8月の室礼「泥中の蓮」

「蓮は泥より出でて泥に染まらず」。泥の中から生じながら、美しい花を咲かせる蓮。このことから汚れた環境にあっても、それに染まらず清らかな美しさを保つ姿勢をいいます。仏教の教えですが、周りの環境のせいにすることなく、凛と生きていたいものです。

蓮の下に配したのは五色の「奈良団扇」。奈良の風物や正倉院文様を紙に透かし彫りした団扇です。装飾や贈答用に喜ばれますが、実用性も兼ね備えています。視覚の涼感を大事にしたい室礼です。

丸山 薫(心葉 主宰)