東京は油田になる。


7月の「さんか・さろん」ゲストは、㈱ユーズの染谷ゆみさん。「廃食油の回収・再生の仕組みを社会化し、資源循環型社会をつくりたい」というパンチのきいたお話に、元気をいっぱいいただきました。
「皆さんは揚げ物好きですか~?何が好き?」「鳥のから揚げ」「ポテトフライ」なんて、会場との会話からスタート。

紹介者は早野透さん(桜美林大学教授、NPOスローライフ・ジャパン理事、写真左手前。学生さんをたくさん連れてきてくれました。
染谷さんは、1993年になんと世界で初めて使用済み天ぷら油をバイオディーゼル燃料(VDF)に再生する技術を開発したそうです。

「使用済み天ぷら油は、飲食店から20万トン/年(全国)が、家庭からも同量が排出されています。飲食店分は産業廃棄物回収されますが、家庭の油の90%はゴミ。それらを一滴残らず集めて資源化し、2017年までに東京を油田に変えよう! と「TOKYO油田2017」を立ち上げました」

瓶に入った天ぷら油からできた燃料を嗅いでみます。なんとなくおいしそうな揚げ物のにおいが・・。

天ぷら油からロウソクを作る、楽しいワークショップもやっているそうです。
「油の回収ステーションは東京中心に130か所以上、油を持ってくる際に会話が生まれ、町の人たちのコミュニケーションの場にもなっています。VDFだけでは大した量ではないですが、太陽光、風車、地熱などの合わせ技でエネルギー転換していけるといいなと思います」と染谷さん。

染谷さんは若い頃、世界を放浪したとか。若い参加者からは生き方についての質問が。本当は苦労の連続だった染谷さんの20代、ユーモアたっぷりにアドバイスしてくださいました。

学会会員からは、VDF化への取組に積極的な自治体は?などの質問が出ました。
「TOKYOを油田に変えて油田王になりたい。オイルマネーではなくて、皆の心が通ったエコな油田を作りたいですね」と染谷さん。あの『TIME』誌の表紙を飾った笑顔は、自信にあふれていました。