瓦版2014.7.8第216号

週刊スローライフ瓦版 (2014.7.8 第216号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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夏休みが間近かに。映画ラッシュの季節でもあり。わがNPOの7月「さんか
・さろん」も、浦聖冶さんの映画化談義です。和歌山県串本町で起きたトルコ
軍艦の遭難救助から始まる「日本・トルコ友好物語」。(詳細は「便り」に)
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コラム<火曜日の鐘> 川島英樹(せたがや文化財団)
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無駄な抵抗

ちょうど1週間前。ぼくたち国民の安全と平和のために、我らが政府は、永
年みんなが大切にしてきた考え方を変えた。あんまり有難いので、閣議決定の
前後1時間半くらい、首相官邸前に「余計なお世話だ」と言いに行って来た。
車道には出ないように並ぶので、狭い歩道はぎっしり。いろいろな人がいる。
前の方は、昔ながらのノボリを掲げ叫ぶ伝統的スタイルが多いが、後ろに行く
につれ、小さい手書きのボードが増えてくる。ベビーカーや車椅子の人、楽器
を演奏する人、飲食する人や静かに読書する人もいる。目立つのは年配の人の
多さ。腰を下ろして、のんびりの人も多々。つまり、ごく普通の人たちである。
ぼくが並んでいた辺りからでは、官邸の姿形も見えないし、何が起っている
のかまったく分からない。首相の会見が始まったのもスマホで知ったくらい。
それでも、後ろに列は伸びていく。会社帰りのスーツ姿も目立ってきた。
みんな、こうして並んでいることが無駄な抵抗であることは承知している。
しかし同時に、無駄でも抵抗しなきゃいけないことも承知している。 この人た
ちは、平和を望み、戦争をしないだろう。
平和憲法は大事だが、それ以上に平和であることが大事だ。憲法に頼るだけ
でなく、ひとりひとり、そして、みんなで考えていきましょう。政府の行為に
よって再び戦争の惨禍が起ることのないように。
学会コラム<緑と絆の木陰>
坪井ゆづる (朝日新聞東北復興取材センター長・仙台総局長)

「新しい東北」って、何だ

政府が6月末にまとめた「骨太の方針」に「聖域なき歳出削減」などととも
に、震災復興について「原状復帰にとどめず、未来社会としての『新しい東北』
をつくる」という一文が入っている。
「新しい東北」は1年前、政府の復興構想委員会が用いた表現で、「活力あ
る超高齢社会」「持続可能なエネルギー社会」などを掲げた。今回はその具体
策として、温泉熱利用の植物工場(福島・土湯)、次世代型地域包括ケアの推
進(宮城・石巻)などが示された。
だが、どうにも解せない。「新しい東北」というからには「古い東北」があ
ったはずだ。それは過疎高齢化が止まらず、さびれていく地域なのか。ならば、
その「古い東北」をつくったのは、いまの自民党政治や霞が関の施策ではなか
ったのか。その反省もなく、根本的な施策の転換もないまま、言葉だけ「新し
い東北」を言い立てているようにしか見えない。
復興の現場では「人よりコンクリート」の公共事業を優先させ、原発を輸出
し、再稼働をひたすら急ぐ。おまけに「最後は金目でしょ」なんておっしゃる
大臣もいる政権に、「新しい東北」は、つくれまい。
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【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej
北海道下川町「北海道モミ エッセンシャルオイル」。トドマツの間伐枝葉を
蒸留し採れた精油です。林業からの副産物、一滴で室内に居ながら森林浴が。
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■街角から畦道から
渡辺 均(長野県小海町八峰村 株式会社総合市場研究所)
人口減少は凌げるのではないか
長野県川上村は、「人口増加の村」です。高原野菜の大産地として頑張って
います。しかし、この村のすごいことは、進取の気鋭に満ちていることです。
村長(全国町村会長です)は、大産地の高原野菜栽培に勢いがあるうちに、
次世代産業として農業の新しい業態創造を試行していることです。
私の試みる広域の農産物直売所間連携事業(この欄でも紹介させて頂きまし
た)も、その一環として考えております。
新しい試みに賛同し、まずはやってみよう、という意欲が、私を後押しして
くれています。私の住む小海町は間もなく川上村に人口で追いつかれ、追い
抜かれます。町村の人口減少は、経済・社会の構造的な問題であることは否
めませんが、取り組み如何では、何とか凌げる方法もあるのではないか、と
も思っています。その基本は、進取の気鋭であり、それを支える住民の民力
にかかっているようにも思われます。
■まち・むらニュース
・長野県池田町 第8回てるてる坊主アート展の作品募集中
童謡「てるてる坊主」を作詞した浅原鏡村の出身地・池田町であることから始
められたアート展。全国から寄せられたてるてる坊主が、北アルプスを望む北
安曇野の広場で、風にゆれる。昨年の作品の最年少は3歳、最年長は97歳。
会期:8月22日~24日
会場:あづみ野池田クラフトパーク(JR大糸線穂高駅下車、バス15分)
主催:てるてる坊主アート展実行委員会
第1次応募締切は7月31日(応募特典付)、最終締切は8月8日
応募・問合せ:池田町観光協会(〒399-8601 長野県池田町大字池田4169-3、
TEL0261-62-9197) http://www.ikeda-kanko.jp/img/art2014.pdf
・三重県菅島町 「しろんご祭」
数百年前から受け継がれてきた海女の祭りで、島の守護神である白髭大明神を
奉り、大漁・豊漁と海の安全を祈願する。普段は禁漁区の白浜に、島中の海女
が集まり、ほら貝の合図で一斉に雌雄一対のアワビ(まねき鮑)獲りを競う。
一番に獲った海女がその年の海女頭となり、まねき鮑は白髭神社に奉納される。
開催日:7月12日(土)
場所:菅島町しろんご浜(鳥羽マリンターミナルから市営定期船「菅島」下船)
主催:菅島町内会祭典実行委員会
問合せ:菅島旅館組合 TEL 0599-34-2231
コラム<象さんの散歩> 「ごきげんよう」牽牛さん、織女さん

きのう、この瓦版が始まって5回目の七夕を迎えた。この欄で、七夕随想を
書くのは4回目となる。読み返すと、わがマンションのフロントの七夕飾りを
採りあげ、同工異曲の話ではある。私が近くの雑木林から2mほどの笹を伐り
だし、妻・宏子が壺に入れて整え、早くから五色の短冊とペンを用意しておく。
ことしも牽牛と織女にお目にかかれず残念だったが、80枚余りもの願いごと
が吊るされていた。「ぴあにすとになりたい」「水泳のテストがAに」「右足
でシュートが上手に」「人の前でもうまく話せますように」などなど。「司法
試験に・・」「視聴率を・・」「ゴルフが100未満」といった具体的な望みも。
「家族みんなが元気に」や「子供たちがすくすくと」は定番である。
以前は「ライオンズがぎゃくてんゆうしょう・・」とあったかなと思うのが
「ライオンズがミラクル逆転優勝するように せめて3位に入れるように」と
なってきた。「だいどうげいにんに・・」が「大道芸人に・・」と。同じ坊や
が志を変えずにいるな、いや大変な成長ぶりだな。うれしくなる。
宏子は「憲法を大切に・・」「東北復興を絶対に願って・・」と書く。私は
いつも同じく「ゆっくり ゆったり ゆたかに」「いまこそスローライフで」
にとどめた。が、NHKの朝ドラで人気の「ごきげんよう」の一枚を加えたが大当
たり。同じことばの短冊がいくつか吊り下がって、顔の絵や飾り模様を描き加
えたものも登場した。ことしの流行語大賞かな・・ ∨ 川島正英 ∧
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「奈良県十津川村」から・・・
「十津川に移り住みたいなあ~」という方、こちらに詳しい情報や補助金が
載っています。 移住相談ワンストップ窓口も。電話:0746-62-0001(内線218)
http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/contents/1402271832603/index.html
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 愛しの「まめぶ」
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「あまちゃん」ロケ地・岩手県久慈市で、郷土食「まめぶ」を食べてきました。
黒砂糖とクルミ入りの小麦粉団子が、具沢山の汁に入った料理。市全域ではな
く、山側の山形地区のもの。さらに特色は細分化し、砂糖が入らない、イモで
甘みをだす、とろみがつく、塩味、などなど地区ごとで皆さん強いこだわりが。
我が家の「まめぶ」話は尽きません、それほど愛されている「まめぶ」でした。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=269
■編集室便り
<編集室だより>
□ 7月15日さんか・さろんは、浦聖冶さんの登場
「エルトゥールル号」の映画化によって
日本・トルコの友好物語を見直す

エルトゥールル号遭難事件。1890年の一夜、軍艦エルトゥールルが和歌山県
串本町沖にの海上で遭難して500名以上の犠牲者を出した。村民の献身的な
救難活動が、日本とトルコの友好の始まりとなった。
エルトゥールルの残骸は、いまも大島沖の海底に眠り、数カ国の水中考古学
の調査団は海中の調査を進めていてる。
一方で、1985年、イラン・イラク戦争真っ只中、テヘラのン空港に取り残さ
れた日本人をトルコ航空機が救出してくれる感動の場面があった。
二つのエピソードは「民族を超えた相互協力の精神を物語っている。より多
くの人に知ってもらいたい。それによって連帯と平和への想いを醸成、また
日本国とトルコ共和国の友好を育み、世界平和に資する」と考えて設立され
たのが「特定非営利活動法人エルトゥールルが世界を救う」である。
2012年6月に和歌山市でスタート、日本・トルコの素晴らしい友好の物語を
映画化するプロジェクトが進行中です。
○と き・・・7月15日(火) 19時~21時
○会 場・・・クオリティKK・会議室マーキュリールーム
(千代田区麹町3丁目3 KDX麹町ビル6階)
http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html
地下鉄麹町駅の近く。
新宿通りに面して麹町4丁目交差点から半蔵門寄り徒歩1分。
(「成城石井」のビル左隣りの建物6階)
○講 師・・・NPO「エルトゥールルは世界を救う」理事長 浦 聖治
浦聖冶さん: 毎月のさんか・さろんの会場を提供してもらっている
クオリティグループのCEO。
一般社団法人日本コンピュータシステム販売店協会(JCSSA)理事、
一般社団法人日本ナチュラル・フード協会 代表理事など多忙。
わがNPOスローライフ・ジャパン 理事も。
○主 催・・・スローライフ学会
○参加費・・・会員1000円、一般2000円(学生500円、講師紹介1000円)
○申込み・・・7月14日(月)までにご一報ください。
メール
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
090-7433-1741(事務局:野口携帯)
□日本記者クラブ「人口減少問題」研究会で、
第2回は“歴史人口学の視点から。

研究会の第1回目は『ストップ「人口急減社会」』と題して増田寛也さんが。
7月3日は、上智大学・鬼頭 宏さんが、専門の歴史人口学の視点からこの問題
を語りました。
「社会が豊かになると子どもの生存率が上がり、多産は不必要になる。いま急
に人口減少が起きたのではなく、歴史上何度も同じような波を繰り返してきた。
1974年、日本人口会議が開かれ、“限りある資源、人口は抑制を”と訴えた。
マスコミは“子どもは二人まで”と訴え、オイルショックと繋がって子どもを
減らそうという気運が高まった。この時の政府の責任は重い。
今回の人口問題については、国の形を変える、次の文明の仕組みを創るぐらい
の気でやらないとダメ。多様なライフコースを前提に考えるべきだ。
江戸時代、人が土地から離れることがなかったが、その中で藩や農民が地域の
資源の付加価値を高めて工業化している。今、地方の人が減っているのは働く
場がないとされるが、必要なのは企業誘致ではない。
そこにある地域資源を使って生産物をつくり、そこでしかできないことをしな
くては。江戸時代は地方の町が成長し、農村の人口が増えている。皆が農村に
住まなくてもいい。地方都市に住み、田舎と行き来すれば。
それには“新しい富の概念”が必要だろう。アベノミクスのような経済成長で
はなく、環境や人の繋がりが豊かであること、といったことだ。」
それこそがスローライフだ、と思いました。(事務局・野口智子)

●新しい年度、平成26年度の会費をお願いします。
新しい会員も募集しています。お誘いあわせてどうぞよろしく。
スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会
(学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)
です。スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、
全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。

年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」
などで交流したり。会費は下記の口座へお振り込みください。
【振込先】
ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会
三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会
※このスローライフ瓦版は、会員以外の方にもお送りしています。
これからもお気軽にお付き合いください。
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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
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