瓦版2024.3.12第706号 中村桂子さんのコラム掲載

 新装第3弾の今回から、メールマガジンの体裁を試験的に変えてみました。これまでの1行35文字でなく、改行なしで流し込む形です。この方がスマホでは圧倒的に見やすいというのが理由です。パソコンの大型画面でご覧の読者は画面を読みやすい適当な幅に変えて、お読みください。来週19日の「さんか・さろん」で、あるいはメールで、ご意見、ご感想を、お寄せください。

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ご感想を下記にお寄せください。

slowlifej@nifty.com

■コラム 緑と絆の木陰

「夢のようなシナリオはスローライフかも」
  中村桂子(JT生命誌研究館名誉館長)

 トレンド・スポッターという職業があるのですね。世の中の動きの中に新たな変化を見つけ出し、次に何が起きるかを予測し、それを基にこれから何をすればよいかを教えてくれる人だそうです。確かに最近、これからの社会はこうなるのでこれを買いましょうとか、これをやらないと皆から遅れますよなどという情報が溢れています。日常あまりそのような情報には触れずに過ごしているのですが、たまたま「米国最高のトレンドスポッター」が書いたという本に出会い、読んでみました。

 2038年を見据えてのトレンドです。典型例として、地球温暖化の進行で屋外スポーツは不可能になり、eスポーツブームが到来する、メタバースだけで娯楽を消費する人々が増加して現実世界の実質的な放棄となるなどというトレンドが示されます。その中でどう生き抜くかを考えなさいと言うわけです。私自身は関係ありませんけれど、そういう世の中を想像することも難しいと思いながら読んでいきました。

 すると、このような話が続いた最後の章で、彼女はこう言うのです。トレンドをあれこれ書いてきたけれど、実は、「目の前で起きているすばらしいことに目を向け、自分に何ができるかを決めることが満足のいく生活につながるのです」と。そして彼女自身の予測は、なんと「2038年頃には、私たちの多くにとって夢のようなシナリオはスローライフかもしれない」と言うのです。なんだか拍子抜けして、それなら先にあげたような動きに対して「そうは言っても最後はスローライフなのですよ。今のうちからそちらに向かって動きましょう」と言ってくれればいいのに、と思いながら本を閉じました。

 恐らく最先端を走るのが好きな人も、心の内では生身の人間が生み出すサイズの生活を求めているのでしょう。一周遅れで走っていると、先頭になることがあると思いながら、トレンドとは無関係に、マイペースで行くことにしますと改めて思った次第です。

註:なぜ38年か。今のコンピュータを使っていると、2038年1月19日3時14分7秒(標準時)に時刻設定の限界がきて誤作動が始まるという、2038年問題というのがあるのだそうです。コンピュータに振り回される時代なのですね。

■あっちこっちで多事争論 (会員投稿)

「地震と液状化」
  村井康人(新潟市 REBIRTH食育研究所)

 能登半島地震では、震源から160キロ離れた新潟市でも広範囲に被害が出ました。2004年の中越地震は揺れが10秒でしたが、今回は1分という長い揺れの影響で、新潟市では約1万世帯が被災しました。

 私の住む地域は、海まで5分ほどの砂丘地です。50年前までは海岸から続く松林と砂丘の畑作地域でした。地下水位が高く、井戸がたくさんあったところです。そのため液状化が発生し、電柱や建物が傾きました。コンビニの駐車場はアスファルトが盛り上がり、亀裂が入りました。自宅近くの郵便局のまわりは沈下して、駐車していた車は吹き出した地下水に水没してしまいました。

 地震がおきた時は近くのショッピングセンターにいました。買い物カートを取ろうとした時、不気味な揺れに気づき、見上げると照明が落ちてきそうで身がすくみました。その場から動けなくなったのを覚えています。

 中越地震の震源より遠い震源の揺れが、住み慣れた地域にこれほどの被害を起こすとは思ってもいませんでした。防災グッズの見直しと買い忘れていた水、生活用水に雨水を貯めるタンクを用意することにしました。万全ではないでしょうが、備えることの大切さを痛感した年の初めでした。

中村哲さんの映画を見に行くの記
  前原民子(東京都杉並区ときどき岐阜県高山市 スローライフの会会員)

 今更だが、東京というところは恐ろしいところだ。すべてにスローライフを地で行く私は、いつも「競争」に乗り遅れる。先日は杉並区で中村哲さんのドキュメンタリー映画「荒野に希望の灯をともす」があると知り申し込んだがすでに定員いっぱい。でも、どうしても見たくて上映館を探したらありました。「青梅シネマネコ」。東京唯一の木造映画館で前から行ってみたかった場所だ。遠いけど、2月23日、雪の舞うなか夫の運転する車で向かった。

 映画では、悲しみや憎しみに満ち理不尽なことの多いこの時代に、中村哲さんが残した数々の言葉や文章、絶望ではなく希望、分断ではなく協働、利己ではなく利他など、未来につながるメッセージが強く静かに語られていた。

 上映後、カメラで哲さんを21年追い続けた谷津監督が、哲さんが大切にした最澄の言葉「一隅を照らす」を紹介した。自分の足元を照らせば世の中が変わる。まず目の前の困っている人を助けるために自分は何ができるのか。自分が暮らす地域に根を下ろしてできることを考え行動することだと。また、「この映画館を観客でいっぱいにして、文化の拠点として青梅を元気にしていきたい」というシネマネコの若い支配人、菊池さんの思いにも胸打たれた。この日は63席が満席、立ち見客も出た。全国では自主上映を含めこの映画を9万人が見たという。日本も捨てたものじゃないなと少し思えた青梅行きだった。※写真もご覧ください。

猫は手を貸さない!?
  遠藤夏緒(長野市 農楽里ファーム)

 3月に入ってから寒い日が続いています。昨日の積雪は15センチ!。この冬は雪が少なく、ほとんどしていなかった雪かきを久しぶりにしました。重い腰を上げての雪かきのお供は、昨年12月に保護し、茶色の毛並みなのでチャーと名付けた2歳の保護猫くん。

 「犬は喜び庭駆け回り、猫はこたつで丸くなる」と歌われる猫は、きっと高齢猫のこと。もとから暮らしている13歳(人間でいえば70代)の先住猫たちは決して外へ出ようとしないのですが、子どものチャーは雪遊びをしたくてしょうがない。雪かきをする私の周りを飛び歩き、そこかしこに落ちている雪玉を前足で転がして遊ぶのです。

 春先の重い雪を動かすのは汗ばむほどの重労働。遊んでないで、猫の手を貸して下さいよ~、と声をかけるもチャーは我関せず。はいはい、猫はそれでよいのです、とぼやきながら、ふと目に留まったのが、タラの木の先端に積もった雪帽子。あとひと月先には、美味しいタラの芽が芽吹いているのだな、と一瞬暖かな春を感じました。※写真もご覧ください。

「続 スローな視点でJ1を語ってみる」
  坂田啓子(佐賀県小城市 スローライフの会会員)

父はJ1サガン鳥栖が好きだった。元気な時には、どんな戦い方をして、今の順位は何位で、次の試合はいつどこでと、びっくりするほど詳しく話していた。

スタジアムへも一度だけ一緒に行くことができた。

少しずつ感情を出せなくなっていた父だが、サガン鳥栖が残留を決めた!という地元の新聞の大きな記事を見せた時には、「おー」と喜びの反応を示した。本当にその時だけ。

弱りつつある人を、こんなに元気づけることができるのかと驚いた。

昨年12月のホーム最終戦は、病室の父と一緒にネット配信で応援した。応援した、と言ってもほとんど目を開けることもなく、最後の方でほんの少しだけ目を開き、「うんうん」とうなずいてくれたことが嬉しかった。

最後の試合観戦となった。どうしても見せてあげたかった・・・。

そして年が明けて今季のホーム開幕戦。父はいないが、私の隣には息子がいた。Jリーグは100年構想を掲げ30年、家族3世代をつなげてくれている。

 

コロナ禍直撃の学生たちが卒業へ
  川竹大輔(高知市 高知大学次世代地域創造センター)

 高知大で地域協働学部4年生と個別面談の機会がある。2020年4月入学で、コロナ禍の直撃にあった学年だ。

 平穏だった高校2年生ときのオープンキャンパスで、地域での実習時間が日本一長い学部に魅力を感じて入学した大学1年生の春は、入学式もなく大学に行くこともない春で、見かねた先輩たちがオンラインで新入生を励ますミーティングを開くスタートだった。

 2年生から本格的な地域での実習になるが、地域の人たちとZoomでのやりとりが多く、せっかく地域に行くことが解禁になっても、感染状況の悪化で中断する繰り返しだった。

 それでも、この1年は外に出やすくなって、大学サッカー部で子どもたちにサッカー教室を開く、商店街でよさこい祭りで踊った、子ども食堂でボランティアをした、といった話を聞けた。ただ、十分に地域での経験ができた学生は少ない印象をもつ。

 得難い経験をしたと言えばそれまでだが、しなくても良い苦労をした彼ら彼女らの幸せな今後を願うばかりだ。

「難聴何兆」
  社頭文吾(佐賀市 スローライフの会会員)

 生活にさほど支障はないけれど、65歳を過ぎた頃から、TVの音量を上げることが多くなった。家族への影響も考え、自室のパソコンで適正音量での一人視聴が増えた。会話でも小声や籠る声は聞き取りにくくなり、会話がかみ合わない時もある。何度も聞き返すと家族からは「もういい!」といわれる始末。

 耳鼻科に行くと、「軽度の感音性難聴」という診断。加齢が原因なのだろう。家族からは「補聴器を付けたら」といわれるが、「補聴器」という響きや、何より高価。症状も軽いので、手ごろな「集音器」を購入した。TV視聴には効果があるものの、会話にはいまひとつ。そんなときInstagramで補聴器の無料お試し利用広告を見つけた。渡りに船と、さっそく試している。確かに、いい。

 けれど高価すぎる。補聴器の購入補助制度をもつ自治体もあるけれど、佐賀県はない。そもそも、軽度の難聴は対象外。高齢社会の日本、元気な高齢者の活躍を支援する補助制度を充実してほしいところ。おしゃれな補聴器でスマートに生きたい。

 

■まちむらニュース
・兵庫県市川町  棚田de食育の催しです。

 「人参を収穫して、ちらし寿司、お赤飯を作ろう! みんなで米粉のシフォンケーキのデコレーションも楽しもう! 土、水、光と風と、なかよく」という催しを開催。午後1時30分からはオンライン参加も可能。 日時:3月17日(日)10時~16時 問合せ:NPO 法人棚田LOVERS ℡090-2359-1831 メール tanadalove@yahoo.co.jp

詳細:https://www.facebook.com/events/296368426789451

※情報提供:2月の「さんか・さろん」の講師、永菅裕一さん(棚田LOVERS、スローライフの会会員)から。

・奈良県吉野山地域 寺宝めぐり開始

 普段は観られない仏像や宝物が特別に拝観できる「寺宝めぐり」が、3月からスタート。これから桜の季節、奈良県南部・東部の吉野エリアへ、どうぞ。美しい記念散華を加盟の9寺院で頒布。散華:100円 (1枚) / 朱印帳:600円 (1冊)/朱印:500円 (各寺院)  問合せ:金峯山寺 ℡0746-32-8371

詳細:https://yoshino-kankou.jp/news/news-001/002315.html

■スローライフ曼荼羅

「和食展」をみて
  野口智子(ゆとり研究所)

 国立科学博物館での「和食展」に行きました。「朝ごはんだよ」とトーストを、「昼めし」は蕎麦で、「夕飯は外食」のイタリアン、なんていう私たち。食事に「飯」という言葉を使っているのに、お米を軽く考えていたようです。あらためて、海藻、キノコ、魚、発酵食品にも感謝し、和食を大事にしなくてはと思いました。会場には若い人が多く、それが意外でした。

https://noguchi-tomoko.com/post-10269/

■つべ小部屋

あの日から13年後の未来
  つぼいゆづる(スローライフ瓦版編集長)

 海沿いの道を走っていると、突然、カーナビが告げた。「まもなく踏切があります」。ぎょっとした。あたりは一面の更地で遮断機はおろか、鉄路など、どこにもない。東日本大震災から約1年後、岩手県陸前高田市での経験だ。

 いま、私たちはあの大震災から13年後の未来に立つ。津波被災地の復興には「よくぞ、ここまで」という思いを抱く。と同時に「土建国家ニッポン」を象徴するハード偏重だった現実を目の当たりにして、ため息が出る。

 高速道路や巨大防潮堤が粛々と造られた一方で、過疎化の加速で被災地からの人口流出が続き、歯の欠けたような街ができている。

 陸前高田市にはいま、「売地」の看板が目立つ。甲子園球場80個分の土地区画整理事業で街の再興を図ったものの、賑わいは戻らない。「街の復興」と「人の復興」に埋めがたい時間差があったためだ。その原因は、はっきりしている。経済成長を前提にして時間のかかる土地区画整理事業を、過疎地の被災地で展開した制度的なズレである。当初から不安視されたものの結局、政府は過疎地に適した土地再開発の制度をつくれないまま今に至る。ということはつまり、能登半島でも同じような光景が繰り返される可能性があるということだ。

 

■編集室便り

▽3月の「さんか・さろん」はこの「瓦版」について

 新装「スローライフ瓦版」はいかがでしょうか? 未だ、変化を続けておりますが、今度の「さろん」では皆さんから意見やご指摘、リクエストなどをいただきたく思います。「ここは直した方がいい」「今後、こんなことをやりたい」「作業を手伝おうか」など、何でもワイワイお話しください。ど~~んと編集長が受け止めます。ぜひ、ご参加ください。

 日時:3月19日(火)19時からzoomで

 テーマ:「スローライフ瓦版に、つべこべ」

 進行:坪井ゆづる(スローライフの会共同代表 スローライフ瓦版編集長。地方自治総合研究所客員研究員 元朝日新聞論説委員)

 申し込み:メールで slowlifej@nifty.com(3月16日締切)

▽2月の「さろん」の報告をHPに載せました

 永菅裕一さん(棚田LOVERS)のお話要約と、参加者皆さんとの感想・意見のやり取りを、ホームページにあげました。

https://www.slowlife-japan.jp/2024/03/02/%ef%bd%93-293/

▽この秋、11月9日(土)、10(日)は高知県梼原町へ

 高知県梼原(ゆすはら)町は、「雲の上の町」がキャッチフレーズの標高1455メートルの町です。 http://www.town.yusuhara.kochi.jp/

ここでスローライフ・フォーラム(仮称)を計画中です。スローライフの会員が年に一度、学び集う場、皆さま今から日程確保をお願いいたします。

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

奈良県吉野郡十津川村

https://www.vill.totsukawa.lg.jp/

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

出雲市

http://www.city.izumo.shimane.jp/

丹波篠山市

https://www.city.sasayama.hyogo.jp/

日本テレネット株式会社

http://www.nippon-tele.net/

シン・エナジー株式会社

https://www.symenergy.co.jp/

クオリティソフト株式会社

http://www.qualitysoft.com

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

中島プレス工業有限会社

https://www.nakajimapress.jp/

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昨年12月、名前が「スローライフの会」に、住所も変わりました。

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新宿アントレサロンビル2階「スローライフの会」

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※ご連絡はなるべくメールでお願いします。

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http://www.slowlife-japan.jp/