9月の室礼。奈良・中宮寺「天寿国繍帳」の「月兎」と秋草。

9月、夜長月、徐々に夜が長くなり月が冴えてきます。

「春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり」(道元禅師)にも歌われているように、秋といえばお月様。日本は日々形をかえる月に、その呼び名を変えていきます。

今年の十五夜は10月1日。いつもより遅めです。ちなみに十三夜は10月29日です。

写真はこの時期の室礼(しつらい)。秋草の横にあるのは、奈良・中宮寺「天寿国繍帳」(日本最古の刺繍といわれます)の一隅にある「月兎」。兎はお餅を搗いているのではなく、薬草を搗いています。(作・文 丸山薫さん 「心葉」 主宰)