瓦版2015.6.2 第262号

6月に入った。暑い。まず「さんか・さろん」のお知らせ。こちらは、熱い。

理想のスローライフむらを「八峰村」と名づけて、さまざま意欲的むらづくり

への挑戦を続ける長野県小海町の渡辺均さんのお話を・・「編集室便り」に。

・・・・・・



コラム<火曜日の鐘> 丸岡一直(社会福祉法人二ツ井ふくし会理事長)

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竹内さんに教えられて実るほど頭を・・・


竹内義昭さんの連載終了が残念です。「カズコさん―老々介護の現実」は、

介護施設を運営する側にとっても多くの教訓と示唆を与えてくれていました。

介護保険制度も15年を経過し、幾多の問題をはらみ、定着しつつあります。

あまたの研修やセミナーがあり、経験も積み重なって、介護の充実につながっ

てはいますが、多くは介護する側の論理で構成されており、される側に回ると

首をひねらなければならないことも多いはずです。

本人の様子。介護にあたる家族の心情。冷静に、客観的に、ときに赤裸々に

綴られた文章には、しばしばはっとさせられました。

ネットの文章は縦書きにするとだいぶイメージが変わります。勝手に編集し、

B5版の小冊子風につくったものを手もとに置いていますが、繰り返し目を通

しながら再開を待っていたいと思います。



学会コラム<緑と絆の木陰> 増田寛也(野村総合研究所顧問)


東京圏の高齢化問題



人口や経済の一極集中によって、一見「勝ち組」に見える東京圏だが、急速

な高齢化により「地方消滅」以上の危機的状況に陥りそうだ。団塊世代が後期

高齢者に達する2025年には、日本全体で後期高齢者は533万人増加するが、その

うち3分1の175万人は東京圏で増加する。医療機関のキャパシティーがネック

となって医療不足も、今後深刻化するが、さらに厳しいのは介護施設やグルー

プホームなどの極端な不足である。

なにしろ、東京圏では「土地制約」により新たな施設整備が困難であるが、

それ以上に困難なのは「人材制約」である。2025年には、看護・介護職員が、

さらに80?90万人必要と試算されている。しかも、見守りなど日常的な支援が

必要とされる単身世帯が多いため、不足数はさらに増える可能性もある。現場

は現在でも慢性的職員不足で、既に都内だけで待機介護高齢者が4万3千人も

いるというのに、これからわずか10年間でこうした二つの制約を解決するのは

至難のわざである。

高度成長期に集団就職等で上京し、企業戦士として激務に耐えてやっと定年

を迎え、さぁゆっくりと老後を楽しもうと思っても、このまま東京に暮らし続

けるのであれば、豊かなスローライフは簡単には実現しそうにない。地方への

移住を真剣に考える必要があるように思う。



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【逸村逸品】ひとこと紹介 ? http://www.facebook.com/slowlifej

群馬県前橋市「上毛かるた」。群馬で子ども時代を過ごしたほとんどの人たち

が暗唱している、といわれるほど浸透しています。郷土かるたのさきがけです。

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■街角から畦道から


梶 亨(観光文化創造研究所長) 国立競技場の建設に思う


半世紀近く前のことになるが、東京オリンピックの閉会式の光景は今でも忘れ

られない。抽選に偶然当たった高校生の私は、日本人旗手を肩車しながら行進

してきたあの光景を感激の涙を流しながら眺めていた。

設計コンペにより奇抜ともいえるデザインの作品を採用し、経営優先の収容数

を基にした新国立競技場の建設に、日本を代表する建築家や文芸家たちが神宮

外苑の景観と調和する元の競技場の改修を提起した。だが、再考されることも

なく昭和の歴史遺産は解体された。そして、今になり開催時の建物の完成度や

工期に加え、正確な推計すらできない巨額な建設費の問題を掲げながら、国は

東京都に協力を求めてきた。驚き呆れて他に言葉が見つからなかった。

新しいモノは全て素晴らしく便利だという文明の利器を善とする考え方に疑問

を投げかける人も多い。蛇行する川の流れを直線化してきた治水行政も、ゆっ

たりと流れる風景を大切にする手法を取り始めている。高速道路、タワービル、

最先端の技術による橋梁等・・。利用の仕方によってはどれも良いが、景観や

ローテクも大切な文化財と評価するような新しい社会の動きに期待したい。



斉藤 睦(地域総合研究所所長)「カズコさん・・」のファンでした


この欄のコラム・竹内義昭さんの「カズコさん 老老介護の現実」が一旦休止

となったことは、前週の文末のお知らせで知っておりましたのに、今週改めて

「カズコさん」の記事がない喪失感を味わいました。寂しさに昨年の11月25日

からの全編を読み返して、ユーモアをも含んだ認知症のお母さまの介護の日々

のつぶやきが、しみじみと胸に沁みました。

私は2年前92歳の母を亡くしました。認知症は人それぞれですが、母の認知症

と「カズコさん」とは、どこか共通しています。“新聞を逆さに読む活字中毒”

“TVの登場人物をみな知人にする”。デイサービスからの連絡帳の“バナナ

1本、梅干し1個”の記述に、母を思い出して泣き笑いをしてしまいます。

認知症チェックに「今の季節は何ですか」という質問がありまます。母はその

質問に春でも冬でも毎回「初夏」と答えました。きっと母は季節の中で初夏が

一番好きだったのだ。今の季節、母の口調を思い出してツンとしたかたまりが

鼻にこみ上げます。そして、「カズコさん」の再開を心待ちにしてしまいます。

もちろん、ご負担にならない範囲で。



■まち・むらニュース


・長野県池田町 カミツレ花まつり


カモミール(和名:カミツレ)の可憐な花が、北安曇野の大自然の中満開にな

る季節。刈り取り体験や、カミツレエキスたっぷりの「華蜜恋の湯」など、町

を挙げての「花とハーブの里」が楽しめる。宿泊施設も併設されている。

日時:6月6日(土)?7日(日)10:00?16:00

場所:カミツレの里(池田町広津4098・JR信濃松川駅から車で20分)

問合せ:0261-62-9119(八寿恵荘)入場料無料、入浴料200円

http://yasuesou.com/lib/?p=254



・高知県南国市 えんこう祭り


「えんこう」は河童の異名。夏の水遊びが始まる前に、子どもたちの水難除け

を願い、川筋に菖蒲の葉で小さな祭壇を作って、「えんこう」の好物とされる

キュウリや酒の供え物をする。

開催日:6月7日(土)

場所:後川河畔(南国市前浜、土佐くろしお鉄道「立田駅」)

問合せ:南国市商工観光課TEL088-880-6560

http://www.attaka.or.jp/kanko/dtl.php?ID=5019



コラム<象さんの散歩>


    映画「水と風と生きものと?中村桂子・生命誌を紡ぐ」


先週は、わが会理事・中村桂子さんから映画試写会へお招きいただく。東京

のポレポレ東中野での公開に先立って「水と風と生きものと」を。

ドキュメンタリー映画である。題材は、当然ながら生命誌。理解できるかな

と身構えて鑑賞したが、感嘆あるのみだった。中村桂子さんの生命誌の研究、

展示、広報のあり方は独特で、驚かされるのが常だった。そもそも、研究施設

である大阪府高槻市のJT生命誌研究館、さらに昨年の研究館20周年記念展示

祭がいい例だろう。学究の高さを保ちつつ、独創性を失わず、それでも、美し

く、楽しい。映画も例外でなかった、というより中村桂子生命誌の頂点へと。

映画は、中村桂子さんが宮沢賢治のふるさとを歩き、建築学、造形学、哲学、

科学などの学者と対話しつつ描いた生命誌絵巻といっていい。『遠野物語』の

水と風に安らぎ、「セロ弾きのゴーシェ」の生きものとともに歌う。

中村桂子さんは「史」にくわしく「詩」をゆたかに、そして「誌」をみごと

に紡ぐ。生命誌のこころを、印象深く伝えてくれる映画、といえよう。

すばらしい映画のプレゼントをいただいた日は、たまたま私の83歳の誕生日。

生命誌を紡ぐ、テーマに、なおさら深く感じるものあり・・ ∨ 川島正英 ∧



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「奈良県十津川村」から・・

6月20日?30日は「十津川温泉郷 源泉かけ流し温泉感謝祭」。全国初の

『源泉かけ流し宣言』を記念し、期間中は対象の公衆浴場が無料です。

詳しくは 十津川村役場 観光振興課まで。 電話0746-62-0004

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コラム 野口智子<スローライフ曼荼羅> みんなの家

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和歌山県紀の川市の仕事で今年はここに通います。旅館での連泊は嫌なので、

空いていた家を借りました。駅前で1階がお店、2階が住まいだった造り。私

が一人で使うのはもったいない。そこで、観光まちづくりのために、皆が集ま

れる場にしました。呼びかけると家具や食器が集まり、プロジェクターやスク

リーンもつき、快適です。皆、我が家以外の居場所が欲しかったんですね。

http://noguchi-tomoko.com/modules/yutoriaruki/details.php?blog_id=315




■編集室便り


6月の「さんか・さろん」は渡辺均さん(長野県小海町)

「“スローライフ・八峰村”への挑戦」のお話です。


「さんか・さろん」でお馴染みの渡辺さんは、八ヶ岳山麓の体験農園「八峰村」

(ヤッホー村)の“村長さん”です。かつては、調査研究・マーケティングの

専門家として、東京中心に各地の仕事をされてきました。


そんななかで“自前流通の必要性”を痛感し、口先ばかりのコンサルタントで

はない“言ったことはやる、やったことを言う”道を選び、現在は小海に根を

下ろされています。


原発被害を受けた飯館村への支援・連携のための活動も続けています。飯館村

の人たちを招いて伝統保存食“凍み餅”を共に作るプロジェクトは、スローラ

イフ学会の中でも知られる活動です。


今回のさんか・さろんでは、脱:大量生産/大量生産型社会への挑戦ともいえ

る、八峰村での活動をうかがいます。酒米づくりから取り組んでつくる銘酒

「こうみざかり」をいただきながら・・。


○日 時・・・6月16日(火)19時?

○会 場・・・クオリティKK・会議室マーキュリールーム

(千代田区麹町3丁目3 KDX麹町ビル6階)

http://www.quality.co.jp/company/map/map_tokyo.html

地下鉄麹町駅の近く。

新宿通りに面して麹町4丁目交差点から半蔵門寄り徒歩1分。


○講 師・・・渡辺 均さん(長野県小海町:八峰村村長)


○主 催・・・スローライフ学会、スローライフ・ジャパン

○参加費・・・会員1000円、一般2000円(学生500円、講師紹介1000円)

○参加ご希望の方はこちらまで。 メール

TEL 03-5312-4141  FAX 03-5312-4554


詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.slowlife-japan.jp/modules/katsudou/index.php?page=detail&bid=274



◇平成27年度の会費をお願いします。 新会員も募集中。


スローライフ学会は、NPOスローライフ・ジャパンが運営している学会

です。(学長・神野直彦、会長・増田寛也、副会長・中村桂子)

スローライフについて多くの分野から学び、楽しく語り合う。また、

全国でスローライフまちづくりをすすめる同士とのつながりです。



年会費5000円(自治体会員は50000円)、

この「瓦版」に記事を出したり「さんか・さろん」などで交流したり。

会費は下記の口座へお振り込みください。


【振込先】

ゆうちょ銀行 振替口座 00190?4?595293 スローライフ学会

三井住友銀行麹町支店 普通預金 8811176 スローライフ学会


詳しくはこちらをご覧ください。

http://www.slowlife-japan.jp/modules/contents/index.php?content_id=3



□スローライフ版・IT塾 ——————————————–


Q:拡張子のことでお聞きします。ファイル名のあとにつく「doc」や「ext」

のことなのはわかりますが、メールで添付したとき、受信側のパソコンの環境

によって拡張子が変わることってあるんですか? <編集室:篠原伊佐武>

  ▼

A:拡張子とは、コンピューターがファイルを開くときにどのソフトで開くの

かを判断するために設けられています。メールなどで変わることは基本的にあ

りませんが、Outlookを使っている場合、HTML形式で文章を作って、そのファイ

ルを送信すると受信側では拡張子が「winmail.dat」に変わることがあります。

そういうときは送信側にその旨伝えて、テキスト形式で送うようにしてもらう

のもひとつの方法です。



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クオリティライフから・・・

たまな食堂のカレー屋さん「たまなかり」の特製『天然酵母の焼き玄米キーマ

カレーパン』や『きまぐれパン』など、天然酵母の不定期日替わりパンが人気

です。http://qwebm.quality.co.jp/mail/u/l?p=wlviY7t7lhEZ

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。


鹿児島県

http://www.pref.kagoshima.jp/pr/koryu/index.html

岩手県遠野市

http://www.city.tono.iwate.jp/

和歌山県紀の川市

http://www.city.kinokawa.lg.jp/

奈良県吉野郡十津川村

http://www.vill.totsukawa.lg.jp/www/toppage/0000000000000/APM03000.html

日本テレネット 株式会社

http://www.nippon-tele.net/

クオリティ株式会社

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アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

株式会社サンクス・ツー

http://www.thanks2.jp/



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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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