瓦版2011.4.19第52号

週刊スローライフ瓦版 (2011.4.19 第52号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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「瓦版」は、この52号で一年ひとまわり。編集室の感慨はひとしお。ご愛読、
ご投稿、ありがとうございました。評判もよく、意気は高まるばかり。次の
一年、なおのご声援をよろしく・・ 川島正英、野口智子、篠原伊佐武
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このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ
ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信
される方も含めて、お気軽にお付き合いください。
コラム<火曜日の鐘> 丸岡 一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)
~~~ スローライフの存在
わたしたちは、1983年に、日本海中部地震を経験しました。マグニチュード
7・7の揺れと津波により多くの犠牲者も出しました。その後、各地で大地震が
あっても、この経験と想像で理解することができました。
しかし、このたびは言葉がありません。これほどの惨事が現実世界に起きる
ものなのか。三陸の津波対策はおそらく世界随一のものですし、原発にしても
そうなのでしょう。自然の苛烈さに、打ちのめされるばかりです。
これからの長い復興にどう関与していけるのか。いまはそのことを思う日々
ですが、同時に、世のありようを考える力が及ばなかった。考えるべきことを
考えてこなかったのではないか。そんな思いもちらついています。
ある種の世直しを考えていかねばならない。そう思うとき、スローライフの
考え方を力強く感じます。
■街角から畦道から ————————————————–
スローライフ瓦版と私の旅 牛嶋敦子(名古屋市)
今年の夏、鳥取に旅をします。スローライフ学会のフォーラムで伺った鳥取
が忘れられなくって。そのときに土地の人に浦富海岸をすすめられたので、
松江在住の友人を誘って岩井温泉に宿泊することにしました。楽しみです。
学生時代に生物を専攻していたこともあって、中村桂子さんのお話はとても
楽しみに。人は「生き物」であるということ、私もそう思います。生命誌研
究館は一度いきたい。こちらも近いうちにいつかと思っています。
飯山のホタルの話も興味深かった。良質な情報の提供に感謝します。
私の最近のヒットは長崎ペンギン水族館です。(http://penguin-aqua.jp/)
今年で開館10周年。水族館の展示だけでなく、屋外にはビオトープもある。
植物など1つ1つに丁寧な説明の札があってとても落ち着き、自然に親しみ、
感じ、学ぶことができます。ビオトープのエリアは入場無料ですし、水族館
入館料も500円でとてもおトクな気がしました。
「おくのほそ道」へ行きたい 加藤雅喜(神奈川県湯河原町 NPO法人
湯河原げんき隊事務局長、声を出して古典を読む会主宰)
新潟市 村井良江さんの「福島産、買いたくても」を読みました。私の親類
も喜多方市・郡山市にいるので、震災被害だけでなく、この放射能量の発表
の仕方に振り回される現状には、眉をしかめています。いっぽうで、新潟県
・新潟市では 多くの避難の子供達を受け入れている様子に、新潟市育ちの
私は潤います。
私達は、いつものように買い物をし、通勤通学をし、毎日の生活をする。旅
にも出かけて、大酒飲んで騒がなくてイイから、桜が咲いたら近所に花見に
行って、亡くなった方々の塚にも桜花が舞い積もってくれるよう心を東北へ
馳せることをすればいいと思っています。
声を出して『おくのほそ道』を読む会を主宰している私は、過日も計画停電
の薄暗い会場で厚着をして、ホカロンを握りしめて『おくのほそ道』を読み
ました。今春バス旅行で、芭蕉の足跡を追って仙台・多賀城・塩釜・松島へ、
受講者と出かける計画は断念。でも、芭蕉が越えた同じ日に「白河の関」へ
福島第一原発が近くても出かける計画を皆さんに呼びかけて実施します。
日々坦々と過ごす。これが大事、と皆さんに話しました。何が起こるかわか
らないのは、現代も芭蕉の時代も同じだからで・・と。
「祈る日」の呼びかけ 長谷川八重(NPO法人スローライフ掛川理事)
哲学者の内山節さんは、東日本大震災で亡くなられた方々の「祈る日」を呼
びかけています。その日は「四十九日」の法要に合わせた4月24日(日)–
<長谷川さんは、このメールで、内山節さんのHPでのスローライフ
へのメッセージも紹介してくれています。ここでは、「祈る日」の
呼びかけだけを、しかも要約させていただくことに・・>
日本社会には、災害や「戦」などの後に、亡くなられたすべての方々の冥福
を祈り、死者供養をする伝統がありました。「戦」の後は敵味方を区別せず
供養しました。巻き込まれて命を落としたすべての生き物たちの冥福を祈り
ました。大地が鎮まることをみんなで祈りました。悲劇に巻き込まれた生命
への思いを共有し、次の歩みに向かう入り口をつくりだしてきました。
この度はすでにご遺族の方々などの手によって、精一杯の供養がおこなわれ
たことだろうと思います。その一方で、ご家族が全員亡くなられるなど、誰
にも送ってもらえない人たちもおられる。そのような方々に、みんなで追悼、
供養してあげようではありませんか。これからの私たちの決意をも示したい。
方法は、ご自身の信仰をおもちの方はその方法で、また他の方々はそれぞれ
が思いついた方法で。被災地の方角を向いて手を合わせる、仏壇などをおも
ちの方はお線香を上げる、近くのお寺、神社、教会などに集まり、祈りを捧
げる、ご自宅に思い思いのデザインの半旗を掲げる、追悼の集まり、コンサ
ートなどを開く、…自分がよいと思う方法で、自分のできる方法で。国葬の
ような儀式にするのではなく、全国津々浦々でみんなが送る日にしたい。
正午にみんなで祈りを捧げたいと思います。
(内山節さん http://www.uthp.net/index.htm)
学会コラム<緑と絆の木陰>
~~~~~
坪井 ゆづる(朝日新聞社編集委員・論説委員) 原発推進の石原さん
選挙やってたのね。そんな反応のまま、統一地方選の前半戦が終わった。大
震災の直後で、選挙運動が自粛ムードだったこともあり、論戦は低調だった。
現職知事9人がすべて当選した結果には何の驚きもない。初めから勝負がつ
いているような戦いばかりだった。議会不信のなか、道府県議選の投票率が戦
後最低になるのも見えていた。
でも、ひとつだけ、へぇー何で? と思った。東京都知事選の投票率が57.
80%で、4年前より3ポイント余り高くなったのだ。石原慎太郎氏の優位は動
かないし、「反石原票」の行き場も見あたらない。これは、戦後最低の43.19%
をも下回るのではないか。そんな見立ては完全に外れた。
上がった要因は、若者が知っている有名人が出ていたからくらいしか思いつ
かない。いずれ年齢別の投票率が公表されれば、何か見えてくるかもしれない。
それにしても、である。東電福島第1原発の事故が不気味なレベル7に向か
うなか、「東京湾に原発をつくってもいい」と発言してきた石原氏がすいすい
当選する。前回より得票を20万減らしたとはいえ、この現実は、やはりかなり
やばいと思う。
■まち・むらニュース ————————————————
・佐賀県 近代化遺産「旧唐津銀行」が生まれ変わって
唐津市出身の建築家・辰野金吾(1854-1919)は東京駅や日本銀行本店を設計、
日本近代建築をリードした。 明治45(1912)年に建てられた旧唐津銀行は、
辰野が設計を監修した建物。赤色のタイルに白い帯が映える。平成9年まで
金融機関として利用、近代化遺産として親しまれてきた。創建当時の姿を復
元する工事を終え、3月にお披露目された。リニューアルオープン記念イベ
ントを開催中。20もの唐津を代表する窯元が大集結、次の唐津焼展も・・
◇旧唐津銀行リニューアルオープン記念「至高の唐津焼展」:4月24日まで。
午前9時から午後6時 主催:「至高の唐津焼展」実行委員会
◆旧唐津銀行HP http://karatsu-bank.jp/ 一番館(Tel:0955-73-0007)
<お問い合わせ>佐賀県危機管理・広報課(0952(25)7219)
e-mail:kouhou-mailmaga@pref.saga.lg.jp
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「たかおか屋」から・・・
国宝 瑞龍寺の春の催し、ライトアップと門前市にたかおか屋も参加します。
お寺との縁が深くて、いつも見守っていただけるあるものとは・・・
http://www.takaokaya.jp/news/2011/04/15-142115.php
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コラム<象さんの散歩> 「想定外」でしょうか。いいえ、誰でも・・
~~~
あれ以来、「スローライフでは、原発反対だよね」と、念押しされる。そう、
だけど、私たちの反対は、それを進める「速さ」に対してである。
ゆっくり、ゆったり、ゆたかに。このキーワードは、原発の建設についても
変わることなし。いのち、環境、暮らし、交流、文化、歴史・・、何ものにも
代えがたい。はぐくむ過程も大切に。高度成長の犠牲にはできない。「大きく、
強く、速く速く」を絶対と考える価値観に賛成することはあり得ない。
その高度成長神話の時代に、原発の是か否かが論議されたのは、不幸だった
というほかない。大きな星、強い光に迷わされ、巨大地震・巨大津波は想定外
だったろうか。それに応える科学・技術の進化を待てなかったに過ぎない。
政治家も電力会社も「そこまでおカネをかけられない」と。そして、学者・
専門家でさえそうつぶやいた。速く速く。着工と完成を急いだ。
だが、いまや、出し惜しんでいた「そこまでのおカネ」を、際限なく注ぎこ
む。しかも活きるカネでなく、まったくの捨てガネを。 ∧ 川島正英 ∧
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「日光『食』の研究所」から・・・
散歩がてら、春の味覚として地元では馴染みの深い「ののひろ」を採ってきま
した。味噌を付けて食べると、お酒のおつまみとして最高の逸品になります。
http://nikkokekko.blog121.fc2.com/blog-entry-100.html
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クオリティライフから・・・
4月23日、「earth art cafe AOYAMA」が新店名「たまな食堂」に変わります。
ナチュラルフードを味わい学ぶ総合的なスタジオとしてリニューアルです。
http://earth-art-cafe.com/
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コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと>その47
~~~ 「自然の恵み」と「人為の巧み」
先週、「自然の恵み」のことをお話しました。ただ、私たちは「自然」に頼
り切るわけにはいきません。そもそも自然はとても厳しいのですから。
人間は長い間、自然を改変する「人為の巧み」を発揮してきました。だから
現在の快適な生活が成り立っていて、いまや純粋な自然児にはなれません。
今回の大災害と一連の事故は「巧み」だと思っていた「人為」が実はアヤフ
ヤなものだったことを私たちに思い知らせました。自然との折り合いをつけな
がら安心・安全を維持できるような本当の「人為の巧み」が必要です。
古くからの暦には、ご先祖様たちが実現しえた「人為の巧み」の範囲内で自
然とともに暮していく知恵が凝集されています。生活の質を高める共通の基盤
として、暦のあり方を再考し、スローでも人生を充実させていきたいものです。
コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 女川も石巻も
~~~
ある著名写真家から、1971年の女川原発反対集会を取材した写真をいただきま
した。ひしめくプラカードから漁民の声が聞こえてきます。40年前にこんなこ
とがあったんだ・・。少し前の石巻を撮った方の写真展にも行きました。閉鎖
した造船所、放置された漁船。産業構造の変化で一気に衰退したまち。いずれ
も震災があって初めて、今、真剣にこの地に目を向ける自分であります。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=101
■事務局から
△きょうの「さんか・さろん」は・・・LOCALIZATION-田舎に散ろうぜ
ゲスト・高坂勝さん。話題の『減速して生きる―ダウンシフターズ』著者。
オーガニック・バー「たまにはTSUKIでも眺めましょ」を営み、また田んぼ
で米を自給する「半農半X」人生を実践している。
最近の提唱は、テーマの「田舎に散ろうぜ!」で、“向村離都への主張。
大震災の直後に訪ねた被災地の様子も含め、人生哲学を語っていただく。
推薦者は、会場を提供してくださっているクオリティ㈱社長の浦聖治さん。

○日 時……きょう19日。19時~20時30分(受付開始18時40分)
○場 所……平河町Mercury Room(千代田区平河町1-4-5平和第一ビル6階
クオリティ㈱ 会議室)
○主 催……スローライフ学会
○参加費……会員1000円、一般2000円。(学生500円)
※終了後、希望者で簡単な懇親会。会場は、当日お知らせ。
申込みがまだな方もどうぞ・・。急いでNPOスローライフ・ジャパンへ。
電話 03-5312-4141(または090-7433-1741野口まで)

△筑紫哲也賞「作文コンクール/神話・民話を読み継ぐ」の入賞作品集をネット
上(e-book)で公開中!
◆「上巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol1/flipviewerxpress.html
◆「下巻」→ http://www.slowlife-japan.jp/web_vol2/flipviewerxpress.html
△スローライフ学会へのお誘い
スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが運営する学会(学長・
神野直彦、会長・増田寛也)です。
スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、全国で
スローライフなまちづくりをすすめる皆さんとのつながりでもあります。
年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」
などで交流したりできます。「学会便り」や、各種ご案内もお届けします。
また、学会申し込みはこちらから↓
http://www.slowlife-japan.jp/modules/liaise/index.php?form_id=5
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■いつも応援していただき、ありがとうございます。
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
http://www.quality.co.jp/
アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
http://www.edi.ne.jp/
株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/
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最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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