瓦版2015.6.23第265号

ここのところ、会員や理事の皆さんから「街角から畦道から」コーナー宛ての

原稿がテンポよく届いてうれしい限りです。この「瓦版」は皆さんの広場です。

近況報告や、地域の話題、お考えなど、どうぞ、お気軽にお寄せください・・

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コラム<火曜日の鐘> 早野 透(桜美林大学教授)

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梅雨の花咲く


6月に入ってやはり雨が多い。わたしの生まれ月だから、梅雨は好きである。

小学校の同級生から時々、お互いの近況を知らせる仲間メールが届く。

「ヤブコウジの薄紫の花が咲きました。木の下などにひっそり生えて、可愛

らしいグリンピースくらいの大きさの実をつけるんですよ。でも実がなると、

あっというまに小鳥に食べられちゃうの」

「クチナシが咲き誇ってよい香り。でも一日経つと黄色くなり、2日目には

縁から茶色くなって汚いので茎から次々切り落として来年に備えます」

安倍さんの安保法案はけしからんとかなんとか、政治記者のがさつさが抜け

ないわたしの心にちょっとうるおいをくれる。彼女もたしか6月生まれだった。



学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(東京大学名誉教授)


未来への曙光



岩波新書の拙著『「分かち合い」の経済学』の翻訳書が韓国で出版されると、

私は当惑してしまった。というのも、『「分かち合い」の経済学』を巡る講演

依頼が殺到したからである。

確かに、韓国は揺れている。私の翻訳書と時を同じくして、市民運動家のパ

ク・ウォンスン(朴元淳)がソウル市長に圧勝で当選し、イ・ミョンバク政権

を動揺させた。

韓国語でナラとは「国」のことである。奈良は韓国語のナラが語源だと言わ

れている。与党のハンナラ党とは、「偉大なる国党」という意味である。ソウ

ル市長選大敗の衝撃から、ハンナラ党は政党名をセヌリ党つまり「新しい世界

党」に改め、イ・ミョンバクと対立するパク・クネを大統領に担いだのである。

この5月にも韓国大使館の李貴絵さんから講演依頼が舞い込んだ。そこで私

は、どうしてこんなにも講演依頼が多いかとたずねた。そうすると李さんは驚

き、拙著の翻訳本の裏表紙にパク・ウォンスン、ソウル市長の推薦文が付いて

いるのを知らないのかと逆にたずねられた。

そもそも私は翻訳書のタイトルが、『分かち合いの経済学がやって来る』な

のだということすら知らなかった。パク市長の推薦文を、李さんが翻訳して送

ってくれた。

推薦文のタイトルは「未来経済学の新しい基準を提示する」となっていた。

私の本の内容をていねいに紹介した上で、パク市長は次のように推薦文を結ん

でいる。「すべてが熾烈な競争の中で生き残るため残忍になりつつあるのが現

実である。『分かち合いの経済学がやって来る』は、このような現実の問題を

解決する処方箋として、「分かち合い」と「中庸」を説いている。他者の成功

が私の失敗になるのではなく、他者の成功が私の成功につながる社会を望む、

すべての人々と、この本を分かち合いたい」。

いうまでもなくパク市長は、次期大統領の最有力候補である。「こうした本

を愛するということは、韓国のよい一面だなとしみじみ思います。本当に果て

しなく次から次へとたくさんの書評が出てくるので、文体などをみても若い子

が多く読んでいるみたいです」という李さんのメッセージに、私は胸を熱くし

た。





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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

岩手県陸前高田市「奇跡の醤」。奇跡的に見つけた震災前の「もろみ」を搾り、

震災後の夏を2度経過。熟成した醤油にはさまざまな想いも込められています。

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■街角から畦道から


梶 亨(川崎市 観光文化創造研究所長) 時代おくれ


テレビを見るのを控え、数年前からラジオ派に転換している。耳で聴き、頭で

考え感じるのが認知症にいいとの情報がきっかけである。ラジオから流れる懐

かしい歌を久しぶりに耳にした。河島英五が歌う「時代おくれ」であった。

この歌の言葉の一つ一つには、男の心の裏側をさり気なく表わし、忘れかけて

いた男の美学が見え隠れする。1980年代のバブル経済の真っただ中に作られた

歌であり、六本木族がディスコで踊りまくる時代に、作詞した阿久悠は、日本

人の忘れかけていたものを問いかけたのであろう。

レコードが発売されて5年ほど後にヒットし始めた。現代の男像とは対峙する

姿が淡々と描かれている。スピート、経済性、機能性、効率性が優先されて、

最先端の知識や技術を持って時代を切り拓く人間が評価される中で、阿久悠は

ダサい男のイメージとは異なる「男の文化」のようなものを、「時代おくれ」

という言葉に言い替えた。

鼻歌もカラオケも歌ったことがないという男が、当時の日本人の生き方に「真

の豊かさとは何か」と問いかけたのであろう。いま再び、バブル時代を迎える

かもしれない状況となってきているが、時には、ゆったりとした良き時代の暮

らし方や生き方、心情を見習いたい



■まち・むらニュース


・岩手県遠野市 第40回東北馬力大会馬の里遠野大会


古くから馬の産地として、馬にまつわる文化を育んできた遠野。馬力大会は、

直線150mのコースで重りを乗せたソリを引き、馬の引き手とともに途中2つ

の障害を乗り越えるレース。神馬一体のレース展開は勇壮そのものだ。

日時:6月28日(日)9:00 ?14:00

会場:柏木平優遊広場特設会場(JR釜石線「柏木平駅」)

主催・問合せ:東北馬力大会馬の里遠野大会実行委員会TEL0198-62-2111

http://www.tonojikan.jp/events/detail/63



・長崎県壱岐市 壱岐焼酎の日


7月1日は、壱岐焼酎が世界貿易機構の“地理的表示の産地”に指定されて20

年目、日本記念日協会に「壱岐焼酎の日」として登録して10年の節目をむかえ

る日。壱岐焼酎をより広く知ってもらえるよう、この日の午後7時1分に、壱岐

焼酎で一斉に乾杯!のイベントがおこなわれる。乾杯フォトも募集中だ。

日時:7月1日(水)午後7時1分場所:壱岐島内

主催・問合せ先:壱岐焼酎委員会TEL0920-47-1158

http://ikishouchu.com/



コラム<象さんの散歩>   「父の日」に


先週号で、梅雨の季節の作業として、長野県飯山市へ田植えに出かけてきた

話を書いた。季節作業といえば、まだ、あった。梅酒づくりと夏みかんジャム

づくり。週末の土曜日、伊豆・河津へ。妻・宏子の学友の恭子さん、河津生活

の指南役の京子さん、両キョウコさんが手伝ってくれて、私の出番なし。

ところが、翌日曜日、東京へ帰って意外な出番に。息子・英樹が「父の日」

ですよ、と豪華な弁当、清酒の五合瓶をもって訪ねてきてくれた。

「父の日」ね。母の日もある。誕生日、バレンタインデイ、クリスマス・・。

一人っ子でもあり、大変だろうに、と思いつつありがたく出番に応じた。

だが、私は、父親としての自覚に薄いたぐいだろう。もっとも、この国では

総じて父性アイデンティティに乏しい。太平洋戦争後に、教育者、学者はじめ

社会の指導的な人たちの責任、義務が“猶予”された。私は、小此木啓吾氏の

名著『モラトリアム人間の時代』『モラトリアム国家 日本の危機』に共感、

共鳴していて、わが国の父性喪失を語りたいが、もちろん稿を改める。

「父の日」の心境とか随想とか問われても、ひとことで表現できそうにない。

梅酒、夏みかんジャムのような甘酸っぱい味、とでも・・ ∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

北海道の「新十津川町」をご存知ですか?明治22年の大水害を機に移住した村

民約2500人が開拓し築いた町です。今も強い絆で結ばれています。詳しくは↓

http://www.town.shintotsukawa.lg.jp/hotnews/detail/00000530.html

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> おひっこし

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8年住んだ麻布を離れることにしました。いつも我が家の引っ越しは急に決ま

りますので、この数日は荷物づくり。というより、物との決別です。都会暮ら

しはハンドバック一つ捨てるにも大変です。物だけではありません、世話して

きた花壇はどうなるのだろう?大好きなスーパーの朝市にもう来れなくなる。

物以外、関係の訣別もあるんですね。断捨離して、また出直しますか・・。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=318



■編集室便り


◇『スタイルアサヒ』に載りました。


朝日新聞購読者へ新聞販売店から配られる『スタイルアサヒ』という小冊子

6月号で、スローライフの特集がありました。わがスローライフ・ジャパンの

事務局長:野口智子の写真も掲載されています。

スローライフの暮らしをひもどくソフトな手引きとしておすすめです。お近

くで手に入れば、ご覧ください。写真はこちらから↓

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=276



◇平成27年度の会費をお願いします。 新会員も募集中。


スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会

です。(学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)

スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、

全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。



年会費5000円(自治体会員は50000円)、

この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」などで交流したり。

会費は下記の口座へお振り込みください。


【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座 00190?4?595293 スローライフ学会

三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会


詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=3



□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:エクセルのデータを複数のページに分割してPDFデータにしたいと思っ

ているのですが、ページ設定がうまくいきません。データをページごとに分け

て保存する方法はありませんか?<編集室:篠原伊佐武>



A:エクセルの印刷範囲を活用しましょう。まず、1ページ目に表示させたい

範囲を選択し、ページレイアウトタブの印刷範囲→印刷範囲の設定 を選びま

す。次に2ページ目に表示させたい範囲を選択し、印刷範囲→「追加を選択」

を選びます。保存するときにPDFを指定すれば、設定された範囲がそれぞれ

のページに分かれて出力されます。



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クオリティライフから・・・

6月30日(火) 11:00 ? 13:30 モデルの室谷真由美さんから玄米菜食レシピを

学びましょう。イタリアンがテーマ「酵素玄米のミラノ風カツレツ」など。

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

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岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

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アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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ご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、

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