瓦版2014.1.28第193号

週刊スローライフ瓦版 (2014.1.28 第193号)
発行:NPOスローライフ・ジャパン
スローライフ学会
**********************************************************************
★★★★★
今週の瓦版は「青森フォーラム」特集です。執筆していただいた皆さん、あり
がとうございました。参加諸兄姉、読者諸兄姉ともども、あずましい青森を実
感していただければ・・。写真は「逸村逸品展」と「全体会議」の様子です。
★★★★★

コラム<火曜日の鐘> 早野透(桜美林大学教授)
~~~
雪は厄介ものか天の恵みか

青森というと、私は三浦哲郎の『忍ぶ川』を思い出す。お志乃さんと結ばれ
た雪国の夜は静かである。鈴の音が聞こえてくる。「なんの鈴?」「馬橇の鈴」。
こんな美しい詩のような小説を、ぼくは他に知らない。
その青森で、1月25・26日、「スローライフ・フォーラムin青森」が催され、
私もパネリストとして参加した。青森は雨だった。「冬の雨は許せない」と
『ゆきのまち通信』を出している杉山陸子さんがおっしゃった。
私が加わった「雪を活用したまちづくり分科会」では、雪は厄介ものなのか、
それとも天の恵みなのかを論議した。むろん、その両方であるが、ねぶたの紙
技術を生かす雪と光のページェントの試みや新町商店街女性部の鍋横綱コンテ
ストなどの話に、私は雪国の詩を感じた。
それをお役所仕事でなく、街の人々の創意と努力で作りあげようとしている
ことに「新しい公共精神」を感じた。
学会コラム<緑と絆の木陰>
神野直彦 (東京大学名誉教授)
スノーライフ・スローライフ
スノーライフとは「雪の生活」であり、雪に抱かれた東北青森の生活だとい
ってもよい。このスノーライフをスローライフという観点から規範的に考える
と、スノーライフとは「伝承の生活」だということができる。というのも、雪
の博士である中谷宇吉郎によれば、「雪は天から送られた手紙」だからである。
もちろん、天とは祖先が住まう天上界をも意味する。雪が天から送られてく
る手紙だとすれば、スノーライフとは自然や祖先から伝えられる生活であり、
「伝承の生活」だということがきる。
人間の生活はケとハレから構成されている。ケとは日常の生活であり、ハレ
とは非日常の生活である。日常の生活を伝えるのは、地域の言葉つまり方言で
ある。非日常の生活はハレ着を着て催す祭りで伝えられる。それだからこそ今
回のフォーラムでは、雪とともに方言と祭りを取り上げたのである。
方言も祭りも触れることのできない無形のものである。生活様式を伝えるの
は、有形のモノではなく、無形の体験であることを忘れてはならない。雪です
ら無形ものだといってもよい。というのも、学術上は雪とは降っている状態を
いい、地上に積った状態は積雪と呼ぶからである。
スノーライフによる「まちづくり」とは、体験価値を高める「まちづくり」
である。それは体験に参加することをブランド化することだと換言してもよい。
つまり、有形のモノを所有することで所有欲求を充足するのではなく、人間が
自然と触れ合い、人間同士が触れ合う体験によって存在欲求を充足する「まち
づくり」である。
人間は所有欲求が充足されると、豊かさを実感する。存在欲求が充足される
と、幸福を実感する。スノーライフとは豊かな「まちづくり」ではなく、移り
住みたい、住み続けたい幸福な「まちづくり」を意味する。青森市が「あるも
の」を破壊し、「ないもの」を創ろうとするのではなく、「あるもの」を活用
して、「幸福なまち」を創り出すことを願いながら、雪の青森を後にした。
▽▽▽▽▽▽▽▽
【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej

青森市「シーラインソープ」。青森はナマコの産地、ナマコ関係の様々な品
物がつくられています。ナマコ成分が入った石鹸、お肌がつるんとなりそう。
△△△△△△△△△△△
■街角から畦道から
はるばる参加して 人形寺祥弘(兵庫県淡路島)
淡路島で2009年12月に「島に学ぶ」のテーマで開催されたフォーラムに分科会
のパネリストを仰せつかったのが始まりで、毎週スローライフ瓦版で皆様のこ
とは存じ上げてはいましたが、今回はどうしても皆様にお目にかかりたく、飛
行機でまいりました。お天気がよく快適で、雪景色を窓にかじりついて見てい
ました。でも、青森市内に入りますと雪が少なくて、これ雪国・・と思いまし
たが、でも帰りは大雪で見送ってくれました。
「逸村逸品展」は夫々の地方の匂いがして、驚きました。よくぞ集めたと感激。
わが村は何が逸品かと考えさせられました。前日の街歩き、分科会、八甲田丸
の懇親会に次いでの全体会、と全部に参加出来ました、どの会場でも すばら
しい体験をさせていただき 皆様の日頃の御苦労をうかがうことができました。
全国からお集まりの皆さんが地元で頑張っておられる様子もお聞きし、収穫の
多い旅となりました。青森大好き人間ですが 今回の参加で、新しい青森を教
わりました。早く「ねぶたおむすび」が食べたくなりました。ありがとうござ
いました。

活動を見て頂けた 伊香佳子(青森市中心商店街女性部事務局長)
スローライフフォーラムin青森、無事終了しました!お天気がイマイチな上に
大きなホールが会場にもかかわらず、どれも熱心な皆さんで満員!26日なんて
日曜の午前中にもかかわらず・・・です!
日頃から重要な立場のみならずTVのコメンテーターなど務められる、さすがの
面々が勢揃い、本質を見抜く鋭い視点はすごいものでした。有意義なだけでは
なく、実質的具体的な方針までかなり示された成果になりました。
分科会に、パネラーで出させていただきましたが、その発表に実体験をプラス
してお聞きいただくためと、また、せっかくいらっしゃるそうそうたる面々に、
日ごろの取り組みをお見せして学び楽しんで頂こうと、新幹線のご到着から、
フォーラム開始までの時間を利用して、まずは新町商店街逸品ツアーガイドと
して、まち歩き逸品めぐりのさわりを体験して頂きました。強力な市民ボラン
ティアの街てくガイドさんと分担してのご案内です。
分科会の終了と同時に交流会の会場へ走り、今度は中心商店街女性部での取り
組みでつちかった、アップルパイや鍋横綱など、腕自慢のコンテスト優勝者の
皆さんに来場して作って頂いた、自慢のお料理でおもてなし。女性部が心を込
めたバレンタインアップルも、ラッピングしてプレゼント。みなさん、行列し
て楽しんで下さいました。翌日の全体会議では増田さんも「これはすごい!」
と。こういった日頃からの成果である商店街や市民からのおもてなしに感動し
てくださったのもきっとあって、本当に熱心に皆さんで議論し、導いてくださ
いました。
そして、さて終了・・で、終わりではありません。今度はしっかり、お帰りの
時間まで、おいしいお昼のお店も含めた「しんまち逸品お土産買いツアー」に、
20名様をご案内。観光土産でなくても、しんまちの逸品なら、まちがいなく喜
んでいただけるということで、お菓子屋さんだけでなく、普通の逸品のお店も
回ります。予想通り、皆さんが「これ、いい」と大喜び。最後までおいしく楽
しく、過ごしてお帰り頂けました。
表から裏から走り回ったのでしたが、実際にお見せすることができたからこそ
でもある「私たちの活動の仕方が重要で、これからますます必要」といった、
このフォーラムで頂いた結論は、本当にありがたく嬉しく、すぐ次に生かして
いきたいと思います!
================= PR =====
米粉のまち・胎内市から・・・
「第3回健康&美ing」米粉料理教室でみんなで作った「米粉の唐揚げ」と
「米粉マフィン」のレシピをご紹介。簡単でヘルシーです。
http://tainai-komeko.blogto.jp/archives/36591204.html
=======
■まち・むらニュース
・京都府 「七彩(なないろ)駅弁」が販売中
京都府内の道の駅が、それぞれにこだわりの地元食材を使って里山の恵み満載
の弁当をつくり、「七彩駅弁」を販売している。(土日限定販売の駅弁もある)
・美山ふれあい広場(南丹市) 「美山鹿そぼろすし」
・丹波マーケス(京丹波町) 「京丹波道の駅 うまか豚弁当」
・瑞穂の里・さらびき(京丹波町) 「京丹波さらびき弁当 しめじめし」
・和(なごみ)(京丹波町) 「鮎の四季」
・ガレリアかめおか(亀岡市) 「まるごと亀岡おもてなし弁当」
・京都新光悦村(南丹市) 「新光悦村竹皮弁当」
・スプリングスひよし(南丹市) 「丹波美肌豚 角煮めし」
問い合わせ:京都府広報課 TEL:075-414-4074
http://www.pref.kyoto.jp/magazine/
・鹿児島県 「篤姫のひなまつり」を開催

南九州に春の訪れ、と呼びかけた「篤姫のひなまつり」。大河ドラマで脚光を
浴びた薩摩の姫君「篤姫」をマスコットキャラクターに、県内各地で開く。
開催期間:2月1日(土)~3月31日(月)
場所:鹿児島県内各地のホテル・旅館と観光施設などで
問い合わせ:鹿児島県観光交流局観光課(誘客キャンペーン担当)
電話:099-286-3008 http://www.kagoshima-kankou.com/
コラム<象さんの散歩> あずましい青森
~~~
フォーラムの全体会議の閉会時に、私から「感謝のことば」。お礼とともに
提案を。雪、祭り、方言に象徴される地域資源をまちづくりにどう活かすか、
スローライフの視点から論じあう中で、ふさわしい問題提起がいくつもあった。
スローライフを表現して、あずましい都市、あずましいまちづくりという語が
分科会でも交流会でも行き交った。青森にはあずましいが似合う、と。
補足しておきたい。青森市は、新鮮な魚とリンゴで知られてきたが、昭和を
伝えるお菓子と料理、また逸品を磨く商店などをはじめ、うらやましいほどの
自然、暮らし、歴史、文化に恵まれてきた。加えて、人とこころ。
そして、何より公民協働の市政。今回も、実行委員会での公民の綿密な協調
ぶりをはじめ、街中散策のガイド役、交流会のもてなしなどの場面で、市民の
奮闘ぶりを見せてもらった。スローライフのまちづくりも独特の味をもつ。
あずましい。辞書によると「落ち着いて」とか「心地よい」とか。大らかで
こだわらず、ゆたかなのだろうが、スローライフのこころとひびき合う。
そう、あずましい青森。市の合言葉は、これでしょう。 ∨ 川島正英 ∧
==== PR ====
「日光『食』の研究所」から・・・
いよいよ始まります!「ひかりの郷 日光国体」。今日から2月2日まで。
この機会に、日光で氷上スポーツをお楽しみください。
http://nikkokekko.blog121.fc2.com/
=======
コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅>
~~~ いいな、方言
皆さんは方言を話していますか?千葉市生まれの私は、方言らしい方言は身に
着けないまま、共通語の東京弁を使って暮らし、今に至ります。だからこれま
で各地に出かけ方言に出合うと、うらやましいく思ってきました。特に今回、
青森のフォーラムでは、その方言を地域資源としてまちづくりに活かそうとい
う話し合いに参加。津軽弁の心地よい響きに、とことん魅了されたわけです。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=244
□スローライフ版・IT塾 ——————————————–
Q:パソコンをネットショップで買おうと思っています。いろいろ安く販売さ
れていますが、注意することはありますか。~その2 <編集室:野口智子>

A:先週に続いて、ネットショップで買い物をする際の注意点を紹介します。
危険なサイトの特徴として「日本語がおかしい」、あるいは「個人輸入という
言葉が使われている」などがあげられます。すべての商品が異常なまでに安い
場合も注意した方がいいです。怪しいサイトで買い物をしたら、お金を振り込
んでも商品が来ない、偽物が届いた、粗悪品が送られてくる‥といったケース
があります。また、クレジットカードで決済した場合、その番号を悪用されて
身に覚えのない買い物をされていたという話も聞きます。怖いですよね。パソ
コンに限った話ではありませんが・・。そのような危険なサイトを見極められ
るまでは大手サイトを利用しましょう。
==== PR ====
クオリティライフから・・・
「たまな食堂」店頭では、ご好評の和歌山県ブランド玄米「那智のめぐみ」と
「熊野のほまれ」の3合袋入りを販売しています。5kg、10kgの精米、玄米の注
文も承っております。詳しくはこちらから→ http://nfst.jp
=======
■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。
鹿児島県
http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html
岩手県遠野市
http://www.city.tono.iwate.jp/
日本テレネット株式会社
http://www.nippon-tele.net/
クオリティ株式会社
http://www.quality.co.jp/
アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
http://www.edi.ne.jp/
株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/
=======
最後までお読みくださって、ありがとうございました。
このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへ

このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとの
ご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、
お気軽にお付き合いください。
今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメール
アドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。

この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。
まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2
=======
Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会
〒160-0002
東京都新宿区坂町21 リカビル301
TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554
http://www.slowlife-japan.jp/”