瓦版2015.11.17 第286号

最近また暗いニュースが多い。新宿・歌舞伎町が、ちらつくことも。この街に

「ルネッサンスを」と、わが学会・NPOが筑紫哲也とともに取り組んだ時代が

あった。多様な新宿をきょうの「さんか・さろん」で。(詳細は編集室便りに)


・・・・・



コラム<火曜日の鐘> 丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)

~~~

「ひとり親・ひとり子」


日々多くの高齢者とその家族に接していて、しだいに気になっているのが、

「ひとり親とひとり子」の家族形態です。注意を向けるべき新しい問題が誕生

しつつあるのかもしれません。

子が男の場合、より深刻です。40-60歳代、男盛りに職を失い、家族と離れ、

親もとに転げこむ。頼みは親の年金と貯蓄です。家事が苦手。介護もおろそか

になりがちなのに、親のすねは離さない。「老親依存」のスタイルがひそかに

定着しつつあります。再起を図ろうにも、仕事がない。その気にもならない。

再チャレンジのかけ声は、遠くにかすむかげろうのようなものです。

このままでは「根」が1本1本枯れるように地域が傾いていく。そんな予感

を抱いて身震いすることがあります。高齢者の幸福を追求すると、子の世代に

まで目を向けていかなければならない。

それも社会福祉法人の務めに入ってきたのでしょう。手探りながら前進して

いこうと思っています。



学会コラム<緑と絆の木陰> 増田寛也(野村総合研究所顧問)


18歳選挙権


出張で行った大阪は、ダブル選挙の真最中で、相変わらず大阪都構想の是非

などが争点となっている。ところで4年後の知事、市長選は18歳以上が有権者

となる。まだ確定ではないが、早ければ来年の参院選からは18歳選挙権が実現

する。

わが国では政治家が高齢者の方にばかり顔を向けるので「シルバー民主主義」

とも言われている。これを変えないと少子化対策などの充実は図れないが、18

才選挙権はその第一歩となる。

もちろん、これだけでは「シルバー民主主義」は変えることはできないが、

若年層の高投票率が実現すれば、日本の政治や政策の優先順位が変化するだろ

う。そのためには積極的な「主権者教育」が重要である。教育現場は萎縮する

必要はない。政治的に際どい問題こそ積極的に取り上げてじっくりと討論する

ことが、生の政治に関心を寄せるきっかけとなる。

民主主義とは自分の意見と異なる意見にもきちんと耳を傾け、議論を通して

合意形成を図ることであろう。それだけに手間も時間もかかる。下から合意を

積み上げていくプロセスが重要であり、実にスローな仕組みである。

主権者教育はこのような民主主義の考え方をしっかりと学ぶ場であり、若い

世代だけではなく、実は、全世代に渡って必要とされることだろう。



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■街角から畦道から


竹内 義昭 カズコさん(37)


カズコさんが入った特養は、我々の自宅から歩いて10分という近場にある。

どんな暮らしぶりなのか気になって、妻と交代で毎日のように様子を見に行っ

ている。

昼や夕方の食事時に訪問することにしている。1階の食堂には女性の入所者

約20人が食事が運ばれてくるのをじーっと待っている。1つのテーブルに4人

ずつ座っているが、皆、無表情で会話がないのが不気味だ。突っ伏して眠って

いる人もいる。

カズコさんも車イスに座ったままで窓の外を眺めていることが多い。私を認

めると「あら、どうしたの?」と反応するから、まだ正常な方だ。介助の職員

は3、4人しかいないので、私たちが世話をすることになる。



飯田陽子(北九州市 スローライフ学会会員) ・・雲仙爆買い・・


雲仙フォーラム1日目は第2分科会「逸品・じげもん」に参加させていただき

ました。熱く語り合う参加者の目の前に置かれていたのは、カラフルな地元の

海山の産物。それは千々石の会場に入る直前にお隣の直売所で見てあれもこれ

も欲しい!と思った雲仙のじげもんたちです。とたん、嬉しくなり私の緊張も

ほぐしてくれました。

翌日に爆買い(笑)。食べたこともないドラゴンフルーツや洒落たレストラン

でひらりと一枚だけのってるようなサラダ大根や大きな肉厚のカラーピーマン、

季節はずれのスナップエンドウ、あけびのようなグベ(ムベ)がゴロゴロ。こ

ういうお買い物も女子旅の楽しみ。車でクーラーボックスを積んで来た甲斐が

ありました。羨ましいでしょう?

煮しめ用鯨ではじゃがいもを炊きました。これが初めての出会いなのに懐かし

く美味しかった。雲仙じげもんの美味しい話は尽きません。

「爆買い」と言ってもお値段はカワイイものです。レシートを見ると「1億人

の胃袋」と書いてあります。胃袋の形をした半島から締め出されたら生きてい

けない。そんなことにならないよう雲仙から目が放せません、これからも。



■まち・むらニュース


・愛知県名古屋市 「国宝源氏物語絵巻」全点一挙公開


12世紀前半につくられたとされる国宝「源氏物語絵巻」は『源氏物語』を絵画

化した現存最古の違例。収蔵する徳川美術館開館80周年記念特別展として全点

が一挙に公開される。

会期:11月14日(土)?12月6日(日)10:00?17:00

会場:徳川美術館(名古屋市東区徳川町)TEL052-935-6262

観覧料:一般1200円、高大生700円、小中生500円

主催:徳川美術館、中日新聞、日本経済新聞

http://www.tokugawa-art-museum.jp/planning/h27/07/index.html



・大阪府道修町 少彦名神社「神農祭」


「神農さん」の名前で親しまれる少彦名(すくなひこ)神社は日本の薬の神様

「少彦名命」と、中国の医薬の神様「神農」をお祀りする神社。無病息災を願

っての病除け、張子の虎がついた笹が売られ、近年は製薬関連ゆるキャラパレ

ードも。大阪市の無形文化財に指定されている。

日時:11月22日(日)、23日(祝)9時?20時

場所:少彦名神社(大阪市中央区道修町、地下鉄堺筋線「北浜駅」)

問合せ:少彦名神社TEL06-6231-6958

http://www.sinnosan.jp/sinnousai.html



コラム<象さんの散歩> 雲仙と何がつながるか


“雲仙”から2週間。参加した人たちは、感慨いまだ冷めやらず、の様子。

とくに雲仙から「分科会とか夜なべ談義のような語らう場所が必要だ」「必ず

次の行動に移す」「協働の体制のきっかけができた気がします」などの感想が

送られてきてうれしい。先々週のこの欄で書いたが、もうひとこと・・。

雲仙の何をつなげていくか。分科会四つのアドバイザー役の考えは――。

第一分科会・早野透さん。10日の朝日新聞デジタル「新ポリティカにっぽん」

で、雲仙で語り合った農業に働く青年のスローライフを紹介していた。

第二分科会・野口智子さん。「雲仙じげもん研究会」など語り合いの場を設

けて、逸品を開発、人を磨く、外と交流、など具体的提案を「瓦版」に。

第三分科会・斎藤睦さん。「具体的なアクション」をという動きをとらえ、

この出会いの渦にこそフォーラムの意義があり、それが「創生である」と。

第四分科会・田嶋義介さん。さっそく具体行動に。佐々木座長とフォーラム

のあとの半日を共に過ごす。「エネルギーと食の自給自足を考えたい」。

さらなるつながりの予感。夜なべ談義で、金澤秀三郎市長が中村桂子さんの

制作した映画「水と風と生きものと―中村桂子・生命誌を紡ぐ」を絶賛しつつ

紹介した。私は、市長が上京時、わざわざ上映館を訪ねて鑑賞した話をあらか

じめ聞いていた。だから、中村桂子・生命誌映画をめぐる語り合いもスローラ

イフの次の雲仙フォーラムにつながるに違いない、と・・ ∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

「走ろう!“世界遺産の村” つかろう!“源泉かけ流し温泉”」のキャッチ

フレーズで、来年1月31日(日)開催の「十津川温泉郷昴の郷マラソン大会」

の参加者募集が始まりました。詳しくはこちらから↓

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 藁の家

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藁で建てた家というと『三匹の子豚』の童話を思い出します。童話ではオオカ

ミに吹き飛ばされてしまいますが、藁を固めた大きな建材を積み、周囲を土壁

で塗り固めるとかなり強く、普通の家として暮らせるようです。“ストローベ

イルハウス”という名の環境にやさしい、自分で建てられる家。和歌山県日高

川町のあるご夫婦が建築中の、その作業を体験させていただきました。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=338



■編集室便り


◇きょう17日の「さんか・さろん」にぜひ――。


わがスローライフ学会・NPOにとって、いくつかの想いが重なる

「さろん」です。新宿前区長の中山弘子さんを囲んで・・・。



わがNPOは今世紀に活動を始めたが、新宿区とのつながりは深い。何より

設立総会は、新宿区にかまえる早稲田大学大隈講堂で開いた。第一回のスロー

ライフ学会フォーラムのテーマは「新宿・歌舞伎町からスローライフの風を」

であり、最初のワークショップは「スローライフスクール新宿」だった。

初代のスローライフ学会会長の筑紫哲也と川島とが、仲間と語らいつつ企画

したものだが、新宿大好き男の筑紫と川島の好みが反映したことは否めない。



そして、これら企画での筑紫哲也の役割は大きかった。設立総会で筑紫哲也

がNPOスローライフ・ジャパン創立記念講演。またワークショップを6回の

あと筑紫哲也の特別講演会を。

スローライフ学会フォーラムも筑紫哲也が登壇する手はずだったが、急に体

調を悪くして欠席の余儀なくなって・・。


これらの会合―大隈講堂での設立総会、ワークショップ、学会フォーラムに

参加いただいたのが、実は中山弘子新宿区長さんであった。

さらに、学会フォーラムで欠席した筑紫の代わりをつとめてもらった、増田

寛也さんとの対談のお相手は、そのまま中山弘子さんにお願いした。



そういったもろもろを、さらに新宿今昔を今日の「さんか・さろん」でお話

しいただく。<川島>


○日 時:平成27年11月17日(火)19:00?21:00

○会 場:クオリティKK・会議室マーキュリールーム

(千代田区麹町3―3KDX麹町ビル6F・最寄り駅―地下鉄麹町駅)

  http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html

○講師:中山弘子さん(前・新宿区区長)

○タイトル:「なおも新宿ルネッサンスをー」

○主 催:スローライフ学会・スローライフ・ジャパン

○参加費:会員1000円、一般2000円(学生500円)

  どなたでも参加できます。

○申込み:下記へ。当日参加もOKです。

  メール TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554


詳しくはこちら↓

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=289



◇瀧栄治郎さんにお祝いごと二つ



・京都府の「産業功労者表彰」の受賞

・日本テレネット((株))の創立30周年記念式典


NPOスローライフ・ジャパン理事の瀧栄治郎さん(日本テレネット(株)会長)

は、京都府の今年度の「産業功労者」に選ばれた。11人の受賞者の1人。10日、

京都府公館レセプションルームで、山田知事から表彰を受けた。



日本テレネット(株)は、今年、創立30周年を迎え、記念式典を京都市・宝ケ

池の国立京都国際会館で19日に開く準備を進めていたところであった。会社の

タクトを振り続けてきた瀧会長にとっては、まさに両手に花というところ。



◇早野 透さんが「雲仙フォーラム」を朝日新聞デジタルに書いた


わがNPO理事の早野 透さん(桜美林大学教授)。朝日新聞デジタルで担当

しているコラム「新ポリティカにっぽん」に、雲仙を採りあげた。(10日)。

見出しは「スローライフの平和から終わらない戦争まで」。

三つの話題について書いていて、まず、スローライフ学会で出かけた雲仙市

での市制10周年記念「雲仙の地方創生を語り合うフォーラム」について。アド

バイザーを務めた第一分科会の農村の青年たちとの懇談を紹介した。

そのあと、帰路、長崎市で平和公園、原爆資料館などをあらためて訪ねたこ

とを書き、パグウォッシュ会議を論じた。さらに帰京して大石芳野写真展「戦

争は終わっても終わらない」を観ての感想を述べている。



◇スローライフ・ジャパンへのメールを送るときのお願い。



このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい

ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。

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