瓦版2015.10.27 第283号

さあ、いよいよ「雲仙ウイーク」です。わが学会の年一回の、最大のイベント

でもあるお出かけフォーラム。今回は、増田寛也会長、中村桂子副会長はじめ、

ちょうど20人が参加します。秋を楽しみつつ「地方創生」を語り合います。


・・



コラム<火曜日の鐘> 早野 透(桜美林大学教授)

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映画「岸辺の旅」を見て


私には、同じ映画を見て、その映画のことを語り合おうという仲間の会があ

って、つい先日、新宿で「岸辺の旅」という作品を見た。

3年間、失踪していた夫が妻のもとに帰ってきた、ただし死者として。それ

から、いわば幽霊の夫と一緒に旅に出てさまざまな葛藤のなかで生死を超えた

愛を確かめ合うという物語である。

死んだおやじもおふくろも幽霊になって出ては来ないが、わが家の居間には

写真があるから、いつも一緒にいる気分はする。「岸辺の旅」は、彼岸と此岸、

あの世とこの世の境目、それはむしろ繋がっていると言いたいらしい。

日本の森や川、街や村のなかで、ゆっくりとした生者と死者のかかわり。ス

ローライフの思想は、「生き方」の問題というだけでなく、もっと深い「生死

の営みの場」のものであるように思える。

そういえば、柳田国男の『遠野物語』にも、水木しげるのおばけ漫画にも、

何だかスローライフを感じないか。



学会コラム<緑と絆の木陰>


中村桂子(JT生命誌研究館館長)  100年前も同じ


『漱石人生論』という文庫を送っていただいたのでパラパラめくっていまし

たら、「私の個人主義」という講演がありました。本当は人前で話をするのな

ど嫌なのだがと長ったらしい前置きの後に、本音を述べていて面白く読みまし

た。

大事なのは「自己本位」であり、この言葉を手にしてから強くなって生き方

がきまったと言うのです。個人主義も自己本位も、文字面だけを見ていると危

険を感じますが、漱石の言う「自己本位」は、私なりに表現すれば「すべて内

発的に行動しなければ楽しく生きられない」という意味で、それが個人主義に

もつながるということのようです。それと最も遠いのが、権力と金力で動くこ

と。

『坊ちゃん』ですね。大正三年とありますので、101年前。世の中変らない

なあと思っています。



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奈良県天川村「檜エッセンシャルオイル」。大峯山系での檜の木部のみを原料

に、同地域産出の水晶で濾過してつくる、心を癒し、優しく染み入る香りです。

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■街角から畦道から


竹内 義昭 カズコさん(34)


入所を申し込んでいた特養施設から「空きが出来ました」と連絡があった。

待機者約800人ということだったので、少なくとも1年は待たなければならない

だろうと覚悟していただけに、少々慌てている。我々に最終的な心構えが出来

ていないからだ。

カズコさんは、現在住んでいるのが自分の家であるという認識がない。デイ

サービスのお迎えには「お待たせしました」といそいそと出かけ、帰宅したと

きには「お邪魔します」という。自分の生活の場にこだわりはなさそう。

それでも何とか在宅でしのぎたいのだが、日に日に手間がかかるようになっ

ている現状を考えると決断の時かもしれない。入所予定日は11月6日だ。



■まち・むらニュース


・山口県光市 秋のばら祭


冠山公園は四季を通じて花木が楽しめて、潮の香りが漂う海が一望できる公園。

秋のローズガーデンでは、約200種900株の四季咲きのイングリッシュローズ、

オールドローズなどのバラが春とは違った趣で、色濃く優雅な花を咲かせる。

日時:10月24日(土)?11月8日(日)9:00?17:00

場所:冠山総合公園(山陽本線「光駅」下車)

問合せ:冠山総合公園事務所 TEL0833-74-3311

http://www.kanmuriyama-park.com/2015/09/5595/



・鹿児島市 第30回国民文化祭・かごしま2015


国内最大の文化の祭典「国民文化祭」の今年の開催は鹿児島。テーマは[本物。

鹿児島?文化維新は黒潮に乗って?]で、個性的で多様な文化をもつ鹿児島の

芸術や食文化、温泉、自然環境など、魅力ある地域資源を全国に発信する。

開催期間:10月31日(土)?11月15日(日) 開催地:県内全域

主催・問合せ:第30回国民文化祭鹿児島県実行委員会事務局TEL099-286-2863

主催事業:県内各地全市町村 http://kagoshima-kokubunsai.jp/



コラム<象さんの散歩> 「住」に課題山積みの日本


想像を絶する事態である。横浜市のマンションくい打ち偽装。建物を支える

くいが下の岩盤に達していない。この工事会社のつくった建物が3040。検査が

どこまで及ぶのか。調査は、責任は・・、難航を極めるに違いない。

とにかく大きく、速く、のマンション建設ラッシュに「待った」がかかった

のは確かだが、「住」の問題は、国の未来を歪めていると思ってきた。

大都市で・・。わがNPO事務所近くで実感する。マンションもだが、小さ

なアパートや一軒家の建設ラッシュにも問題はないか。細かく立て込む住宅地

の、辛うじて残った小さな庭や空き地に数所帯用のアパートが建つ。戦後急造

の住宅の空き家群をどうするのか。国の住宅、人口政策にもかかわる。

逆に農山漁村で・・。ここも空き家問題が大きい。伝統の家屋が年々朽ちて

いく。増え続ける廃屋が、美しい風景を損ねるにとどまらない。市町村が、空

き家の持ち主をしっかり把握、都市からの移住希望者に提供する。そして住み

心地のいい環境を整える役割を果たし、人口を維持すべきでないのか。

暮らしの「衣・食・住」三つの要素のうち、「衣」と「食」については、満

ち足りた日本。だが、「住」についての貧しさ、悲しさ・・ ∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

紅葉の散歩道を歩き、山の贅沢!「松茸ピザ」づくり体験をし、谷瀬集落の

餅まきに参加。そんなゆっくり体験はいかが?11月8日(日)参加費2500円。

申込みが必要です。十津川村役場観光振興課まで TEL:0746-62-0004

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 「こやすば」

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山仕事の途中で小休止する場所を、地元では「こやすば」(小休場)というそ

うです。奈良県十津川村谷瀬、「ゆっくり」をテーマにむらおこしをしている

この集落に「ゆっくり散歩道」「ゆっくり水車」に続いて、観光客が一休みで

きる「こやすば」ができました。空き家になっていた古民家をみんなできれい

にして、ドラム缶でピザ窯も作りました。縁側で一休み・・・いい時間です。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=335



■編集室便り


◇ 増田寛也さん、野口智子さんが連続して講演


きょう27日、東京・新橋の第一ホテル東京で、地域総合整備財団(ふるさと

財団)主催の「地域産業交流セミナー」が開かれる。講演に二人登壇するが、



「住民パワーで地域を元気に」・・野口智子さん

「地方創生が日本を救う」・・増田寛也さん


のラインアップで、まさにわがNPOの独占舞台の感ありですが、一般公開の

セミナーでなくて、残念です。



◇ “雲仙フォーラム”

<10月31日・11月1日>


NPOスローライフ・ジャパン、スローライフ学会が協力するフォーラム、

「雲仙市市制施行10周年記念事業 雲仙の地方創生を語り合う」の

詳しい行程はこちらから↓

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=286


【10月31日(土)】


○分科会(15:30?17:30)

第1分科会『自然・暮らし』アドバイザー:早野 透(桜美林大学教授)

雲仙市の恵みを活かした仕事と暮らしのあり方を考えます。


第2分科会『逸品・じげもん』アドバイザー:野口智子(ゆとり研究所所長)

雲仙市の資源や特産品を活かした取組みについて考えます。


第3分科会『ちびっ子・若者』アドバイザー:斉藤 睦(地域総合研究所所長)

地域の子育てと若者への応援策などについて考えます。


第4分科会『交流・連携』アドバイザー:田嶋義介(島根県立大学名誉教授)

全国各地との交流や近隣市との連携のあり方について考えます。


【11月1日(日)】


○全体会(9:30?12:30 会場:雲仙市ハマユリックスホール)



基調講演 増田寛也(野村総合研究所顧問、スローライフ学会会長))

  テーマ「雲仙の未来像 ?山と海と若者と?」


パネルディスカッション

コーディネーター:増田寛也

  パネリスト:中村桂子(JT生命誌研究館館長)

  里見晋(長崎県副知事)

  金澤秀三郎(雲仙市長)



内容について

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=285

交通について

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=284&req_uid=4



◇雲仙から3つめの便りをいただきました。


11月17日(土)、400年前の島原の乱の幕府軍の指揮所島原城では金剛流の薪能、

「鵺」(ぬえ:源頼政に射落とされた化身の亡霊。世阿弥作)が上演され、

1200人の県内外の能楽愛好者が秋の月夜を楽しみました。当時の城主松平の殿

様が地域の人々と楽しんだといわれる日本伝統芸能が今も繋がっています。

雲仙の麓、島原市は城下町、水の街、鯉の泳ぐ街、そして伝統芸能子ども狂言

が盛んな街でもあります。雲仙フォーラムの前後には有明海沿いに、平成新山

を仰ぎながらゆったりと走る島原鉄道で日頃のお疲れを癒やして下さい。お待

ちしていますよ。雲仙市小浜町在住:宮田 隆

(米国・東京からUターン10年の田舎暮らしに大満足中)



◇大石芳野さん写真展と講演会


NPOスローライフ・ジャパンの理事である写真家・大石芳野さんの写真展です。

長年各地を回り、人々を撮り続けてきた大石さんの作品から「戦争ほど悲惨な

ものはない」というメッセージが伝わります。講演会もあります。


■大石芳野写真展「戦争は終わっても終わらない」

・期日/11月6日(金)?11月14日(土) 10:00?18:30 (最終日は13:00終了)

・会場/立教大学池袋キャンパス チャペル会館1階

・連絡先/立教大学 総合研究センター内キリスト教教育研究所

        E-mail jice@rikkyo.ac.jp

・展示作品数/写真集『戦争は終わっても終わらない』より35点。長崎、広島、

大久野島、東京大空襲、ハルピン「731」、中国残留女性、従軍慰安婦、沖縄。

・入場料/無料


■大石芳野講演会「戦火を生き抜く・平和を生きる」

・日時/11月7日(土)15:00?17:00

・会場/立教大学池袋キャンパス 本館2階1202教室

・詳細はWEBにて告知 http://s.rikkyo.ac.jp/jice



◇スローライフ・ジャパンへのメールを送るときのお願い。



このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい

ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会、この瓦版への投稿などは

こちらまでお願いします。↓



□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:Windows10を入れてみようと思いつつ、ひとりでインストールできるのか、

動かなくなるソフトがあるんじゃないか・・など、気になって躊躇しています。

インストールの作業をしても大丈夫でしょうか? <編集室:篠原伊佐武>

      ▼

A:Windows7や8から10に入れ替えて、万が一、動かないソフトがあったり、

前のバージョンの方がよかった、というときには、1ヶ月以内であれば簡単に

元に戻すことができます。まずはWindows10をインストールして、使い勝手を

体験してみてはいかがでしょう。



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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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