瓦版2018.7.17 第422号

きょうの「さんか・さろん」は、“私の仕事”シリーズで、篠田伸夫さんから。
西日本の集中豪雨を憂いつつ、全国仮設安全事業の足場固め、救急ヘリの病院
ネットワークについて、核心の話をうかがう(詳細は「編集室便り」でどうぞ)
・・・・・

 

コラム<火曜日の鐘> 斉藤睦(地域総合研究所所長)

 

今年も半年が過ぎて

 

ついこの間、お正月を迎えた感じなのに、もう半年が過ぎている。落語の枕
にこんなのがありました。

 

“あるとき、お日様とお月様とお星様が三人で旅に出ました。泊まった宿屋
でお星様が目を覚ますと、ほかの二人がいない。どこにいったか女中に聞くと、
『お二人とも今朝がた、たたれました』。すると、お星様が『そうか、月日が
たつのは早いものだなぁ』…”

 

ノーベル賞ねらい?の金正恩氏との握手、支持者目当ての関税引上げなど、
あからさまな自分ファーストの大統領に驚くかたわら、文書改ざんも国会軽視
もどこ吹く風の総理をトップに据えるこの国。不穏な空気のただよう世界で、
豪雨災害や少年救出のニュースに出会い、かけがえのない「日常」こそ大事と
の思いにも行きつく。
月日の早さにあらがって何をすればよいか。思案するこの頃。

 

学会コラム<緑と絆の木陰> 増田寛也(野村総合研究所顧問)

 

海士町の挑戦

 

島根県隠岐諸島の海士町(あまちょう)で地域の活性化に先頭に立って奮闘
してきた山内道雄町長が、先頃引退された。山内町長ほどリーダーの大切さを
私に気付かせてくれた人はいない。本土からフェリーで2?3時間、人口わず
か2400人弱の外海離島のハンディキャップをものともせずに、「ないものは
ない」「なくてよい。大切なものはすべてここにある」と島民の意識を島にあ
る資源の「あるもの探し」に変え、「さざえカレー」「いわがき春香」「隠岐
牛」「海士乃塩」などを次々とヒットさせた。特筆すべきは、入学者が毎年20
人台と激減し、全学年1クラスとなっていた隠岐島前高校に「地域創造コース」
と「特別進学コース」を設け、島外や海外からの入学者を加えて2クラスに増
設させたことだろう。
海士町の取組みは全国の自治体のモデルとなっている。京都大学を卒業しト
ヨタの若きエンジニアだったが、海士町の魅力に取りつかれ移り住んだ阿部裕
志君と先日一緒だった。彼は、これまでの危機感経営をこれからはビジョン経
営に進化させたいと語っていた。こうした気概あふれる若者の夢を実現できる
のが、小規模自治体の強みだろう。
今月21?22日に北海道上士幌町で開講する「生涯活躍かみしほろ塾」に講師
で参加する。こちらでも竹中貢町長が先頭でまちづくりを進めている。どんな
出会いがあるか楽しみである。

 

▽▽▽▽▽▽▽▽

 

【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej
長崎県雲仙市「UNZEN GREENTEA powder」。茶どころ雲仙の緑茶成分を丸ごと
摂取できる粉末茶。ほうじ茶版もあり、お料理、スイーツにも便利です。
△△△△△△△△△△△

 

■街角から畦道から

 

鈴木益民(スローライフ学会員) 諦めてはいけない

 

西日本豪雨災害の規模に驚いています。数十年に一度あるかなしかの大雨との
注意報が出ていた、だが、それに対応する力と先見性が十分でなかったための
大被害。とみると、人知の限界を痛感します。死者、不明者はもちろん、住居
や家財を失った被災者の無念は如何ばかりか、慰める言葉もありません。
とくに感じたのは、土砂崩れとは別に中小河川の決壊や氾濫による被害が目立
ちます。それも市街地の中心から離れた場所。平成の合併で市になったものの
辺地に手が回らないのか、合併の影の部分を見る気がします。「災害ニッポン」
と諦めるわけにはゆかず、さりとて老躯に何が出来るのか、歯がゆい思いです。

 

梶 亨(観光文化創造研究所長) お盆行事に思う

 

盆という行事はいつごろから始まったのだろうか。先祖の霊を家に迎えるよう
なお盆の行事は、鎌倉時代に貴族や武士、僧侶等の間で行われていたが、江戸
時代になると庶民の間にも日本各地の様々な習俗が合わさって今のようになっ
たといわれている。もともとは旧暦の7月中頃の中元節に営まれ、東京等では
今も7月が多いが、全国的には大半が8月に行われている。
8月のお盆行事は、長崎の精霊流しや京都の大文字の送り火、徳島の阿波踊り
など日本各地のお盆行事は様々であるが、ご先祖の霊がお墓から家を往復する
乗り物は、精霊馬といわれるキュウリとナスで概ね一致している。キュウリは
馬に見立て霊が早く家に着くように、ナスは牛に乗り霊がゆっくりお墓に帰れ
るようにと、昔の人々の温かい心が込められている。

 

竹内 義昭 カズコさん(170)

 

有料老人ホームで、障がい者施設で、終末期を迎えた老人を受け入れている療
養病棟で、介護に当たる職員が大量殺人に手を染める事件がここ数年頻発して
いる。犠牲者はいずれも抵抗力のない入所者たちだ。

 

カズコさんの入っている特養の担当者と接していると、彼ら、彼女たちの献身
的な仕事ぶりに頭が下がる。正規社員であれ、パート職員であれ、3Kと言わ
れる職場を選んだ心意気がひしひしと伝わってくる。

 

事件を起こした犯人にも同じ志があったはずだ。裁判や捜査のニュースを注意
深く読んでも、その動機が理解できない。ただ、高齢化社会の中に事件を生む
共通の原因が潜んでいるような気がしてならない。

 

■まち・むらニュース

 

・奈良県橿原市 橿原神宮朝拝体験ツアー

 

観光協会のガイドと行く清々しい空気の中の朝の散歩。特別に内拝殿の参拝も
できる。約1時間、2″5kmの行程。コースは集合場所(神宮前)?幸せの黄色
いポスト?神宮朝拝体験?橿原森林遊苑。朝の神域の森で癒されよう!
開催期間:?11月25日(日)の金、土、日、祝祭日
時間:集合8:00?8:15 解散9:15頃
集合場所:かしはら観光インフォメーションセンター神宮前
料金:500円(記念品付)
問合せ・申込み:TEL0744-27-2070(事前電話受付、前日18:30まで)
https://www.daiwaresort.jp/kashihara/feature/1013023/index.html

 

・東京都中央区 ECO EDO 日本橋

 

江戸時代に日本橋で育まれていた「涼」の生活の知恵と工夫が、現代風にアレ
ンジされて五感で楽しめる。金魚大提灯の福徳神社の参道、金魚すくいグラン
プリや船着場からのクルーズ便の運航など。浴衣で楽しんではいかが。
開催期間:?9月24日(祝) 場所:日本橋室町周辺各所
主催:ECO EDO 日本橋実行委員会
問合せ:ECO EDO 日本橋2018 TEL03-3242-0010
http://www.nihonbashi-tokyo.jp/ecoedo2018/

 

コラム<象さんの散歩>

 

神野先生の新著を頂戴して

 

スローライフ学会の神野直彦学長の新刊『経済学は悲しみを分かち合うため
に』(岩波書店)を頂戴した。柔らかなのだが揺るぎなき思想。すばらしい。
副題に「私の原点」とつけ、自らの学問と思想、自らの生活と生涯を率直に
語りつくす。古今東西の名作の引用、また宇沢弘文先生をはじめ恩師の言葉、
とくに和子夫人、ご両親へのこころづかい・・。神野調もゆたか。
これまでの『「分かち合い」の経済学』(岩波新書)をはじめ「人間回復の」
「二兎を得る」「地域再生の」などと名づけられたたくさんの『・・・経済学』
の著作と、生きざま、問題意識、学究成果ともども当然ながら変わらない。
特筆すべきは、スローライフについて、だから筑紫哲也について頁を割いて
いただいたこと。今回は私も紹介していただき、恐縮のほかありません。
経済学の著作に「女優の浜美枝さんに淡い思いを抱いた」との一節がある。
楽しい。浜さんは東宝の女優であった。神野先生の表現をお借りすれば「古民
家を箱根に移築して住まう浜美枝さん」。住まいにも、ふるさと意識と美的感
覚をうまく活かし、スローライフの達人の一面を見せる。この浜さんを、私は
二回訪ねている。2003年、新潟県安塚町でシンポジウム「雪国文化村とスロー
ライフ」を開き、その基調講演の依頼のためだった。
実は、基調講演役の筑紫哲也が、フランスでのサミットの取材で緊急出張の
事態となり、代役を頼んだ、いきさつでした・・ <川島正英>

 

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「奈良県十津川村」から・・
8月4日(土)は橋の日ということで、恒例の「つり橋まつり」が行われます。
谷瀬のつり橋で太鼓を打ち鳴らす「揺れ太鼓」が圧巻!盆踊りや露店も。
詳しくは、十津川村観光協会まで 電話0746-63-0200
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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 昔の写真展

 

久しぶりに十津川村谷瀬へ行くと「谷瀬昔のくらし写真展」が開催中でした。
奈良女子大生と谷瀬住民による手作り展示。眺めながら村人の話がつきません。
90歳のおじいちゃんの若い頃の写真を見て「イケメンだったね?」、今はヒゲ
を蓄えてた集落総代の赤ちゃんの頃の写真では「可愛い?ヒゲがない!」なん
て声が。昔のみんなが主役の写真展は、よそ者にも楽しい場でした。
http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=474

 

■編集室便り

 

▽きょう17日の「さんか・さろん」は“篠田伸夫さんDAY”

 

わがNP0と学会の理事・篠田伸夫さんが「理事」を引退、「参与」になって
いただく機会にうかがう篠田さんの「私の仕事」__。

 

篠田さんは、自治省で行政局振興課長などを、また東京都総務局行政部長、
岐阜県副知事も。消防庁次長を最後に退官された。
全国町村議会議長会事務総長もつとめられ、全国仮設安全事業協同組合の
副理事長、NPO法人救急ヘリ病院ネットワークのNPO法人救急ヘリ病院
ネットワークの理事長などお忙しく、わがNPO、学会も“根回し役”の
理事さんとしてご活躍いただいた。
日本フットパス協会のコーチ役、「全国さくらサミット」コーディネーター
役などとして頼りにされている。多分野にわたるお話を楽しく・・。

 

「さろん」の後、有志による「理事さん、ご苦労さんでした」の送別会も。

 

・日 時:7月17日(火) 19時?20時30分
・テーマ:?私の仕事シリーズ?「いろいろやってきました」

 

・会 場:クオリティソフト株式会社東京本部・会議室マーキュリールーム
東京都千代田区麹町3-3-4 「KDX麹町ビル」6階
※麹町4丁目の交差点から見える「成城石井」の並びにあるビル。
有楽町線 麹町駅 1番出口より徒歩1分/半蔵門線 半蔵門駅2番出口より
徒歩8分
http://www.qualitysoft.com/corporate/office#tokyo_office

 

・会 費:会員1000円、一般2000円(学生500円)
・申込み:メール TEL 03-5312-4141

 

▽2018年度の会費をお願いします。 新会員も募集中。

 

スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会
です。(学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)
スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、
全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。

 

年会費5000円(自治体会員は50000円)、
この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」などで交流したり。
会費は下記の口座へお振り込みください。

 

【振込先】
ゆうちょ銀行 振替口座 00190?4?595293 スローライフ学会
三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会

 

詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=3

 

▽スローライフ運動への寄付も引き続きよろしく。

 

詳しくはこちらから↓
http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=345&req_uid=4

 

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

 

岩手県遠野市
http://www.city.tono.iwate.jp/
和歌山県紀の川市
http://www.city.kinokawa.lg.jp/
奈良県吉野郡十津川村
http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html
奈良県
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雲仙市
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飯山市
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出雲市
http://www.city.izumo.shimane.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html
日本テレネット株式会社
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アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社
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株式会社サンクス・ツー
http://www.thanks2.jp/

 

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