瓦版2010.5.25第5号

週刊スローライフ瓦版 (2010.5.25 第5号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
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このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフジャ
パンと何かのご縁を頼りにお送りしております。
初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いいただけれ
ば幸いです。
コラム<火曜日の鐘> 山下 茂(明治大学大学院ガバナンス研究科教授)
~~~ 「ぬるーい温泉を!」

初登場から時節ハズレになりますが、温泉の話をします。小生、熱いお風呂
が苦手。自宅では四季を通じて38度前後のお湯で入浴します。それが温泉地で
は、たいてい源泉の熱さを誇りとし、ぬるい場合はボイラーを焚く。それで小
生は湯船に浸からず、かけ湯だけして終わり。なんともモッタイナーイ!
熱い温泉が好きな方が多い現状を否定はしません。でも、ぬるーいお湯に、
ゆったーり浸かって、のーんびりするのも、いいものだと思いませんか?ぬる
湯の後は麦酒も食事も美味しいし、心身ともに落ち着いて自然に眠れます。
小さくても、片隅でもいいから、ぬるい温泉を大切にしてほしい。ぬる湯に
は医学的にもあれこれ効能はあるはずです。スローな暮らしを愛好する皆さん
と、ぬるーい温泉の情報交換をし、その応援をしていきたいものです。
■街角から畦道から ————————————————–
いまどきの学生は・・・ 竹内義昭(ジャーナリスト)
ここ数年間、千葉県の私立大学で非常勤講師を務めている。新興国インドを
中心とした現代史講座で、今年の受講生は3、4年生の計76人。毎年、授業
の始めにアンケートに記入してもらっているのだが、いつものことながらが
く然とさせられた。
ニュースを何で知るか、との質問に、インターネットが約80%、テレビ40%。
新聞はわずかに10%弱で、それも毎日読むという学生は3人だけ。時代の流
れといえばそれまでだが、若者の活字離れは顕著だ。ニュースに関心を持っ
ているだけまし、とすべきなのか。やがて、授業もインターネットで十分、
なんてことになるのかもしれない。
90歳、一本釣り一筋の現役漁師の願い 田嶋義介(島根県立大学名誉教授)
「こまい魚を育てる工面を」-瀬戸内海の環境保全市民団体「環瀬戸内海会
議」の年次総会が愛媛県今治市の大島(宮窪町)で22日に開かれた。座談会
「瀬戸内のくらしと漁業」で一本釣り70年の村上千代春さん(90)は訴えた。
最盛期の高度成長期前と海が変わった。一斉に子を産んだ魚たちが今はいつ
までも子を産まなくなった、と嘆く。「釣り人はこまい魚は逃がしてほしい。
専業者が食えんようになっている」と切望していた。
絆を紡ぐ産衣 飯田陽子(福岡県北九州市)
苅田町の友人Kさんが、初孫に贈った産衣が実に感動もの! じじ・ばばは、
休耕田で初めて収穫した綿花を昔ながらの道具で種を除き、糸に紡ぎ布に織
るのは専門家に委ねたものの、仕立てはKさんの手縫い。まさに生成り色の
小さな産衣はふんわり軽く、でも甘やかしてないしっかりした綿の風合いで
す。小さな命が母親のお腹で育っていく間、自分たちは綿を種から育て産衣
になるまでの過程を楽しませてもらったと言うKさん夫妻。オーガニックが
流行る今、何年無農薬とかの定義など関係なく、どんな高級店にもない親子
の絆を紡いだホンモノのオーガニックコットンに触れさせてもらいました。
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学会コラム<緑と絆の木陰>
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神野直彦(東京大学名誉教授) 犬禁止・猫容認のスローライフ
大学はスローライフの場である。大学は真理を求めて、深く静かに熟慮する
場だからである。スローライフの場である大学には「犬禁止・猫容認の原則」
が確立されていなければならない。
イギリス人は犬が大好きである。しかし、ケンブリッジ大学では、創立以来、
犬を一度も大学に入れたことはない。それに対して猫は大手を振って大学構内
を闊歩することができる。それどころか学生達が、猫を試験なし、レポートな
しで大学の名誉ある構成員として認め、その名誉を讃える首輪をかけた得意顔
の猫の写真を送っていただいたことがある。
スローライフの場である大学が、「犬禁止・猫容認の原則」を厳守する必要
があるのは、疑い深い猫に対して、従順に人間の言うことを聞く犬は、大学の
精神に反するからである。「犬禁止・猫容認の原則」が確立されているからこ
そ、大学は常に権力者によって弾圧される。
私の勤務していた東京大学経済学部では、日中戦争期の1937年に矢内原
忠雄教授が平和主義者であるが故に大学を追放され、翌年には私が講座を引き
継いだ財政学の大内兵衛教授達が治安維持法違反で逮捕される。
スローライフの「さんか・さろん」で、先日、私の同級生でもある早野透君
を、大学へと送り出した。「犬禁止」どころか「犬歓迎」を掲げている日本の
大学で、権力に抗してきた早野君が苦労しなければと案じながら、スローにス
ローにと願うばかりである。
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「たかおか屋」から・・・
おにぎりの周りに巻くのは「のり」が多い中 なんと富山では
「昆布」を巻くのが常識?富山ならではの食文化、その実態とは、、、
http://www.takaokaya.jp/news/2010/05/21-111935.php
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■まち・むらニュース ————————————————
・福島県会津美里町 第9回炎の郷・向羽黒山城跡ふれあい茶会 5月30日
午前10時~午後3時。戦国武将葦名盛氏が築いた国指定史跡『向羽黒山城跡』
を含む白鳳山公園をはじめ、町なか公園などを会場として6席の野点茶席を
設けます。また、会津本郷焼・会津漆器・三島桐・昭和からむし織などの会
津伝統工芸品のPRも…。 谷澤貞倫(会津美里町職員)
http://misatono.jp/tag/%e3%81%b5%e3%82%8c%e3%81%82%e3%81%84%e8%8c%b6%e4%bc%9a
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コラム<象さんの散歩> 五月晴れの「母の花」- 金宝樹が満開
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五月晴れ。金宝樹の紅の花が燃えたつ季節である。この樹をご存知ですか。
オーストラリア原産で、塀ほどに高く、ブラシ状の花がにぎやかに咲く。母が
大好きだった。大阪・帝塚山の住まい近くの学校などへお裾分けした樹の下で、
珍しい花だと子どもたちが喜ぶこの季節を楽しみにしていた。
わが家の庭でも、五月晴れに、この樹が白い薔薇の花の樹と、背丈を競って
はなやぐ。明後27日は、母の祥月命日だが、いま、まさに満開なのだ。
余談。母は、春の金宝樹と対に、秋は「曼珠沙華」を好む。棚田の黄金の稲穂
を包むように誇るように、紅い旗の列がすばらしい、と。私も、花への好みは、
母ゆずり。「花はくれない」である。 ∧ 川島正英 ∧
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「日光『食』の研究所」から・・・
川は、イワナ・ヤマメなど渓流魚の宝庫です。シーズン中は、放流や釣り大会
なども開催され、連日多くの釣り人たちで賑わっております。本日は、イワナ
とヤマメを大量に頂戴しました。http://nikkokekko.blog121.fc2.com/
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コラム やまさかのぼる <暦と季節と暮らしと> その3
~~~ 「一週間」は何故7日なのですか?
スローライフには「旧暦」がお似合いだと洒落込もうとしても、今の私たちの
暮らし方は、世の中で広く用いられている種類の暦で枠を嵌められています。
我国の現行の公式暦は、ほとんどの欧米諸国と同じ新年年頭(歳首)から始まり、
通常の1年はお天道様との関係で365日。12ヶ月に区分けされ、ひと月の日数
には妙な順序で大小がある。365は12で割り切れないし、ちと変ですよ。
7日で「一週間」。この瓦版も火曜日ごとのお目見えで、筆者の執筆(かな
釘一刀流キー叩き)は毎7日間を睨んだ作業となる。でも、どうして「7日」
なのですか?指折り数えて10日ごとならもっと楽なのに・・? 昔の人が曜日
を7つ設定したのは、お月様が満ち欠ける変貌の区切りに近いことが真因と想
像します。その昔、お月様を基準にした暦が先に発明されたのだろうからです。
コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> ながいきストリート
~~~
新潟県加茂市、駅から延びる1キロちょっとの道には8つの商店街があります。
全体が「ながいきストリート」というニックネームです。アーケードの柱に駅
からの歩数を測った百歩標と小さな鏡をたくさんつけました。椅子もたくさん
置きました。高齢のお客様に、歩いて、きれいになって、座っておしゃべりし
てほしいという願いです。10年経ってこの商店街は健在。ながいきしています。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=51
■スローライフ便り・事務局からのお知らせ —————————–
△「さんか・さろん」特別版“早野透DAY、いい雰囲気で・・
スピーチは「講座・筑紫哲也研究」の試論をたっぷり一時間。筑紫哲也最後の
著作「若き友人たちへ」などを手がかりに、筑紫ジャーナリズムを築いてきた
人となりのゆたかさを強調した。聴講30人。好評だった。
パーティは、増田寛也さんの乾杯、坪井ゆづるさん司会で進行し、神野直彦・
大石芳野・斉藤睦さんらの「友に贈ることば」もさわやか。楽しかった。
遠く新潟、掛川、群馬県南牧からの客人や桜美林大学の学生さんの「さんか」、
それに福島瑞穂大臣の“闖入もあって、まさに特別版らしく・・。
△6月の「さんか・さろん」も特別企画で–
かねて「さんか・さろん」を地域でも・・とか、東京と地域の交流・懇親を、
という要望が出ていました。その最初の試み。「旅をゆく」「お出かけ」さろ
んが静岡県掛川で実現へ。理事の長谷川八重さんのお骨折り、また、NPO法
人スローライフ掛川のみなさんのおかげです。感謝いたします。
・日 時 6月15日(火)~16日(水)
・旅行地 静岡県掛川市
・ねらい スローライフの先進地であり、土とか樹を大切に考える
まちづくりで知られ、こころゆたかな人たちが集う地域
「さんか・さろん」らしい交流・懇親を。
・企画案 15日はお昼ごろ新幹線「掛川」駅に集合、希望に応じて
散策(すばらしいガイドさんつき)。
夕方からミニ講演―講師は2人
掛川―佐藤雄一さん「掛川型スローライフのデザイン」
東京―岡崎 真さん「Eブックをつくりませんか」
夜は、交流・懇親の夜なべ談義
16日は「サイクリング隊」(東京班班長・増田寛也さん)と
自由行動派に分かれ、それぞれに。
毎月の「さんか・さろん」とまったく同じで、どなたも参加自由です。
ぜひ、連絡ください。そして企画案にご意見を・・。
※この「さんか・さろん」は、毎月第三火曜日に開く参加と交流のサロン。
ビールとかソフトドリンクを片手に、スローライフにちなんだ二つのスピー
チから学びます。
△神野直彦著 『「分かち合い」の経済学』(岩波新書)
たちまちベストセラーに ~ スローライフ学会の神野直彦学長(東京大学名
誉教授)の最新の著作が、早くもベストセラーに。『二兎を得る経済学』とか
『「希望の島」への改革』、さらに『人間回復の経済学』と同じく、こころも
ちゆたかにさせてくれる政治・経済のスローライフ教科書です。
※先日、神野学長から『「分かち合い」の経済学』、著書10冊をスローライフ
学会へ寄贈していただきました。とりあえず、学会内の「筑紫哲也文庫」で
保管しております。
※この『「分かち合い」の経済学』・・ 詳しくはこちらもご覧ください。
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn1004/sin_k525.html
△スローライフ学会へのお誘い
スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが抱える学会です。
(学長・神野直彦、会長・増田寛也)学会といっても、楽しくわいわいとスロ
ーライフについて多分野から学び語り合う学会。また、全国でスローライフな
まちづくりを進める皆さんのつながりでもあります。年会費5000円。会員に
なってこの「瓦版」にぜひ記事を出してください。「さんか・さろん」などの
割引きもあります。「学会便り」や、各種ご案内もお届けします。また、学会
会員は自動的にNPOのサポート会員となります。申し込みはこちらから↓
http://www.slowlife-japan.jp/modules/liaise/index.php?form_id=5
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■いつも応援していただき、ありがとうございます。
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
http://www.quality.co.jp/
KDDI株式会社
http://www.kddi.com/
株式会社ダイイチ
http://www.co-daiichi.co.jp/boring.html
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最後までお読みくださって、ありがとうございました。
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