「少しずつでも、出来ることを積み重ねていこう」という増田寛也さんの「さろん」でした。

2024年1月16日(火)、新年「さんか・さろん」がありました。講師は毎年恒例の、増田寛也さん(日本郵政社長・スローライフの会 共同代表)。テーマは「スローライフは時代を超えて」。43人のご参加でした。

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240115 スローライフの会用_資料

~まずは、増田寛也さんからのお話がありました。(要約)~

「今回の地震で亡くなられた方々に心からお悔やみ申し上げる。被災された方々が少しでも早く日常に戻れるように願う。今回、郵便局230局が被害にあい、71局が開局できない。早くネットワークを取り戻し、地域に貢献できるようにしたい。以前、養老孟子先生が「大きな災害の後には、世の中に大きな変化が起きる」と語られていた。悪いほうに変化しないようにと思う。

これまで効率を追い、利便性で東京にすべてが集められてきた。防災力が薄くなってきている地域に、今後どうしていくかが大事だ。まちづくりをするときに、少しでも地域の「自給力」が上がるよう目指すべきだ。食べ物でもエネルギーでも。各地で考えていこう。

昨年は実に暑かった。気候変動で、「地球沸騰の時代」ということも言われた。世界で洪水や森林火災、海面上昇も起きた。日本では、リンゴが育たず、お米の収穫量や質も落ちた。酪農も被害が出た。各地のサンマ祭りは予定通りにできなかった。コロナのせいではなく、サンマが獲れず魚体も細いからだ。南で捕れていた魚が北でとれるという変化も。いきなり獲れる魚種が変わっても、加工技術が違うのでその土地でお金にしにくい。この2~3年、は旬というものが味わえなくなってきている。

気候に関する言葉も年々厳しさを増してきている。「災害級の暑さ」とか、今回の地震でも「命を守る行動を」とテレビで訴えていた。紫式部の時代や『枕草子』などにも、災害や気候変動の表現が出てくるが、現代とは全く違うだろう。気候変動には全世界的に対応策を考えねばならない。

ただ、最後は個人の意識と行動になる。災害の後の大きな変化があるとしたら、行きつく先がどういう方向に行くのかを注意深く見ていなくては。力で物事を変えようとするなどということがないように。これからの行く末をきちんと見ていこう。我々は小さなことの積み重ねで、やれることをやっていこう。それがスローライフの精神だ。

これから人口は急激に減る。そういうことを招いてきた原因を考えたい。ジェンダーの問題は日本社会ではあまり大きく扱ってこなかったが、少しずつ解消し始めている。早急にジェンダーギャップに対策をしなくてはと思う。各地域で議論をしてほしい。小学校の一学年が一桁の数しかいないという地域が多い。健康維持や学力についてもいろいろ難しい。ならばオンラインでということになるが、それだけでは解決しない。少子化対策には、まず地域で自給自足の小さな経済を作って行くことだと思っている。」

~その後、参加者から多様な意見が出ました。~
「少量多品種」「自給力」「スモールであることの大切さ」などのキイワードについての意見が出たほか、「地域郵便局の役割ややっていることをもっと宣伝しては」などの提言もありました。

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