「端午の節供」~兜と勝虫(かちむし)

 

端午の節供は別名「菖蒲の節供」ともいわれ、この時期から盛りを迎える菖蒲の葉をふんだんに用います。菖蒲湯、菖蒲酒、菖蒲枕、菖蒲葺き・・、邪気を祓い、梅雨、夏への変わり目を健康で乗り切る知恵です。

菖蒲の音は武を重んじる「尚武」と同じ。男の子の節供として定着しています。一緒に置いたのはトンボのフック。トンボは後ろ向きに飛ばず、常にまっすぐに前進のみ。勇敢な虫として「勝虫(かちむし)」と呼ばれ、その意匠は武具などに多くに用いられ、武士の心得を表します。

作・文 丸山 薫 (心葉 主宰)