瓦版2015.9.15 第277号

いよいよ、きょう15日は、楽しい「さんか・さろん」のプログラム。映画

『水と風と生きものと?中村桂子 生命誌を紡ぐ』を鑑賞、作者のお話を

聴く。会場は東中野です。席に若干の余裕あり。詳細は編集室便りで・・。


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コラム<火曜日の鐘> 早野透(桜美林大学教授)

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鬼怒川の氾濫に想う



テレビから、鬼怒川の氾濫の映像が届く。自衛隊のヘリが助けを待つ人を救

い出す。常総市で25人不明! 雨とは、かくも恐ろしいものか。

思い出すのは、私が新聞記者になって岐阜支局に赴任したばかり、1968年8

月に起きた飛騨川バス転落事故だ。台風崩れの大雨のさなか、愛知のバス会社

が催した乗鞍観光ツアーが土砂崩れに遭ってバス2台が川底に落ち、104人が

死んだ。

その夜、わたしは東京から遊びにきていた友人を放り出して、現地に向かっ

た。毎日毎日、飛騨川を流れ来る、崩れた遺体を確かめて記事を書いた。

その9年前には、伊勢湾台風で5098人が死んだ。わたしはその後、政治記者

になってしまって、こうした災害取材はしないが、自然の恐ろしさが心に焼き

つく。国と国の紛争とか民族の争いとか、ばかなことだ。スローライフは平和

思想だ。大自然のなかの小さな人間、おたがい助け合って生きていこうね。



学会コラム<緑と絆の木陰>


     神野直彦(東京大学名誉教授) 愛なき社会



東京家政大学の樋口恵子先生は、現在の日本社会を「ファミレス社会」と特

徴づけている。ファミリー・レストランをもじった「ファミレス社会」とは、

家族のいない人の多い社会という意味である。日本社会の共同体的人間関係は、

家族中心主義だといわれてきた。つまり、隣人と友人などの関係に比べて、家

族という血縁関係のウェイトが大きな社会だと特徴づけられていたのである。

ところが、この20年間に国際的にみても、驚くべき速度で日本の家族関係が

希薄化してしまった。そもそもファミリーとは食事を同じくする者という意味

であり、ローマの奴隷にすら、家族が食事を同じくする権利は認められていた。

しかし、現在の日本では家族が食事を同じくしている光景を目にすることは少

なくなっている。

隣人や友人などとの関係が強くはない日本社会が、「ファミレス社会」にな

ると、たちまち人間と人間の絆のない「無縁社会」となってしまう。その象徴

が「孤独死」である。明治学院大学の河合克義教授の話によると、フランスの

共同研究者は、フランスならば用意周到に準備された自殺以外には考えられな

いと、「孤独死」という寂しい現象に驚いていたという。

「ファミレス社会」にしろ「無縁社会」にしろ、それは「愛なき社会」の別

名にすぎない。幼き頃を追憶すると、愛に抱かれた社会に育てられた幸せに心

が熱くなる。夢多き青春時代に、ビートルズの「愛は金では買えない」という

メロディーが流れていたことを想い起こしながら、愛に抱かれていた「失われ

た時」を懐かしんで目を閉じた。



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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

 鹿児島県指宿市「SUB SOUP茶節」。鰹節と味噌に熱い緑茶を注ぐ茶節。薩摩

 半島南部の昔からの郷土料理が、より手軽にスープ感覚で楽しめます。

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■街角から畦道から


竹内 義昭 カズコさん(28)



カズコさんが変顔になると、機嫌が悪くなる前兆だ。急に黙り込んで、口を

への字に結ぶ。入れ歯を外しているときは、漫画によく出てくるイジワル婆さ

んそっくりになる。こんな場合にうっかり声をかけるとこじれて手に負えなく

なるので、できるだけ知らぬ顔を装うことにしている。

頃合いを見計らって「甘いもの食べる?」とまんじゅうやケーキを持ち出す。

にっこりして「いただきます」と応じてくれば、一安心。普通の会話が成立す

るようになるからだ。若い頃から甘いものが人一倍好きだったので、古い記憶

で反応するのだろう。

子供だましならぬババさんだましのようで気が引けるのだが、“成功率”は

かなり高い。



■まち・むらニュース


・青森県田舎館村 田んぼアート


“自然が育てる緻密なアート”として海外メディアからも注目の田んぼアート。

7種の色の異なる稲を絵具代わりに田んぼに絵を描く。今年の図柄は、「風と

共に去りぬ」と「スターウォーズ フォースの覚醒」。9月下旬に稲刈り体験

ツアーが開かれる。

会期:?10月12日 9時?17時

会場:田舎館村役場庁舎東側水田・道の駅いなかだて「弥生の里」

料金:大人200円、子ども(小学生)100円

問合せ:田舎館村企画観光課商工観光係 TEL0172-58-2111

http://www.aptinet.jp/Detail_display_00000739.html



・福島県会津若松市 会津まつり


鶴ヶ城本丸で出陣式の後、武者姿の総勢500人による「会津藩公行列」が市内を

練り歩く。各所で奴隊の毛槍も披露される時代絵巻。行列に先立ち、藩の先人

に感謝し、戊申の役で亡くなった藩士の慰霊と鎮魂の式典が行われる。

日時:9月23日(水・祝)9:25?16:00

会場:鶴ヶ城本丸、神明通り、中央通りなど市内一円

問合せ:会津まつり協会 TEL0242-23-4141

http://www.aizukanko.com/event/95/



コラム<象さんの散歩> 戦後70年ー『あの時 子どもだった・・』


8月15日を前後して安倍首相の「談話」と天皇の「おことば」があり、私は

この欄で採りあげた。わが国の歴史の大きな節目といえる「戦後70年」。その

見出しをつけて、きょうも書きたい。私の早稲田大学の4年間の友・高森二夫

君が『あの時 子どもだった わたしたちは・・戦後70年 語り継ぐ戦争・・

流山からのメッセージ』という本をおくってきてくれた。

370頁の立派な本。100編近い思い出話や聞き書きが並ぶ。タイトルそのまま、

少年少女時代を戦争に奪われた、いま流山市で暮らす市民の人たちが、後世に

伝えたい平和への思いを集めた。市民団体がまとめた貴重な作品である。

高森君は書いている。「空襲、疎開・あのころのこと」・・学童疎開で東京

から草津へ、東京へ戻り空襲で家が焼失、家族で長野へ、そして終戦、父は、

「千葉へ帰るしかない」とつぶやいた・・という物語を。わが世代は同じ地獄

を見てきた。高森君のペンは淡々、でも緊張感を呼んですばらしい。

この本でもう一つ採りあげたい。88歳の女性の物語。戦中はご他聞にもれず

女工さんだった。戦後に麻布の洋服店に勤めた。シャンソン歌手の石井好子さ

んの家に近く、英、仏大使館から注文があると、好子さんに通訳を引き受けて

もらった、という話を読んで、石井光次郎、石井好子さんが懐かしく思い出さ

れた。話が戦争に及ぶと涙を誘われる。男兄弟は三人。三人とも兵役検査は、

甲・乙・丙の丙種で出征は遅れたが、みんな戦死した。

長兄は、結婚式をあげた翌日に出征、そのまま帰らず。88歳の女性は、その

お嫁さんと二人暮らしで、いまに至る。重い「思い出」・・ ∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

有名な「谷瀬の吊り橋」を渡った先、谷瀬集落を散策する「ゆっくり散歩道」

の途中に9月21日「こやすば」がテストオープンします。地元でちょっと休む

場所という意味。空き家活用の休憩所にお立ち寄りを。問合せは観光振興課へ。

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 雲仙のご馳走

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10月31日と11月1日に、私たちNPOと学会がお手伝いしてフォーラムを開催

する雲仙市。打ち合わせにうかがった1泊2日、あらゆるものを美味しくいた

だきました。こだわりのフレンチから、素朴な地元のスイーツまで。海と山の

幸に恵まれて、それを使いこなす人がいる、だからこんな多様な味があるので

しょう。棚田米のおにぎりを楽しみに、この秋、雲仙へ!。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=329



■編集室便り


◇今日15日の「さんか・さろん」は



映画「水と風と生きものと?中村桂子・生命誌を紡ぐ」

  http://tsumugu.brh.co.jp/

を鑑賞し、中村桂子さん(JT生命誌生命誌研究館館長)の講話

をうかがいます。


わが学会副会長・中村桂子さんの渾身の映画作品の東京公開に

合わせて、わが「さんか・さろん」のテーマとして採りあげ、

語り合うよう企画しています。


詳しくはこちらから

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=282



映画館が「ポレポレ東中野」であり、「さろん」もいつもと違

う雰囲気となります。ご理解、ご協力のほどよろしく。


  ・日時:9月15日(火) 映画:18時から さろん:20時から

・場所:ミニシアター「ポレポレ東中野」

  http://www.mmjp.or.jp/pole2/

東京都中野区東中野4-4-1 ポレポレ坐ビルB1F

電話03-3371-0088 (東中野駅西口から徒歩約1分)

 

映画終了後、別会場で中村さんの講話となります。

  ・ 映画鑑賞費(中村桂子さんに招待いただきました)

  「さんか・さろん」参加費

  (スローライフ学会会員500円・一般1000円)


お申し込みはお早目にどうぞ。


・申込み: 参加ご希望の方はスローライフ・ジャパンまで。

  メール

TEL 03-5312-4141  FAX 03-5312-4554

☆きょう15日の連絡は、川島(090-8042-0589)へ。


なおこの映画『水と風と生きものと?中村桂子・生命誌を紡ぐ』は

東京を出発に名古屋、大阪、神戸、仙台、札幌など8都市で上映が

予定されています。

 


◇10月31日・11月1日、その雲仙でフォーラム!


8月の「さんか・さろん」で、雲仙市政策企画課の松下 隆さんから

この秋のフォーラムへ向けて、雲仙を紹介し、地方創生についての

お話をいただきました。

詳細はあらためてこの場でお知らせします。

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=280

 



◇住所表示が変わりました、お間違えなきよう。


私たちの事務所の住所表示が、この夏、変わりました。

  (旧)〒160?0002 東京都新宿区坂町21 リカビル301



(新)〒160?0002 東京都新宿区四谷坂町9?4 リカビル301

  “四谷坂町9?4”のところだけが新しい表示です。よろしくお願いします。



◇スローライフ・ジャパンへのメールを送るときのお願い。



このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい

ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会、この瓦版への投稿などは

こちらまでお願いします。↓



□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:インターネットを見ていたら、「コンピューターに問題があります」とい

う見慣れない画面が出てきました。また、「コンピューターがウイルスに感染

している可能性があります」という画面が出るときもあります。こわくて画面

を閉じているんですが、大丈夫でしょうか。 <編集室:野口智子>



A:インターネットの画面で表示された場合は、対策ソフトをダウンロードす

るよう促されますが、実はそのソフトがウイルスだったりします。見慣れない

画面だった場合は、何もせずその画面を一旦閉じて、お使いのセキュリティソ

フトを開き、スキャンを行うことをお勧めします。



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クオリティライフから・・・

アロマと美容をテーマに中医学で使用する精油(エッセンシャルオイル)の

香り比べを体験していただく講座。9月30日または10月3日、10時から。

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

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クオリティ株式会社

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アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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