瓦版2013.8.6第169号

週刊スローライフ瓦版 (2013.8.6 第169号)発行:NPOスローライフ・ジャパンスローライフ学会**********************************************************************★★★★★東日本大震災の被災者は「このことを、私たちのことを忘れないでほしい」と語られます。きょうは広島の原爆記念日。震災よりはるか昔の人災を、すっかり忘れてしまったなどということのないように、と強く思います。★★★★★コラム<火曜日の鐘> 早野透(桜美林大学教授) ~~~ あまちゃんブーム NHKの朝ドラ「あまちゃん」が大ブームである。暑気払いの飲み会をすると、なかに必ず熱烈ファンがいて、そいつが「あまちゃん」のどこがいいか熱弁を振るう。私もまんざらでなく、調子をあわせる。 テンポのいいテーマ曲、主役アキちゃんを演ずる能年玲奈の可愛らしさ、北三陸の風景のすばらしさ、東京の芸能界でアイドルをめざす苦闘の日々、小泉今日子と薬師丸ひろ子の凄みなど、毎日ワクワクする展開である。 この間の飲み会で「いや、この物語は都会と田舎の問題です」と言う50男がいた。 「東京では、地味で暗くて向上心も協調性も個性も華もないパッとしない子だったアキちゃんが北三陸に帰って、自分を見出し、ふるさとなまりで自分の地金を出していきいきと生きていくその姿。方言こそ自分の感情を解き放つ言語である」と断ずるのである。そりゃ、スローライフ文化論ということではないか。 「あまちゃん」は「おはなはん」に匹敵する朝ドラの傑作である、と私が言ったら、早野さん、歳がばれますよと冷やかされた。学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(東京大学名誉教授) 吉野と桃源郷 国際連合の依頼で中国の貧しき地方財政を建て直すために、湖南省の武陵源を訪れると、まるで奈良県の吉野に身を置いているような錯覚を覚えた。今は昔、私が大阪市立大学に赴任すると、長き年月にわたって多額の資金を費やして建築を進めてきた、吉野を貫く「夢の鉄道」が、完成を待たずに建築中止となった。見果てぬ夢となった「幻の五新線」の夢の跡に、私は研究で神経が疲れると、家族を乗せて車を走らせたものである。 吉野では沈黙のうちに時が流れ、神秘的な雲の奏でる雲海のメランコリーな旋律に心が癒される。表情を一瞬のうちに変える雲海から名残りを惜しんで目を転ずれば、色合いの違う十津川と北山川という二つの川が合流して、自然にしか創り出せない新しい色調が熊野川として流れ、心を優しく洗い清めてくれる。 吉野に抱れて憑き物が落ちたように柔和になっていく家族の表情とともに想い起こす吉野の自然と、中国には珍しい多雨な気候が創り出した武陵源の自然美とは重なる。もちろん、武陵源の真骨頂は吉野の幽幻の美に、高さが500メートルに及ぶ奇峰奇石が、愛知県に匹敵する面積に林立している奇景にある。武陵源は世界文化遺産ではなく、この世のものとは思えぬ最高ランクの世界自然遺産である。 明治期の日本画家は、この世に武陵源が存在すると信じず、「武陵桃源」として好んで画題に選んだ。それは陶淵明の『桃花源記』で武陵源の漁夫が、迷い込んだ理想郷を、武陵桃源つまり桃源郷として描いたからである。 ユートピアは行くことの出来ない地である。桃源郷は行くことの出来る地である。ここにオクシデント(西洋)とオリエント(東洋)の理想郷に対する思想の決定的な相違がある。 吉野は自然景観美だけではなく、「良き人の良しとよく見て良しと言ひし芳野」であり、行くことの出来る地である。そうした懐かしき吉野に、武陵桃源への追懐を携えて、再び11月に訪れることを心待ちにしている今日この頃である。▽▽▽▽▽▽▽▽ 【逸村逸品】ひとこと紹介 ~ http://www.facebook.com/slowlifej 栃木県足利市「渡良瀬橋クッキー」。夕日のきれいな渡良瀬橋、地域自慢の その風景がクッキーになりました。地元の逸品研究会メンバーの新作です。△△△△△△△△△△△■街角から畦道から 高校野球地方予選 遠北剛(広島市 可部夢街道まちづくりの会) ともに0点で延長15回を引き分けて再試合となった広島県決勝は、瀬戸内高校が広島新庄に0対1で勝ち、13年ぶりに甲子園出場を決めました。前試合に引き続いて、広島新庄の田口投手と瀬戸内の山岡投手の、両校とも今大会屈指の好投手の投げ合いとなりましたが、0-0で迎えた8回瀬戸内は1アウト2塁のチャンスに8番大町選手がタイムリーを打ち、スコアーボードに1が23個目にともされ、広島県高校野球の球史に残る名勝負として、長い戦いが終わりました。たまたま、今朝の朝日新聞に「夏の甲子園ベストゲーム」1位に、第51回決勝戦、松山商業対三沢高校の激闘が載っていました。44年前の井上投手と太田投手の投げ合いが今でも記憶に残る名勝負でしたが、まさしくこの大会をコピーしたような初の決勝再試合が、地方の球場で再現されました。両校とも20イニングまではノーエラー、22イニングまでの無失点、息詰まる戦い、敗れた新庄高校の田口君、笑顔で「同世代に、山岡君がいたから今の僕がある」とエールを贈った。「苦しかったけど、楽しい試合でいつまでも投げたかった」と、インタビューに応える山岡君の笑顔が印象に残りました。今年の夏の大会は、猛暑という厳しい自然の中での戦いが予想されますが、阪神甲子園球場に出場を決める地方予選でも、輝く夏の大会があることを知っていただきたい。==== PR ====米粉のまち・胎内市から・・・市内黒川のお店で作られている「くろかわ焼き」、黒いどら焼きです。生地に食用竹炭を使用、餡も黒ゴマ。黒い姿に驚きますが米粉4割でもちもちとおいしいです。 http://tainai-komeko.blogto.jp/archives/31039196.html=======■まち・むらニュース・東京都 黒坂黒太郎40周年記念 コカリナコンサート コカリナの第一人者黒坂黒太郎が、音楽活動を始めて40周年を迎える。ハンガリーの楽器コカリナに魅せられ、演奏楽器としての精度を高め、普及し続けてきた。故・筑紫哲也がその音色に接し“音による森林浴とエールを。東日本大震災後は全国100ヵ所を目標に支援コンサートを展開し、被災した松の木でつくったコカリナを子どもたちにプレゼントしている。 日時:8月31日(土)13:30開演 会場:東京芸術劇場 コンサートホール 曲目:コカリナのための交響曲「ふるさと」全楽章、ほか 問合せ:黒坂音楽工房 03-5626-1581 http://www.kocarina.net/・徳島県 「阿波おどり」「えらいやっちゃ、えらいやっちゃ、ヨイヨイヨイヨイ、踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損々・・・」誰もが知るこの掛け声の阿波おどり。その年の最優秀賞に輝いた踊り手は、翌年のポスターに掲載される。約400年の歴史をもつ盆踊りで、近年は8月下旬に開催される「東京高円寺阿波おどり」を筆頭に、夏のイベントとして全国各地でも行われている。 開催日:8月12日~15日 場所:徳島市内 主催:徳島県・徳島市観光協会・徳島新聞 http://www.awaodori-kaikan.jp/・長野県 「サイトウ・キネン・フェスティバル松本2013」音楽家であり、偉大な教育者であった齋藤秀雄の門下生が集って行われてきたメモリアルコンサート。呼びかけた小澤征爾ともどもあまりにも有名となったサイトウ・キネン・オーケストラが母体のオーケストラとオペラを2本の柱とした音楽祭である。世界水準の音楽を創造するフェスティバルは22回を数える。公演期間:9月12日~9月7日 会場:まつもと市民芸術館、ほか 主催:公益法人サイトウ・キネン財団 サイトウ・キネン・フェスティバル松本 実行委員会:http://www.saito-kinen.com/コラム<象さんの散歩> 「経験したことのない大雨」とは・・~~~ 先週に山口、島根県を襲った大雨は、「ゲリラ豪雨」と呼ばれたが、一方で気象庁は「これまで経験したことのないような大雨」という表現を使って気象情報を伝えた。これも警報の基準だという。昨年につくられた。 経験は人さまざま。私にとっての巨大豪雨の一つは、旧制中学一年生のとき。疎開の延長で和歌山県有田にいた。終戦の翌年の昭和南海地震に遭遇。中学校は海岸に建っていて、校舎と運動場が津波被害に。運動場の1mほど埋めつくされた砂と小石は生徒の作業だ。古くなった大風呂敷を持参、砂や小石を包み運び出す。授業と作業が半分ずつの通学が半年ほど続いた。 もう一つは、1964年の伊勢湾台風のとき。朝日新聞名古屋本社で経済記者として名古屋臨海工業地帯を担当していた。一夜明けてゴミの山と腰まで泥水の川を掻き分けつつ名古屋港へ。工業地帯の被害状況を掴むのに困難をきわめた。その後の取材も災害復旧とからんで複雑なものとなった記憶が残る。 はるかしのぐのが、「3・11」の東日本大震災。もちろん現地でなく東京にいたから、これを、経験と呼べるかどうか。だが、、私にとっての「これまで経験したことのない」災害は、ほかに思い浮かばない。 ∨ 川島正英 ∧コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> ゆる~い「まち」~~~商店街が大好きです。それも、地方のちょっとさびれたまちの・・。そういうところのお店は「売らんかな」という商売一色でなく、生活が見えるというか、緊張感なくふわっとした雰囲気でお客を包んでくれるというか。だからダメという人もいるかもしれませんが、売り買いだけの関係はつまらないものです。とくによそ者には、そのゆるさがたまらない魅力に見えてきます。http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=220==== PR ====「日光『食』の研究所」から・・・夏の涼しい日光へ、すばらしい自然とおいしいものを求めておこしください。さまざまな情報の書かれている、このブログをご参考に!http://nikkokekko.blog121.fc2.com/=======■編集室便り □瓦版発行が少し遅い時間となりました。 きょうの「瓦版」は、みなさんのお手元に届くのがいつもより少し遅れま した。送信の仕組みを変えてみようと作業したせいです。編集室ではIT に熟達した藤井頼曉氏の応援も・・。あれこれ新機軸を試みます。 □「さんか・さろん」奈良シリーズ <奈良の魅力・「むら」の魅力> その第二回は・・・ 8月20日(火)19時~(2時間程度) 「地球の水・日本の水・奈良の水」 講師:尾田栄章氏(NPO法人渋谷川ルネッサンス代表) 奈良県のご出身。元建設省河川局長。第3回世界水フォーラムの 事務局長をボランティアで務める。主な著書に『セーヌに浮かぶ パリ』(東京図書出版会)『みちのくに徹する』(山海堂)など。 雑誌『河川』に「“記紀と続記”の時代を“水”で読み解く」を シリーズで連載中。 また「国連事務総長:水と衛生に関する諮問委員会」委員として 国際的なネットワークを通じて世界の水問題に取り組んだ。 さらに原発事故の対応に追われる福島県広野町役場の“任期付き 職員”に志願して活躍中という一面も。 セミナーでは、もともとのご専門の水・川について、奈良の “むら”に引き寄せながら、お話いただきます。・会場 東京・日本橋(三越デパート前)の「奈良まほろば館」で。・参加者 スローライフ学会会員に一般参加も加え 60人・主催 奈良県・NPOスローライフ・ジャパン・資料代など 1000円 ・詳しくはこちらで http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=182 □「スローライフ逸品展」への出品を募集中。 11月23(土祝)・24(日)日に開催する「スローライフ・フォーラム」の 会場で、昨年と同様に「スローライフ逸品」を展示します。 皆さまご存知の「これこそスローライフ逸品!」と思われるものをご推薦 ください。詳しくはこちらから。 http://www.slowlife-japan.jp/modules/katudou/details.php?blog_id=183 □「スローライフ・フォーラムin奈良」お知らせ : point(10)ニックネーム「なんゆう祭」 ———————————————- 11月23・24日。フォーラム会場:奈良県川上村 主催: 南部地域産業復興推進大会開催協議会 ———————————————- この「南部地域産業復興推進大会」の名称について、呼びかけやすい愛称 がほしいという声も出ていて、「なんゆう祭」と決まった。 「なん」は南、南部地域をあらわし、「ゆう」は友、遊、悠、結、優、幽、 邑・・、さまざまな感じをもつ。川上村の人たちの声をうけ、7月30日の 大会協議会で決まった。 さらに”この協議会では、大会の運営計画についても話し合われ、中核の 市町村物産展はじめミニそまびと選手権大会、村おこし弁当王座決定戦、 大滝ダム紅葉ハイキング、カヌー教室などなど、2日間の催しについても おおよそを決めた。(中味については、あらためて紹介していきます) □平成25年度の会費のお振り込みがまだの方へ‥。 お手数ですが、お振り込みをお願いいたします。新会員も募集中です。 スローライフ学会はNPOスローライフ・ジャパンが運営する学会(学長・ 神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)です。 スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、全国で スローライフなまちづくりをすすめる皆さんとのつながりでもあります。 年会費5000円。会員は、この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」 などで交流したり。会費は下記の口座へお振り込みください。 【振込先】 ゆうちょ銀行 振替口座 00190-4-595293 スローライフ学会 三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会 ==== PR ====クオリティライフから・・・夏野菜天ぷら添え「冷やしうどん」、元気が湧く「豆腐と山芋の蒲焼き丼」、食欲の出る「野菜ビビンパ」、酸味がうれしい「ガスパチョ」。好評の夏メニュー。「たまな食堂」http://qwebm.quality.co.jp/mail/u/l?p=xixQp3hZC0gZ=======■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。鹿児島県 http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html岩手県遠野市 http://www.city.tono.iwate.jp/日本テレネット株式会社 http://www.nippon-tele.net/クオリティ株式会社 http://www.quality.co.jp/アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社 http://www.edi.ne.jp/株式会社サンクス・ツー http://www.thanks2.jp/=======最後までお読みくださって、ありがとうございました。このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへこのメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとのご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、お気軽にお付き合いください。今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。この「週刊スローライフ瓦版」、バックナンバーをアップしています。まだご覧になっていない方、こちらからご覧ください。http://www.slowlife-japan.jp/modules/mailmagazine/details.php?blog_id=2=======Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会〒160-0002東京都新宿区坂町21 リカビル301TEL 03-5312-4141 FAX 03-5312-4554 http://www.slowlife-japan.jp/——————————————————————————–“