湯河原町で「旅コーディネーター養成講座」


神奈川県湯河原町は、温泉とミカンの町です。これまでも温泉観光地として知られてきましたが、地域資源を活かした新しい観光を育てようと昨年秋から「湯河原町観光戦略会議」が開催されています。これは今後の観光の方向性を検討するとともに、地域観光のメニューを町民自らが考えて商品化する、新しい観光を企画運営できる人を育てる、という具体的な目的も掲げています。当NPOはこの会議のコーディネートを受託して、町民の方々、町当局、さまざまな機関と連携しながら、協働の視点で観光まちづくりを育てつつあります。人材育成として講義3回・ワークショップ3回で構成する「旅コーディネーター養成講座」が大変おもしろく盛り上がっているのでご紹介しましょう。

1月25日(日)のワークショップは、湯河原の産物・柑橘類にもっと親しみ学び楽しもうというメニュー。町民の有志が内容を企画し、交渉し、段取りをして進行もする。学ぶために参加するのも同じ町民。「ミカンだけで1日楽しめるかな~?」という心配をよそに、充実の1日となりました。


まずは急な山の斜面を上り、ミカン農家を訪ねます。黄色い実がびっしりとなるミカン畑、「イノシシの被害が多い」「カラタチの木に接木して苗を育てる」「湯河原原産のミカンについて」など、関心しきりのお話です。ミカン貯蔵庫には温州ミカンがぎっしり、ここでしばらく置くとミカンの甘味が増すとのこと。「こういうミカン棚を観光客に見せてあげたい」と声が上がります。袋をかぶり大切に育つデコポンを収穫、これはスイーツ作りの材料です。



続いて柑橘スイーツ作り。オレンジの皮だけを削りプリンの材料に香りをつけます。デコポンの果肉にリキュールや砂糖を混ぜます。お砂糖を煮てカラメル作りも。女性より男性がとことん楽しそう!甘くて酸っぱい柑橘プディングができました。

スイーツをいただきながら最後に学んだのは、今出回っている柑橘類の特色。ミカン問屋さんが試食させてくれながら、違いを説明してくれます。たった数時間でみんなミカン博士になりました。ハウスで早くも既に咲いている温州ミカンの花。町民にとってはあたり前の香りですが、やっぱりすばらしいと確認。「この甘いすがすがしい香りをよその人に深呼吸させてあげたい」とみんなの意見。こんな積み重ねが湯河原の新しい観光メニューと人材を育てていきます。