瓦版2019.3.12 第455号

待ちかねた丹波篠山フォーラム。にぎやかなお出かけ「さろん」となり、学会

から参加は46人。会場は250人で満員に。神野講演もパネル・トークも充実して

大変に好評でした。この瓦版は、期せずしてフォーラム特集ということに・・


・・・・・・



コラム<火曜日の鐘> 川島英樹(せたがや文化財団)



「いつのまにかオシャレな田舎」


こんなキャッチフレーズをもつ丹波の城下町、篠山を訪れた。スローライフ

・フォーラム参加のためだが、「おいしいもの食べに」と言ってもいいような

2日間だった。そして、美食にも増して、滋養となりそうな言葉をいただいた。

「来てからたった2年間で探していたものが見つかった!」地域おこし協力隊

の制度を使って、東京から移ってきた女性は、弾んだ調子で語った。東京では

聞くことのできないキラキラした言葉だ。

移住の相談に乗っている「篠山っ子」は、お子さんの言葉を紹介してくれた。

「ぼくはいい所に住んでいる。みんながお金を出して来る場所なんだから・・」

都会に近いのに原風景が残っていて、人間性豊かで、文化度が高いという市民

の誇りは、幼いころから培われているようだ。

お元気そうな83歳の専業農家のまちづくり協議会メンバーは、新築で家を建

てたものの息子さんの後継を諦めた。具体的数字をあげつつ、呟いた。「農業

だけじゃ商売にならない。失われる土地。日本中事情は同じだろう」

まったく何もできないが、握手だけさせてもらった。その手は、厚く、強く、

温かかった。



学会コラム<緑と絆の木陰> 中村桂子(JT生命誌研究館館長)


初めて篠山を訪れて


「スローライフフォーラム in 丹波篠山」に参加しました。大阪から丹波路

快速でほぼ1時間。途中の三田は、風の彫刻で有名な新宮晋さんのアトリエが

あり、しばしば訪れているのですが、その先の30分がとても遠い感じでした。

今回初めての場所です。この距離感が恐らく幸いしているのでしょう。「都

会に近いのに日本の原風景といえる農村があり、歴史や伝統文化がみごとに残

っている。農業は特産物が多いのが特徴。地域の人の文化度が高く、地域を愛

する人が多い」。これが午前中に話し合った若い人達の自己評価であり、その

通りでした。

もちろんこの中にさまざまな問題があるのですが、基本を考えるなら、「こ

こに21世紀の日本の(広く言えば世界の)暮らしをつくる潜在力がある」と言

える典型的な地域だと思います。

東京は完全な20世紀型であり、東日本大震災を期にそこから抜け出せるかと

思いきや、オリンピックでますます20世紀型です。ここに未来はありません。

丹波篠山のような地域(ここだけでなく他にもいくつもあります)を21世紀型

につくりあげることがスローライフ学会のお仕事ではないかと思った次第です。



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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

兵庫県篠山市「コベクロ丹波黒納豆」。丹波篠山名産の黒大豆の納豆です。

神戸大学との共同開発で誕生。大粒で、甘味が強い特徴が活かされています。

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■街角から畦道から


小松崎いずみ(埼玉県越谷市 中島プレス工業(有)) フォーラムを終えて


篠山の自然の恵みをみんなで味わう夜なべ談議。斉藤睦さんが、スローライフ

を歌いこむ即興のデカンショ節を披露したり、和気あいあい。素晴らしい風土

に出会い、素晴らしい人たちと一緒に過ごす事が出来た。

まち歩きで、ブリキのオモチャを製造するプレス機。このプレス機は業界用語

では「蹴とばし」という。懐かしいプレス機の音。私はワクワクが止まらない。

古き良きものを残し、新しいデザインは添える程度にして欲しいなと思いつつ

丹波篠山を後にしました。

皆様、大変お世話になりました。またお会い出来る日を楽しみしております。



長谷川八重(静岡県掛川市) 「夜なべ談義」の司会もつとめました



丹波篠山で見た景色やディスカッションの様子が走馬灯のように巡っています。

早春の篠山は、耕した田畑が続き丁寧な農業の様子が分かります。陶芸の里は

60軒もの窯元が急勾配の地の利を活かし登り窯を。風情ある城下町商家群は、

空き家をお洒落な「町家の宿」とし、城下町全体を一つのホテルとした観光を

展開。廃校になった小学校は、里山工房として世代間交流の場に。

山の猪、地酒、黒豆…、先人達が大切にしてきた資源を十分に活かしています。

今あるものをどう組み合わせて新しい物にしていくかの先進例を見たようです。

若者が柔軟な発想で地域の歴史を新しく蓄積していました。

 


乾 正博(神戸市 シン・エナジー(株))

フォーラムで出会ったすべての方へ


ある意味、2日間篠山に住みましたが、人との交流が何より心地よく、皆様の

エネルギーも感じることができて深く感激いたしました。土曜日の市内見学、

夜なべ談義、日曜午前の分科会、午後のフォーラムの内容がつながっていて、

風の人にも土の人にも非常に有意義なイベントであったと感じます。

本日の福島のニュースを見ても、地域が持続していくためには“産業”=働く

ところが重要であると思います。今回議論でも、工業というよりも第一次産業

と観光等が地域ごとの産業になることがベースの持続可能のツールと改めて感

じました。引き続き元気で楽しく活動していきましょう。拝謝



■まち・むらニュース


・岩手県遠野市 防災の集い?災害に負けない遠野を創る


東日本大震災の犠牲者の冥福を祈り、被災地の復旧・復興を祈念、地域の防災

意識を高めるために集まる。防災講演、パネルディスカッション、小、中学生

の作文発表などのほか、防災グッズも配布される。

日時:3月17日(日)13:30?16:30    会場:あえりあ遠野交流ホール

主催・問合せ:遠野市(総務企画部防災危機管理課) TEL0198-62-2111

http://www.city.tono.iwate.jp/index.cfm/50″46474308html



・東京都港区 東京宝島ミュージアム


昨年からスタートした東京宝島事業。東京都の11島の住民が中心となり島々の

文化と特産品の魅力拡大を図る。映像や音楽、島の食材を使ったスイーツなど

各島の魅力を見て、聴いて、味わって、感じる。

日時:3月22日(金)?24日(日)11:00?18:00(22日は13時?)

会場:東京ミッドタウン アトリウム(赤坂9-7-1)

主催・問合せ:東京宝島事業運営事務局 TEL03-6709-8434

http://www.metro.tokyo.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/03/07/12.html



コラム<象さんの散歩>


デカンショ・スローライフ


丹波篠山フォーラム、大成功です。基調講演の神野直彦先生、グループ討論

とパネル討論のみなさん、そして会場のみなさんに感謝のほかありません。

私は、総合司会の役割。開幕の言葉、閉幕の言葉の中で、このフォーラムの

キーワードの「スローライフ」と「デカンショ」を採り上げながら語った。

スローライフ活動は、高度経済成長の波に逆らい、近くはAIとかSNSの

高度情報化の波の中、ゆっくり、ゆったり、ゆたかに、を論じ続けてきた。

丹波篠山は、そもそもスローライフのまち。司馬遼太郎が『街道をゆく』の

中で、さすがにうまく表現・・・山中の城下町で、封建の頃の静かさとたたず

まいを遺し、流れる時間も太平洋岸のまちと違う、ゆるやかさ、と。

だが、地域再生を目指し、いかに高めるか。フォーラムで、みどり、みのり、

ひかり、のテーマをたてて話し合った。すばらしい論議だった。受けて、私は、

丹波篠山の特色を「デカンショ・スローライフ」と呼びたい、と。

その内容を詳しく書くのはともかくとして、丹波篠山を、デカンショの唄の

歌詞を借りて、瓦版調に採り上げれば・・・市は、5月、新しい年号に合わせ

て名前を改める。これからは“お国を問われれば”、“肩いからせて”“俺は

丹波の篠山“と答えるだろう。みどりゆたかで“野には黒豆 山の芋”。この

素敵な町を、“花のお江戸”また“世界いずこの果てまでも”深く伝えたい。

難しいのは、“あとの半年 寝て暮らす”かどうか・・ <川島正英>



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 「奈良県十津川村」から・・

新しいPR動画、十津川温泉郷ショートフィルムです。ぜひ、ご覧ください。

「Rebirth―再生―」https://www.youtube.com/watch?v=Zba8exUFYFU

「ユートピア」https://www.youtube.com/watch?v=Ep2TyUvei6c

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 雲部のもてなし


地域の味で集う「夜なべ談義」は、わがスローライフ・フォーラムの名物です。

今回の篠山市雲部「里山工房くもべ」のお料理には皆が感激でした。焼き豆腐、

なます、押し寿司、ぬた、白和え、などなど。献立は素朴ですが、身体に良い

ものを、手間をかけて料理している。都市部はもちろん、田舎でもこういう味

は消えつつあります。雲部の人の心意気が、篠山市の印象を高めてくれました。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=507













■編集室便り


▽3月9・10日、丹波篠山で集いました。



「スローライフ・フォーラムin丹波篠山」、

全国各地からスローライフ学会関係者46人が参集しました。


9日は視察と「里山工房くもべ」(旧雲部小学校)で「夜なべ談義」。

地元の方々も加わり、80人が手作りの味で交流しました。


10日はいよいよ、フォーラム、篠山市民センターに250人の方々が集まり、

会場はいっぱいに。

「デカンショ節」も皆で歌い印象深い集いとなりました。


詳細な報告は後日となりますが、速報はこちらからどうぞ。↓

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=371&req_uid=4



?フォーラム内容?


13:00

開会 総合司会 川島 正英 (NPOスローライフ・ジャパン理事長)

司会 木寺 綾乃 (篠山市役所 創造都市課)

デカンショ朗唱 小林 真弓 (篠山市役所 商工観光課)

歓迎の言葉 酒井 隆明 (篠山市長)


13:10 基調講演 「地域再生の潮流の中で」

神野 直彦(日本社会事業大学学長、スローライフ学会学長)


14:10 パネルトーク「輝く未来へのメッセージ」

コーディネーター

増田 寛也 (野村総合研究所顧問、 スローライフ学会会長)


パネリスト

井戸 敏三 (兵庫県知事、関西広域連合長)

酒井 隆明 (篠山市長)

金出 武雄 (米国カーネギーメロン大学 ワイタカー冠全学教授)

中村 桂子 (JT生命誌研究館館長)

坪井ゆづる(朝日新聞論説委員)

乾 正博 (シン・エナジー(株) 代表取締役社長)

野口 智子 (ゆとり研究所所長)


16:30閉会

感謝の言葉 川島正英



参加された皆様、兵庫県、篠山市、ご後援いただいた企業様に心より感謝申し

上げます。



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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


岩手県遠野市

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和歌山県紀の川市

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奈良県吉野郡十津川村

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奈良県

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