瓦版2012.5.1第105号

週刊スローライフ瓦版 (2012.5.1 第105号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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わが国には11次下請けまであるらしいが、不景気で仕事があるだけまだいいと、
黙認状況。スローライフを語るにはまず日本の下請け構造にメスを、でしょう。
今月の「さんか・さろん」は、わが学会会員の赤峰民生さんの問題提起です。
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コラム<火曜日の鐘> 山下茂(明治大学公共政策大学院教授)
~~~ 「国民主権」の還暦祝いを
昨年9月27日号の本欄で、60年前の9月8日、講和条約の調印に注意喚起し、
そんな歴史上の一大事を世間では忘れ去ったか!?と嘆いておいた。
事の重要性は認識していても、記念すべきは「調印」ではなく条約の「発効」
(昭和27年4月28日)だという人も多いかもしれない。外国による占領を脱し
て主権を取り戻すと同時に日米安保条約を締結するという、今日まで我国を守
り続けている政治的決断が効力を発した。GHQなど占領体制が廃止され、国
民が初めて本当の「主権」を手中にした。主権者たる国民の誕生日なのだから、
毎年、大いに慶祝すべきである。「還暦」ともなれば、なおさら盛大に。
世間の冷淡さには事情がある。あの当時は「全面講和」を主張した人も多か
った。「アンポ反対!」を叫んだ人々も今なお健在だ。明治末期の不平等条約
改正とは違って評価が分かれるのだろう。忘れたふりをしている人々もいるか
もしれない。歴史的な一大事の取り扱いは一筋縄にはいかないものだ・・。
学会コラム<緑と絆の木陰>
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神野直彦(東京大学名誉教授) 愛別離苦

小さき花が庭の片隅に咲いた。艶やかなバラよりも、名もなき雑草の花に心
を動かされることがよくある。この小さき花も、その素直な美しさに、眼にし
た瞬間に心を奪われてしまった。
もっとも、それは素直だった「実篤」の骨壷が地下に眠っていることに、幻
惑されているからかもしれない。「実篤」とは人間と犬との「友情」という意
味で、長女が名づけた犬の名前である。亡骸を最初はペット霊園に預けたのだ
けれども、妻が毎日手を合わせたいと、庭の片隅に「実篤」の墓碑を建ててし
まったのである。
私は生まれた時から犬と共に生きてきた。犬の寿命は人間よりも遥かに短い。
犬と共に生きることは、犬の死に何回となく立ち会うことになる。それは「生」
の素晴らしさと、「死」の意義を、犬から学び、それを自己の人生に照射して
みることにもなる。
妻は私と相違して、犬と共には生きてはこなかった。というよりも、犬に襲
われた幼児体験から、犬を嫌悪していた。そのため妻と結婚してからは、犬を
飼うことはなかった。
ところが、雑種であるが故に、そのままでは殺されてしまう「実篤」を、妻
は哀れんで貰い受け、心底から愛しんだ。彼女にとって「実篤」の死は、文字
どおり「愛別離苦」だったので、二度と犬を飼うまいと誓っているようである。
釈迦は「四苦八苦」を説いた。人間の根源的な苦悩である生・老・病・死の
四苦に付け加えられている八苦に、愛する者との別れの苦しみである「愛別離
苦」がある。しかし、「愛別離苦」こそが根源的苦悩であることを、犬の死か
ら学ぶことができる。死は愛する者と別れるから苦悩なのである。
自分だけが二百年も三百年も生きた状態を想像してみればよい。愛する者が
誰も存在しないで、生きることの苦悩に耐えられないに違いない。愛する者と
共に生きる時を大切にして、スローにすることこそ、スローライフなのである。
■街角から畦道から
仏法を説く風変りな和尚 田嶋義介(島根県立大学名誉教授 山口県光市)

風変わりな和尚に招かれて、4月25日に島根県浜田市金城町小国の浄土真宗・
光超寺で開かれた永代経法要で、「人口減少社会と福祉を考える」をテーマに
“法話をしてきた。近在を含めて僧6人と壇家の人たち約40人がお経を2回
唱和し、食事や法話、コーヒータイムが入る春の懇談会のノリ。
寺の日原隆照住職(68)は私が島根県立大学在職中に研究室に時々来て、社会
や政治、浜田市政などについて意見を求めた。「仏法は人のため、社会のため
に道を説くもの。今の寺は葬式、法事だけ。仏教が廃れるはず」が持論。
法話にも現代社会問題を織り込む。小国地域は浜田市の中心部から車で約40分
の山あい。過疎・高齢化が進む。寺の前の舗装道路を眺めながら、「道ができ
ても、いずれ通る人がいなくなる。今こそ道路より福祉が大事といっているん
だが・・・」と嘆くのだ。
■まち・むらニュース
・佐賀県 「有田陶器市」始まる
GWの佐賀を代表するイベントといえば、有田陶器市。今年で109回目を迎えた。
磁器発祥の地・有田を舞台に、4kmにわたって約500店舗のやきもの店が並ぶ。
5月5日まで。セット崩れやB級品など格安の掘り出し物が手に入り、早朝名
物の朝がゆ(干支入り碗付500円)なども。全国から100万人の人出といわれる。
PR活動に、昨年からキャラクター「ありたん」がデビュー。有田焼の染付けの
茶碗をかぶった、つぶらな瞳の男の子で、有田陶器市の法被を着ている。
http://www.arita-toukiichi.or.jp/open.html
<問い合わせ先>佐賀県危機管理・広報課 0952(25)7219 FAX (25)7289
e-mail:kouhou-mailmaga@pref.saga.lg.jp
・東京都 ふるさと回帰支援センター主催・共催・後援セミナー(5月中)
~岡山県「おかやま晴れの国ぐらし相談デスク」 12日(土)
詳細:http://www.furusatokaiki.net/event/3264/
~福島県「きらめく人と自然 小野町ふるさと暮らしセミナー 19日(土)
詳細:http://www.furusatokaiki.net/event/3257/
~福井県 「ふくい暮らしUターン就職・就農相談会」 19日(土)
詳細:http://www.furusatokaiki.net/event/3267/
~長野県 「信州田舎暮らしセミナー」 25日(金)
詳細:http://www.furusatokaiki.net/event/3273/
~長野県 「信州駒ヶ根Iターンセミナー&相談会」 26日(土)
詳細:http://www.furusatokaiki.net/event/3275/
NPO法人ふるさと回帰支援センター(嵩 和雄)TEL:03-6273-4401
email:ginza@furusatokaiki.net
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コラム<象さんの散歩> 「運転免許証の返上」でおもうこと・・上
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来月末に70歳代最後の誕生日を迎える私。運転免許証の切り替え年に当たる
が、その返上を考慮中。運転暦50年、衝突事故もなく、腕なお衰えずの自信は
満々だが、妻からは「高齢者の思い違い操作、うっかりミスが目立つわね」と。
一つの区切りかと思っていたところへ追い討ちのニュース・・。
京都府で、車の暴走が二つ続く。祇園で観光客ら7人、亀岡で集団登校中の
児童2人が死去。通学路事故は、千葉県館山と愛知県岡崎でも起きた。そして
GWに入って関越自動車道で大型バスが防音壁に激突して7人が死亡-。
対策が論じられているが、車歩道分離など道路整備とか、登下校時に通学路
への車の乗り入れ禁止とか。論ずべきは、運転する資格の問題、こころの問題
でないのか。事故運転手たちは「ぼんやりしていて」「居眠りしていた」とい
う。一人はてんかんの病気で運転を禁じられていた。一人は無免許運転の過去
をもつ。家族、周囲は、運転免許証の重さをどう考えていたのだろうか。
私は、かねてから運転免許証を担当するお役所を、公安の官庁ではなく教育
官庁に切り替えるべし論者である。国民皆運転の車社会。学校教育で必修科目
とし、技術だけでなく人間、こころの大切さを叩き込む・・ ∧ 川島正英 ∧
コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その100
~~~ 世界共通の歳首設定は見果てぬ夢か・・?
耶蘇教でもロシア正教では降誕祭等を今もユ暦で祝っている。当初はグ暦を
否定した新教国は、18世紀になって順次妥協したのだから、新しい暦法ができ
れば、また妥協すれば済む。耶蘇教で最も重要な復活祭は春分と満月に関連付
けられ毎年日にちが変わるのだから、歳首がどうでも関係はない。
イスラム太陰暦では1年が354日で、太陽との関係では、毎年、歳首が繰り
上がる。ヒンドゥーでは牡羊座に太陽が入った時点(今のグ暦で4月中頃)、
ユダヤではグ暦9月に新年になる。どの暦法も世界共通ルールにはし難い。
イランは太陽暦で春分を歳首とする。ユ暦以前のローマのロムルス暦と同じ
で筆者は共感できるのだが・・。結局、国際的には覇権勢力の暦法が生き延び
そうだが、それなら、せめて宗教的な意味づけだけは除去できないものか?

コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 「じんじろぐるマーケット」
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鳥羽市答志島、おばあちゃんたちが使う「じんじろ車」について以前ご紹介し
ましたが、この押し車を集めて、若者たちが朝市を開催しました。強風にも関
わらず、25台が出店。ワカメや小女子など島ならではのものが並びます。名づ
けて「じんじろぐるマーケット」これから名物に育っていくことでしょう。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=155
■編集室だより
~スローライフ瓦版は、GWも火曜日発行の予定に変わりなし。
会員諸兄姉は、あちらこちらへお出かけかと
拝察、でも「瓦版」は休まず、です。旅での
楽しい見聞をぜひお寄せください。
5月の「さんか・さろん」は、現代日本へのスローライフの提案
〔テーマ〕めざそう、人間回復のものづくり
〔ゲスト〕…赤峰民生さん(推薦:篠田伸夫さん)
赤峰さんは、長いこと建設業の専門紙の記者として建設現場を見聞きし、
さまざまな問題提起をしてきました。日本の下請け構造とは2次、3次
どころではなく、11次下請けまであるとのこと。この複雑怪奇な下請け
システムは、欧米やお隣の韓国にもない日本独特な仕組みで、長いこと
問題視されてきましたが、解決に至っていません。
5月のお話のテーマは、日本の建設業界の下請け構造をなくし、もっと
豊かな仕事スタイルを構築する方法とは…です。
赤峰さんの主張は「この下請け構造は必ずなくせる。ファストでない質
の高い仕事のシステムをつくりだし、もっと人間らしい働き方ができる
日本をめざそう」というもの。熱いお話をうかがい、ディスカッション
したいテーマですね。

○日 時…5月15日(火)19時~20時30分(18時40分受付開始)
○場 所…平河町Mercury Room (千代田区平河町1-4-5平和第一ビル6階
クオリティ㈱ 会議室)
○ゲスト…赤峰民生さん(スローライフ学会員、全国仮設安全事業協組
企画広報部長)
○主 催…スローライフ学会
○参加費…会員1000円、一般2000円(学生500円、講師の紹介1000円)
※終了後、希望者で懇親会を行います。会場は当日お知らせします。
【お申し込み】5月14日(月)までに下記へ。
NPOスローライフ・ジャパン
電話 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
(当日連絡は090-7433-1741野口まで)
○詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=145
~新年度の会費をお願いします。新会員も募集中です。
スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが運営する学会(学長・
神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)です。
スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、全国で
スローライフなまちづくりをすすめる皆さんとのつながりでもあります。
年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」
などで交流したりできます。既会員の方は下記の口座へお振り込みください。
【振込先】
ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会
三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会
※4月~3月の年会費のため、昨年度中途のお支払いの方も、新年度は新たに
お振込いただきたく、よろしくお願いいたします。
※個人名以外の口座でお振込の場合、確認できませんのでご一報ください。
また、新しく入会ご希望の方は、こちらからお申し込みください。
【入会フォーム】
http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=6
~ボランティア募集
NPOスローライフ・ジャパンの事務作業をお手伝いしていただける方を探
しています。アルバイト料をお支払いできない、とても虫のいいお願いではあ
るのですが‥。データ入力や資料の発送など簡単な仕事ですが、お手伝いして
いただければとても助かります。ぜひご一報ください。
【問い合わせ先】

■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
鹿児島県
http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html
岩手県遠野市
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日本テレネット株式会社
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クオリティ株式会社
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アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
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