瓦版2016.8.23 第325号

わが学会、NPOのことし最大の行事・「飯山フォーラム」まで100日を切り、

いよいよ登壇者の顔ぶれなどの形が決まりました。(詳細は「編集室便り」に)

フォーラムはもちろんのこと、9月10月の「さんか・さろん」にもぜひ・・

・・・



コラム<火曜日の鐘> 早野透(桜美林大学名誉教授)

~~~

日本の夏、さまざまに



青森で、日本政治について講演してきた。夜は、地元の人の案内で、青森の

幾つもの地酒をしたたかに飲んだ。辛くて透き通った味は、ほんとにうまいと

思った。それぞれ醸造元が丹念に仕込んでつくる地酒は、スローライフの結晶

である。

さて、翌8月20日、東京に帰ろうと駅に行くと、新幹線はなんと全部満席で

立って帰るほかないとのこと。うん、まあいいや、昔、大学山岳部にいて山に

行くとき帰るとき、満席ならデッキにたむろして行き来したものだった。

というわけで、デッキに陣取ると、そこに「多目的室」が設置されている。

赤ちゃんを抱いた若いママが次々来る。ここで授乳するんだね。きっとお盆で

実家に赤ちゃんを見せて、また東京に働きに戻るんだろう。

窓外は、青々と田んぼの稲が育っている。日本の夏を感じながらのデッキの

3時間、東京の家並が近づいてきた。



学会コラム<緑と絆の木陰> 神野直彦(東京大学名誉教授)


私の生まれた部屋


98歳になる父が、いつ死んでも不思議ではない状態に陥ったのは、二週間ほ

ど前のことである。血圧が90を越えることのない父を診て、医師である弟がそ

う診断を下した。とはいえ、父は元気である。

食欲が低下したら気をつけるように注意されているけれども、朝食には切り

餅を三つも平らげ、食欲は一向に衰えることがない。真夏の炎天下でも、父は

庭の手入れに余念が無い。もっとも、最近では草むしりと称して、芝生をむし

るという意味不明の行動をとっている。

93歳になる母は、精神的には弱音を吐いているけれども、医学上は父よりも

健康のようである。幼き頃、病弱だった私は、両親に孝行のできぬまま世を去

るのではないかと脅えていた。しかし、思い掛けず私は、古稀を過ぎてもなお、

親孝行のできる幸福に浸っている。しかも、既に両親を失った妻が、自分の両

親のように献身してくれるという望外な幸せにも恵まれている。

考えてみれば、父に限らず人間は皆、いつ死んでも不思議ではない状態にあ

る。そう認識すると、自己の「生」を大切にするとともに、他者の「生」をも

大切にしようと思うようになる。というよりも、愛する者と「生」を「共」に

する時を愛しむようになる。

私は父と母が現在、寝室に使用している部屋で誕生した。父も母も私が「生」

を受けた部屋で旅立つに違いない。

私も私が「生」を受けた部屋で息を引き取りたい。優しき妻の腕に抱かれた

ままで。



▽▽▽▽▽▽▽▽











【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

宮城県石巻市「金華さば味噌煮」。東日本大震災直後にガレキの中から発掘さ

れた「希望の缶詰」。絵本となったお話のイラストを配した限定品が登場です。

△△△△△△△△△△△



■街角から畦道から


竹内 義昭 カズコさん(76)


8月15日はわが家にとって特別の日である。父、つまりカズコさんの夫の命日

なのだ。1998年のこの日、父は朝食のデザートで食べたメロンを喉につまらせ、

亡くなった。


救急車で運ばれた病院で、たまたま帰国していた妻とカズコさんが臨終に立ち

会った。私はシンガポールに赴任していたので、父の最期をみとることができ

なかったが、日本にいたとしても間に合わなかっただろう。


世間では終戦記念日だが、竹内家では家族そろっての墓参りの日なのだ。


今年は初めてカズコさん抜きの墓参りとなった。猛暑の中での外出は難しいと

の判断からだ。夕食時、「今日は何の日?」と聞いてみたが、案の定、答えは

なかった。



■まち・むらニュース


・岩手県遠野市 遠野ホップ収穫祭


遠野市はホップの生産国内トップクラスを誇る。おいしいビールと、おつまみ

にぴったりの地域の旬の食材を味わいつつ収穫を祝う祭り。収穫祭オリジナル

限定ビールも樽開けされる。

開催日時:8月27日(土)?28日(日)11時?21時

会場:蔵の道ひろば(遠野駅より徒歩2分)

主催:TKプロジェクト実行委員会

問合せ:遠野市商工観光課 TEL 0798-62-2111

http://brewingtono.jp/events/01.html



・石川県珠洲市 見附島シーカヤック体験


能登の軍艦島とも呼ばれる見附島。シーカヤックに乗り、見附島をぐるり一周

して里山里海を存分に楽しめる。事前予約は不要で、当日申込み用紙に記入。

開催期間:?9月末までの土日祝日 時間:9時?11時、13時?15時

場所:珠洲市宝立町鵜飼見付海水浴場前 料金:大人2000円、子ども1000円

主催・問合せ:見附島観光協会 TEL 0768-84-1300

http://www.city.suzu.lg.jp/data/open/cnt/40/1430/1/event_019.pdf



コラム<象さんの散歩> 信州へ“里帰り”の旅


里帰りの季節。お盆が終わってからだが、旅に出た。妻・宏子、そして英樹

の運転で、こころのふるさと・信州、まず、白馬の森へ。

宿は、久しぶりのホテル「山の森」に。長野・冬のオリンピックにノルウェ

ーの選手と大会役員が宿泊したホテルで、建物も食器も、部屋のたたずまいも

まさに北欧調の落ち着いたすてきな宿である。過去3回泊めていただき、ご主

人の室伏義郎さんについて、この瓦版146号に『スローな食物誌:北アルプス

山里からの食のデザイン』を取り上げて紹介した。また楽しい話が弾んだ。

翌日、木崎湖近くの中山高原、居谷里湿原などをのんびりと巡って松本市へ。

小沢征爾フェスティバル。ヨーロッパで体調を崩した小沢さんは、プログラム

を変更してベートーベン「交響曲第7番」の指揮を。イスから立ち上がっての

熱演に、地元新聞の表現は「拍手は10分間鳴りやまず」。その夜は居酒屋「し

づか」。一年に一度、小沢タクトが振られた夜には必ずやってくる家族3人と

して馴染みとなっている。ホテル花月、お菓子の開運堂、翁堂・・。

私は、朝日新聞でまだ若き社会部記者時代に、この松本を見開きページに書

く機会があった。それからは第二のふるさとである。そして、信州の木曽、美

ヶ原、白馬などにもよく出かける。今は、飯山をこころのふるさとと呼びたい。

今回も、この信州旅の前日は「さんか・さろん:飯山シリーズ」の生源寺眞

一先生の講話があった。旅の当日も飯山に立ち寄って市役所で足立正則市長と

お目にかかった。旅の最後の日は、東京に戻ってから小山邦武「蛍の宿をまも

る会」主幹と夕食をいただいた。むしろ飯山ウイークに・・ ∨ 川島正英 ∧



================= PR =====

「奈良県十津川村」から・・

「つり橋の里キャンプ場」は、日本一の谷瀬の吊り橋の下でキャンプできます。

昼は川遊びとバーベキュー、朝は吊り橋から水車や展望台までの散歩。そんな

お客様が多い夏休みです。TEL 0746-68-0626

=======



コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> 土地の隠し技

~~~

初めて訪れた街で出会うのは、名物など有名なものになることが多いのですが、

何度か訪ねると意外な発見があります。長野県飯山市は、春の菜の花が有名、

それが夏は千日紅や黄花コスモスがずらり。食べ物では、笹ずしやお蕎麦が知

られますが、なんと鰻も。農産物ではアスパラや米、先日は桃やベリー類が。

訪れる度にこんな面があったと知って、また魅了されてしまいました。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=377



■編集室便り


◇「飯山フォーラム」登壇メンバーの顔触れ決まる


NPOスローライフ・ジャパンと飯山市で進めるスローライフ・フォーラム

in 飯山『ふるさとを再発見し創生する』について、登壇メンバーの顔触れ

などを最終的に話し合って決めた。


*全体会議


11月23日(水・祝) 飯山市文化交流館「なちゅら」で。


<基調講演>神野直彦(東京大学名誉教授)

<分科会報告>座長3人から

<シンポジウム>コーディネーター:増田寛也(スローライフ学会会長)

パネリスト:足立正則(市長)

中村桂子(JT生命誌研究館館長)

分科会 座長、アドバイザーも加わる。

そして、11月22日に「夜なべ談義」を。

  23日に「分科会総まとめ会議」を開くか、検討中。



*分科会

これまで行ってきた2回の検討内容を整理しながら論議する

第3回分科会を10月9日(日)に飯山市公民館で開く。



<第一>「ふるさとを見直す」

座長:太田和明(花卉栽培)

アドバイザー:坪井ゆづる(朝日新聞論説委員)

<第二>「ちびっ子・わけしょの里」

座長:高柳克章(建築)

アドバイザー:斉藤 睦(地域総合研究所長)

<第三>「あらためて逸村逸品」

座長:鷲森秀樹(仏壇製造)

アドバイザー:野口智子(ゆとり研究所長)


◇東京での学習懇話会・スローライフ学会「さんか・さろん」飯山シリーズ

<9月20日> 尾田栄章(NPO渋谷川ルネッサンス代表)

「日本の水、千曲川の水、飯山の水」

<10月18日> 木村 宏(北海道大学観光高等研究センター特任教授)

「こころの旅」


9月の「さんか・さろん」は、奈良シリーズでも講話いただいた

尾田栄章さん(NPO渋谷川ルネッサンス代表)です。

日本の水の権威と膝を交えての談論に、ぜひ、どうぞ。



◇スローライフ・ジャパンへメールを送るときのお願い。



このスローライフ瓦版は、メールマガジン専用のアドレスからお送りしてい

ますので、このメールに返信していただいても事務局には届きません。

スローライフ・ジャパン、スローライフ学会、この瓦版への投稿などは

こちらまでお願いします。↓



□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:ワードやパワーポイントで作成した文書を外出先で出力したいことがあり

ます。何かいい方法はありませんか。<編集室:篠原伊佐武>



A:コンビニの出力サービスが使えます。ワードやエクセルであれば、pdfフ

ァイルとして保存できます。そのpdfファイルをUSBメモリなどに移せば、コン

ビニなどのマルチコピー機で印刷することができます。



==== PR ====

クオリティライフから・・・

講座「酵素玄米でベジアジアン」9月7日(水)11時から。女性に人気のヴェ

トナム、タイ、インドネシアなどのお料理を、酵素玄米を使って楽しみます。

お申込はこちら >>>http://qwebm.quality.co.jp/mail/u/l?p=N9Zx8l4CIegZ

=======



■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

出雲市

http://www.city.izumo.shimane.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

http://www.quality.co.jp/

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



=======


最後までお読みくださって、ありがとうございました。

このメールマガジン、あるいは当団体へのご意見、ご質問はこちらへ


このメールは毎週火曜日の発行です。NPOスローライフ・ジャパンとの

ご縁を頼りにお送りしています。初めて受信される方も含めて、

お気軽にお付き合いください。


今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメール

アドレスの変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。


=======


Copyright(C) NPO法人スローライフ・ジャパン スローライフ学会



〒160-0002

東京都新宿区四谷坂町9?4 リカビル301

TEL 03-5312-4141  FAX 03-5312-4554

http://www.slowlife-japan.jp/