奈良県南部で、スローライフによるむらづくりスタート。


奈良県南部の川上村と下北山村で、「スローライフによるむらづくり事業」の意見交換会が行われました。当NPOからは、川島正英理事長、野口智子事務局長、事務局の篠原伊佐武が参加、奈良県南部振興課の方々と村の方々と
話し合いました。

川上村は吉野川源流の村、かけがえのない水と森を守り育てていこうと1996年「川上宣言」し、下流をいつも意識して暮らす、川上の暮らしを目指しています。
「森と水の源流館」で自然教育の様々なメニューが実践され、芸術家の活動も盛ん、公が運営するわが国唯一の政府登録国際観光旅館、村の迎賓館のような「ホテル杉の湯」の存在には驚きました。
木工アーチスト、書・篆刻家、伝統菓子を作る女性グループ、かまどのある文化財のような宿を守る女将さんなどと出会いました。
外から見ると個性的で闊達なむらの印象でしたが、それなりに林業の不振や、村人の交流の不足、過疎、など悩みは尽きず・・です。
「久しぶりにたくさんの人と話した」「季節ごとの行事のしつらえや食べ物を楽しんでいます」「今日、皆さんと話して元気をもらいました」こんな意見が印象的でした。

下北山村は「きなりの郷」のキャッチフレーズを掲げる村。生成りの布、などと使われる“きなり”のことばどおり、
飾り気のない本物を目指そうという土地です。
吉野山地の東南部、近いところでは20分で海が眺められるところだけあって、暖かく明るい印象。多目的グランドを中心にキャンプ場・コテージもある19万㎡の「下北山スポーツ公園」はなかなかの迫力です。
「春まな」という名の、地域野菜がありこの野菜を核に村おこしをしようとしている方。謎の動物?ツチノコを追うNPOの方。創作飾り割り箸を製造する方など様々な方から意見をいただきました。
一見、昔からのスローライフが残る村に見えても、「以前に比べて人情は薄く、伝統の味も薄れてきた」「とにかく林業が壊滅的」などのお話もいただきました。
今回は国道169号線より。これからは168号線沿いの昨年の台風被害のひどかったところも含め、「スローライフのむらづくり」のお手伝いにおうかがいする予定です。奈良県南部で「スローライフのむら」を育てていきましょう。
※写真一番上は川上村「森と水の源流館」からの眺め。下は下北山村の「春まな」アイスクリームと漬物のお寿司。