食生活改善推進員の方々のご協力を仰ぎ、まずは先生方の練習用として味噌を仕込んだ。今年の秋には、そのお味噌で園児たちが味噌汁を作る予定だ。
トップの園長先生が、自らやったことのない手仕事に向き合う。その姿は「食べることは生きること」というメッセージとなって、理屈ではなく、先生方や園児を通して保護者へ伝わっていくはずだ。
ひとつの釜で煮た大豆を潰し、みんなで発酵を待ち、同じお椀の味噌汁をいただく。効率化が進む社会の中で揺らぎつつある園の食卓に、手作りの温かな時間がゆっくりと満ちていくのを、私も全力で伴走しながら見守っていく。
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私のスローライフ
掛川順子 (群馬県富岡市 スローライフの会会員)
2009年、看護士として長年勤めていた、大学病院を早期退職し、群馬県富岡市で画家と暮らし始めた。知り合いも親戚もいない、土地。「知らない街」を知りたくて、2012年に富岡市が立ち上げた「世界遺産に頼らないまちづくり、5万人の笑顔」をテーマとした「スマイル富岡」のチームに参加した。
このチームはたいへん居心地が良かった。あるのは、メンバーをニックネームで呼び合うこと、グループワークで他の人の意見を一旦受け入れるというルールと、テーマ達成のために集中する姿勢だけ。
そこから、唄うスマ富(スマイル富岡)、今宵サミット、げんきフェスタ、夜店、夏祭り、プレイグランド、とみロボマラソン、月のみ、水のみ、読書会、学びステイと様々なイベントに参加した。知り合いから、友達ができた。
画家は、いかなる時も、小さなスケッチブックとペンを持ち、周囲の人々を描いた。それが、エスキース(下絵)になり、作品になった。私は商店街に行きつけの店ができ、顔馴染みができた。
画家は2024年に急逝。17年間、培ってきた仲間が助けてくれた。念願の個展開催に向けて、沢山の優しさをいただいた。東京時代を第一章、画家との暮らしを第二章、これから、第三章が始まる。(写真はその仲間と「げんきフェスタ」で)


街路樹を考える
太田民夫 (神奈川県 スローライフの会会員)
ことしも酷暑の夏が予想される。散歩には街路樹がつくる木陰、水、トイレが欠かせない。公園の横のヤマボウシ、自動車道路のケヤキ、少し狭い道のトウカエデ、駅前の桜などの並木道を選んで歩く。トイレと水の補給は涼むにはもってこいの図書館を利用する。
川崎市みどりの保全整備課によると、「市内には約4万本の街路樹で構成される約400の並木がある。今後、交通量の多い並木を中心に、計画的な剪定、危険防止を含めた伐採などをしていきたい」という。
街路樹を考えていると神宮外苑の開発計画を思い出した。あの4列のイチョウ並木は日本の街路樹史に刻まれる代表的な存在だ(下の写真)。大手不動産会社と所有者の宗教法人などが野球場、ラグビー場などのスポーツ施設やビジネス棟などを新たに建設するのに伴い、多くが伐採される計画だ。
先日、青山通りから外苑に入り、絵画館に向かってイチョウ並木を歩いた。森閑とした空気感がある。途中、左手にラグビー場に突き当たる道にも立派なイチョウ並木。開発計画では4列のイチョウは残すが、「ラグビー場に向かうイチョウ19本は現時点では移植を検討」(神宮外苑地区まちづくり準備室)としている。開発事業の資料によると「樹木の存置が608本、移植193本、伐採503本」。事業の竣工は10年後。伐採した木々は戻らない。外苑の緑と景観はどうなるのか。

『スローライフ曼荼羅』
葉で包む
野口智子(ゆとり研究所 スローライフの会共同代表)
朴の葉で、炊き立ての豆ごはんを包むと、葉の緑色がサッと薄茶に代わり、さわやかな香りが広がります。一方、柏の葉でお餅を包むと、これまたいい匂いの柏餅となります。京都府綾部市で先日、同じ日の午前、午後と、両方をいただきました。地元の方の手作りです。おしゃべりと笑顔と一緒に食べるのでなおさら美味しく感じます。身近な葉を利用して包む食文化は、東京ではできない田舎ならではの贅沢でした。
https://noguchi-tomoko.com/?p=11272&preview=true
■■つべ小部屋■■
選挙応援してみました
つぼいゆづる (スローライフ瓦版編集長)
6月の杉並区長選、区議補選で生まれて初めて選挙応援をした。これまでも身内に市長選や都議選に立候補した人がいたが、職業柄、公然と支持を求めるのは避けてきた。(朝日新聞綱領には「不偏不党の地に立って言論の自由を貫き」とあったので)。それが自称・家事手伝い見習いの身になり、晴れて特定の候補者を応援することができた。
区長選は自民党が27年ぶりに推薦候補を立てたことで、全国的にそれなりの注目を集めていた。成り行きが気になっていたところに、地域政党「杉並・生活者ネットワーク(ネット)」から依頼が来た。ネットが推す現職の岸本聡子区長と、区議補選候補の向井よしかさんを支持してほしい、と。
喜んで引き受けた。ただ「応援した」といっても、街頭で演説をぶったわけではない。ネットが主催した3カ所の室内の会合で、「いまの政治状況と自治体の役割」と題し20分ほど語っただけ。こじんまりした会場に岸本さんが駆けつけるまでの「前座」を務めた。高市政権の危うさ、恐ろしさを指摘しつつ、岸本さんが区の予算づくりに住民の意見を聞いている点などを評価し、足元の政治の大切さを訴えた。
告示日のポスター貼りも頼まれたが、車も自転車も持たぬ身では移動手段がないから無理ということで、実現はしなかった。
選挙結果はご承知の通り。岸本さんは圧勝し、向井さんは9人中4位の次々点だった。選挙期間中にネットのみなさんが着ていた揃いのポロシャツの背中に「投票に行こう!」、前面には「生活は政治だ」と書いてあったことも奏功したのか、投票率は42.54%で前回を約5ポイント上回った。
半数以上の有権者が棄権したとはいえ、わずか5ポイントでも岸本さんを大きく押し上げた現実に、「めちゃくちゃな」国政の次の選挙へのわずかな希望が見えた気がした。
<編集室便り>
▽7月の「さんか・さろん」」は「NHKなんてもういらない?」
講師の前原信也さんから今回の瓦版に投稿も届いています。「さんか・さろん」では、「NHKへの叱咤と激励をいただければと願っています」とのことです。元NHKの方だからこその、いろいろなお話が伺えそうですね。
前原さんは、昨年の「雲仙フォーラム」では記録動画をボランティアで作ってくださいました。
昨年の「雲仙フォーラム」記録作品です。
こんごの作品も楽しみです。皆様ご予定ください。
●日時:7月21日(火)19時からzoomで
●タイトル:「NHKなんてもういらない?」
●講師:前原信也さん(アトリエ「風と土」 プロデューサー、元NHKエグゼクティブプロデューサー、スローライフの会会員)
1985年NHK入局。おはよう日本、クローズアップ現代、NHKスペシャルなど報道、ドキュメンタリー番組の制作に当たる。
●参加費:会員1000円(年間参加費をお納めの方はそれでOK)、一般2000円
●申込:7月18日(土)までに、スローライフの会までメールで。slowlifej@nifty.com
詳しくは https://www.slowlife-japan.jp/2026/07/02/%ef%bd%93-391/
▽「洋品店いりやま」のお話がYouTubeに
6月の「さんか・さろん」群馬県富岡市・入山寛之さんのお話「公民館みたいな洋品店」が、実に好評でした。YouTubeにあげましたので、こちらのホームぺージから入山さんのとびっきりの笑顔をご覧ください。
https://www.slowlife-japan.jp/2026/07/02/%ef%bd%93-390/
「洋品店いりやま」のホームページはこちらです。https://iriyama-tomioka.net/
(PR)クオリティソフトから・・・
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