瓦版 2024.2.13 第704号 室崎千重さんのコラム掲載

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スローライフ瓦版 (2024.2.13 第704号)

 

発行:スローライフの会

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お待たせしました。新装「瓦版」をお届けします。今回から会員同士の交流

や情報交換をより進めるために「あっちこっちで多事争論」を設けました。み

なさんご自身が主役のコーナーです。日ごろの思いや、気になるお話を、どし

どし、ご投稿ください。通算704回目の名物コラム「緑と絆の木陰」には新

たな執筆陣が加わります。発行は第2、第4火曜日です。ぜひ、お楽しみに。

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ご感想を下記にお寄せください。

slowlifej@nifty.com

 

 

■コラム 緑と絆の木陰   

 

地方の視点、女性の視点?

室﨑千重(奈良女子大学准教授)

 

今回からコラムの執筆者に加わりました、室崎です。11年前から奈良女子

大学の教員として、奈良で働いています。住まいは京都です。かつて「さんか

・さろん」でご報告の機会をいただきましたが、学生たちと十津川村谷瀬集落

に8年近く通って、むらづくり活動にも関わっています。

さて、なぜ、私がこの執筆担当に?という経緯は、事務局野口さんから「若

くて、女性で、地方の人、我が団体のことをよくご存じの方」に頼むべくお声

がけいただいたからなのですが・・・。「若さ」とは相対的なもので、大学で

働く私は全くもって若くはないのですが、他の著名な執筆陣の方々との比較で

若いんだなぁ、と自分を納得させました。「女性」「地方の人」という二つは

他の仕事の依頼でも実際のところ、選定条件として見え隠れすることが多いの

です。

確かに、私の基本属性の一部だけれど、いつも、この条件に「もやっ」とし

た何かを感じるのです。どちらも日常生活でほぼ意識することがないのに、私

の語りには地方から、女性からの視点が潜んでいるのでしょうか? 女性だか

ら見えること、地方からだから見えることって何なのでしょうか。

今後、私のコラムを読んでいただく方々にも一緒に探っていただき、私の

「もやもや」がこのコラム連載を通して解明されたらいいなと思います。これ

からどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

■あっちこっちで多事争論 (会員投稿)

 

「能登半島地震に思うこと」

舟越隆裕(栃木県日光市 珈琲CoCom )

 

前職の日光市観光協会を早期退職し、飲食店の起業を決意した時、選択肢は

2つありました。それは「実店舗」を開くか、「キッチンカー」にするか。い

ろいろ考えた結果、「キッチンカー」を選んだのは、必要とされるお客様のも

とに駆けつけられるのが自分に合っていると確信したからです。胸中にあった

のは、東日本大震災の時のキッチンカーによる支援活動です。もしもの時に役

に立てればとの「思い」です。

今回の能登へは、距離的なこともあって駆けつけられませんが、気持ちだけ

は忘れずにいようと思います。と、思っていたら、知り合いのキッチンカー仲

間が、ふるまい活動を行ったとのこと。これからも継続するそうで、仲間とし

てうれしい限りです。

被災地の方々は、まだまだ不安な状況でしょうが、まわりの方との交流を図

るなど、心の癒しも忘れずにいてくださればと思います。

 

 

「熱海にて~」

石井みな子(東京都 NPO品川女性起業家交流会理事長)

 

先日、久しぶりに熱海へ。日曜から一泊二日、ある会の幹部会議に参加のた

め。実は、私の参加動機は会議より温泉に入りたい! 若い移住者が増えてい

るとかで、その空気実感したい~との思いがあってのことでした(苦笑)。

駅からタクシーで海沿いを走ると、早咲きの河津さくらがお出迎え。「あ~

ぁ海だ~、温泉だ~」と、うっとり。宿は海沿いの昔ながらの旅館。早々に、

しっかり会議をして、5時からは久しぶりの宴会。部屋は懐かしき昭和があふ

れ、畳に浴衣とふかふかの布団、大きな窓から美しい夜景が一望できました。

しかし温泉に入っても、宴会をしても、夜景を眺めても、今一つ心が和まな

いのです。それは、昼間の会議の休憩中、海岸と漁船を眺めながら「地震、津

波がきたら大変だね。避難場所は?」と話していたからです。その途端に、

日々心を痛めている能登半島地震被害の景色が重なり、その悲惨さと心苦しさ

が心を覆い、斜面のリゾートホテルもモノクロになった感じでした。

明日は我が身。それでも翌朝の女将と仲居さんの笑顔に送られ、「さすが熱

海のおもてなし実績!」と心和みました。

 

 

「スローな視点でJ1を語ってみる」

坂田啓子(佐賀市 スローライフの会会員)

 

すがすがしい青空。

鮮やかなみどりの芝生。

躍動する選手のすがた。

それを見守るたくさんのサポーター。

あら?小さな男の子が一人で来てる。しっかりと水筒と座布団を持って。

あそこには、いつも見かける高齢の女性が、今日も同じ場所に座っている。

向こうの列には、こうれいのだんせいがなんにんも。もちろんこうれいふうふぺあでのかんせんも。

J1サガン鳥栖のホームスタジアムでは、こんな光景が見られる。

私が描いていたスタジアムのイメージとはちょっと違う優しい光景。

人口7万人という小さな町をホームタウンとするサガン鳥栖の試合をみんな

とっても楽しみにしている。

子どもが一人で安心して来ることができるスタジアム。

高齢者が毎回楽しみに出かけてくるスタジアム。

そんな場所があるって、素敵だと思いませんか?

 

 

「スローライフの思い出」

人形寺祥弘 (兵庫県淡路市 元地域交流広場代表)

 

スローライフ・フォーラムに出会ったのは2009年12月5日です。この日に淡

路島の南あわじ市、洲本市、淡路市の三ヶ所で開催された「スローライフ月間

㏌淡路島」の淡路分科会にパネリストとして参加しました。テーマは「限界集

落でない、元気集落だ。物差しを持ち替えよう」。コーディネーターは生源寺

真一先生で、パネリストは群馬県の神戸とみ子様、河本大地先生、坪井ゆづる

様。参加者の皆様を大阪湾と瀬戸内海が同時に見えるところにご案内したこと

も思い出深いです。

翌日は三会場の参加者が一堂にあつまり「島に学ぶ」をテーマにディスカッ

ション。川島正英様が総合司会で増田寛也様、斎藤睦様、中村桂子様、生源寺

先生、兵庫県の井戸敏三知事が議論しました。会の後の交流懇親会で、当地自

慢の「吹き戻し」を井戸知事と増田様が、吹きっこされた光景を昨日のことの

ように思い出します。

その後、私は青森、雲仙、飯山、出雲、丹波篠山、十津川、綾部のフォーラ

ムへも。スローライフの皆様との出会いが私の人生の一番の自慢です。

 

 

「スローライフな社会へ」(上)

大山皓史  (千葉県松戸市 弁護士)

 

世界は、気候変動による自然災害が大規模化し、さらにグローバル化した新

自由主義経済の下で貧困層の拡大による社会の不安定化が進む異常事態。それ

なのに、愚かにも人類はウクライナやパレスチナで戦争の暴挙。日本国内も、

国政の劣化は、目を覆うばかりです。

この安心できない不穏な状況は、歯止めのない人間の欲望が政治と経済の歪

みを大きくしているからだと思います。このようなときに、スローライフの会

が、新たな歩みをはじめました。「スローライフ」の意義を、どのようなもの

として理解するか。私は多くの人たちや先賢の考え方、生き方から直接、間接

に学びながら、スローライフの生き方とも親和する拙著『心ゆたかな社会へ』

の夢想? を少しでも現実化すべく、広範な視点から草の根民主主義を再定義

し、地域社会から新しい時代の理想をめざす道筋を求めてさらに考えを深めて

いきたいと想っています。         (以下、次号に続く)

 

 

 

■まち・むらニュース

 

・和歌山県紀の川市「八朔」のクラフトビール今年も販売。

 

柑橘の「八朔」が美味しい季節がやってきました。紀の川市は八朔収穫量が

日本一。その八朔をふんだんに使ったクラフトビール「紀の川はっさくエール」

は八朔の酸味、苦味がほどよい人気商品です。「道の駅 青洲の里」で申し込め

ます。本数が限られています、お早めにどうぞ。一本330ml・550円。

ご注文:電話0736-75-6008かFAXで。

支払い:振込 お届け:2月22日以降、着払

情報提供:神徳政幸さん(和歌山県紀の川市 道の駅 青洲の里駅長)

 

・長崎県雲仙市「雲仙灯りの花ぼうろ2024」開催中。

 

冬のイルミネーションイベント。雲仙岳にできる冬場の霧氷を地元では

「花ぼうろ」と呼びます。いま、それをイメージしたイルミネーションが

温泉街を彩っています。毎土曜日には「花ぼうろ花火の宴」が、また豪華

景品が当たるまち歩きの謎解き企画や、キッチンカーの出店なども。灯り

を楽しんだ後は、温泉でゆっくりどうぞ。

期間:2月24日(土)まで 場所・雲仙温泉街一帯

問合せ:雲仙観光局 電話0957-73-3434

 https://www.city.unzen.nagasaki.jp/kiji0036686/index.html

 

 

 

■スローライフ曼荼羅

 

オンラインで伝承の味体験

野口智子(ゆとり研究所)

 

奈良・三重・和歌山各県南部に伝わる「めはり寿司」。高菜漬でご飯をくるん

だ巨大なおにぎり、大口を開け目を見開いてかぶりつくためこの名があります。

最近は小さめですが、家々のこだわりの味つけや作り方は守られています。そ

の体験教室をオンラインで行いました。あらかじめ材料を送り、村の女性が先

生、参加は室崎千重先生のゼミの学生さんです。大笑いしながらも何とか完成し、

かぶりつきました。 https://noguchi-tomoko.com/post-10220/

 

 

■つべ小部屋  

 

「政治とカネ」 収支報告のデジタル化を

つぼいゆづる(スローライフ瓦版編集長)

 

ようこそ、「つべ小部屋」へ。川島正英さんの「象さんの散歩」を引き継ぐ

編集長コラムです。あれこれ、なんだかんだ、つべこべと発信してゆきます。

朝5時に起きて夕刊「素粒子」を書く仕事を卒業して、はや2カ月。大地震

の脅威を目の当たりにしつつ、自民党の裏金問題に憤怒する日々が続きます。

しかし、政治資金パーティーのいかがわしさは、かねて指摘されてきた話で

す。たとえば、旧統一教会の名称変更を認めた文科相は、加計学園に200万

円分のパー券を買ってもらっていましたが、「11の個人・企業の購入代金を

学園がまとめて持ってきた」と抗弁。各20万円以下だから報告義務はないと

いう言い逃れで通しました。こんないい加減さがまかり通る法制度を、世論は

結果的に黙認してきたわけで、そのなれの果てがいまの惨状です。

政治資金規正法の改正では、公開範囲の拡大や連座制の導入などは当然のこ

とです。その上で収支報告書のデジタル化が必須だと考えます。国会議員の財

布を各自一つに限定した上で、その報告書のWEB公開を義務づける。誰でも

いつでもどこでもチェックできる仕組みにすれば、政治家の側も適当な報告が

できなくなるでしょう。いまこそ河野デジタル相の出番だと思うのですが、さ

て、どこで何をされているのやら。

 

 

 

■編集室便り

 

▽あらためて、「スローライフの会」「スローライフ瓦版」をよろしく。

 

昨年12月にNPOから「スローライフの会」という任意団体になりました。

顧問:神野直彦(東京大学名誉教授)、川島正英(元NPOスローライフ・ジ

ャパン理事長)。

共同代表:増田寛也(日本郵政社長)、中村桂子(JT生命誌研究館名誉館長)

坪井ゆづる(自治総研客員研究員)、野口智子(ゆとり研究所代表)の体制で

活動します。「瓦版」は本号から坪井ゆづる編集長のもとで、配信します。

皆さまからの感想を、心より心よりお待ちしております。

詳しくはこちらから。 https://www.slowlife-japan.jp/s-2/

 

 

▽2月の「さんか・さろん」は棚田のお話です。

 

「棚田君」というニックネームで知られる、棚田一筋の永菅さんのお話を伺

います。棚田や、美味しいお米、自然のなかでの催しなどにご興味ある方はど

うぞ。詳しくはこちらから。

 https://www.slowlife-japan.jp/2024/02/03/%ef%bd%93-291/

日時:2月20日(火)19時からzoomで

テーマ:「美しい棚田を未来の子どもたちへ17年の軌跡」

スピーカー:永菅裕一さん(棚田LOVERS)兵庫県市川町から

申し込み:メールで slowlifej@nifty.com (2月16日締切)

参加費:会員1000円、一般2000円。年間「さろん」参加費(3000円)を

お納めの方は不要です。支払い方法はホームページから。

 

 

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■私たちはいつもスローライフの動きを応援しています。

 

奈良県吉野郡十津川村

https://www.vill.totsukawa.lg.jp/

奈良県

http://www.pref.nara.jp/

雲仙市

https://www.city.unzen.nagasaki.jp/

出雲市

http://www.city.izumo.shimane.jp/

丹波篠山市

https://www.city.sasayama.hyogo.jp/

日本テレネット株式会社

http://www.nippon-tele.net/

シン・エナジー株式会社

https://www.symenergy.co.jp/

クオリティソフト株式会社

http://www.qualitysoft.com

アース・デザイン・インターナショナル(edi)株式会社

http://www.edi.ne.jp/

中島プレス工業有限会社

https://www.nakajimapress.jp/

 

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最後までお読みくださって、ありがとうございました。

このメールマガジンへのご意見、当会への連絡はこちらへお願いします。

slowlifej@nifty.com

 

このメールマガジンは毎月第2・第4火曜日に発行します。

これまでのご縁を頼りにお送りしています。

 

今後、このメールマガジンの送信が不要という場合、あるいはメールアドレス

の変更をご希望される場合もこちらへご連絡ください。

slowlifej@nifty.com

 

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「NPOスローライフ・ジャパン、スローライフ学会」は

昨年12月、名前が「スローライフの会」に、住所も変わりました。

よろしくお願いいたします。

 

〒160-0022 東京都新宿区新宿2丁目12番13号

新宿アントレサロンビル2階「スローライフの会」

メール slowlifej@nifty.com 電話090-7433-1741(野口)

 

※ご連絡はなるべくメールでお願いします。

※活動詳細はホームページからご覧ください。

http://www.slowlife-japan.jp/

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