奈良・川上村フォーラム報告②「交流会」


「スローライフ・フォーラムin水源地のむら川上」(2013年11月23・24日)に至るまでに、川上村の方々とNPOスローライフ・ジャパンは何度も話し合いを続けてきました。これは奈良県の「一町一村まちづくり事業」によるものです。
“寄合”の名でワークショップをもち、その中でみんなで考えたプロジェクトは「村の宴」でした。
とかく地区ごとでバラバラになりがちだった村人が、一つになる機会がほしい。慣れてきたら、外の人も混じって交流を起こそう。そのなかで村の伝統的な“食”も守っていこう。スポーツや観光も考えよう。「村の宴」には様々な意味があったのです。
「宴」の場を作るその過程でできるつながり、「宴」でできた新しいつながり、そのすべてがエネルギーになるのでは・・。
その実験としての意味もあるスローライフ・フォーラムの前夜の「交流会」が、「丹生川上神社上社」の広間で開催となりました。
何度かの寄合で、「龍神を祭る村、神社なのだから、鯉のぼりでなく“龍のぼり”を作っていつか村中に飾りたい」「水のおいしい村だから、茶粥をもっと大事にしよう。何種類かの“おかいさん”(お粥さん)をセットで食べられるようにしたら」「シカ肉を活かした新しいメニューを開発したい」などの案が出ていました。それをこの交流会で試してみたのです。
川上村の「村の宴」のルールも作ろうと話し合いもしました。「外の人・村の人が上下なく混じって座る」「堅苦しい通り一遍の挨拶はしない」「村の味を楽しむ」「酔っ払い過ぎない」「みんなで片づける」「会費制」これもまた、いろいろな案が出ました。このルールについても、交流会が実験の場になったのです。

司会は、丹生川上神社上社の望月宮司さんとNPOスローライフ・ジャパン理事の長谷川さん。二人の息がぴったり合って、交流会開始。
正面にはみんなで作った“龍のぼり”が見事に飾られました。龍のウロコは子供たちの手に絵具を塗ってつけたものです。手作り交流宴会の始まり、龍神さんに乾杯です。

食事はとことん地元のもの。しかも、後片付けをみんなでやりやすくするために、食器はなるべく簡易なものを選んであります。

ごちそうを作ってくださったのは川上村高原にある 食品加工施設「ぱくぱく館」の女性たち。代表の井本さんが、お料理について説明をしてくれます。
地元の人と、他所の人が混じって座るように。また席次もくじ引きで決定のため、本当にあちこちでおしゃべりの輪ができます。土地の有力者が上座に座り、女性や若者は末席に座るようなそんな宴会をやっている以上、その土地は変わりません。

地元のおばちゃんも、知事も、地元のヤングママも、東京の大学の先生も、みんな平らかに平らかに。

秋の色合いの柿の葉寿司。川上村は柿の葉寿司専用の柿畑を持つお店もあり、無農薬で柿の葉が育てられています。

川上村ので活動を始めている「ちびっこ増やし隊」のヤングママたちは、“寄合”にも子連れでずっと参加。「旦那が猟師なの!」なんて言っていた女性、豊富な鹿肉を使って仲間と「鹿肉中華饅頭」を試作しました。宴会で人気、皆から「即、商品化しよう」の声が上がりました。

茶粥、小豆粥、芋粥と「おかいさん」(お粥さん)が三種で、「おかいさん兄弟」です。寄合で出ていたアイディアが実現しました。茶粥になじみのない土地の人たちからは、作り方を聞きたいと質問も。水のおいしい川上村なので、「おかいさん」もおいしいのです。

遠く佐賀県、福島県、福井県、広島県、静岡県、富山県、各地からの参加者が次々とスピーチです。昨年の開催地、富山県高岡市からの4人組は車を飛ばし、交流会にぎりぎり間に合いました。

スローライフ学会会長・増田寛也さんもスピーチ。

時間通りに終わらせるのも川上村の「宴」のルール。みんなで片づけて、記念写真。思い出深い夜になりました。(つづく)
この「宴」については、↓こちらのブログでも紹介してます。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=239″